2021年7月10日土曜日

ドラマ 「アリエスの乙女たち」

1987年4月~9月。




♪アリエスゥ~、運命(さだめ)の星に身をやいてぇ~


アリエスゥ~、滅びることも怖くない


♪アリエスゥ~ウ~


何じゃ、この、間延びした歌は?!

主題歌は、突然、出てきた『かっしわばらよしえ』(柏原芳恵)。


主演の南野陽子(ナンノ)でもなければ、大映ドラマの専属シンガー、椎名恵でもない事に当初ガッカリ。


いや、いや、それでも『スケバン刑事Ⅱ』が終わって、(次のナンノのドラマは何だろう……)と期待を膨らましていたら、『時にはいっしょに』になんていう、主演でもない地味ドラマだったんですもん。(主演は伊藤ゆかり)


久しぶりの主演ナンノの姿を拝めるなら、こんな主題歌でも、我慢して観るしかないでしょうよ。(もう、この時期は熱狂的なナンノ・フアンになっていたワタクシメですから)


原作は、少女漫画家『里中満智子』の同名漫画のドラマ化。(知らん。こんな漫画があったのか?)



フランスはパリから、名門私立・仰星学園に転校してきた『水穂薫』(南野陽子)。


「帰国子女の美人転校生が、いきなりやってきた!」

こんなシチュエーションだけでも燃えるのに、薫は転校すると馬術部に入部して、自身が持ち込んだ愛馬エレクトラにまたがり、颯爽と風をきって、華麗に障害物を飛び越えていく様を、まざまざと平凡な学生たちに見せつける。


そんな薫は、転校初日から、たちまち学園のトップ・スター。


「キャー!キャー!」騒がれるのも、当たり前の出来事だった。(なんせ、スーパー・アイドル、ナンノですから)


そんな美しい薫に、人一倍、熱い視線をおくる者たちも、続々と現れはじめる。



佐倉しおり……薫に憧れるクラスメートの『久保恵美子』役。(実は異母姉妹)


「この人、病気なの?」って思うくらい、いつも顔色が悪い佐倉しおり。


目の下の隈が、もの凄いし(まだ若いのに)、頬はゲッソリとこけてるし、オマケにすぼんだ口元をしてるし……


こんな、《死神》にとりつかれたような顔の佐倉しおりが、南野陽子に「薫さん~」なんて、馴れ馴れしく近づいてくる様は、いつも不気味でございました。



石橋保………生徒会長で馬術部主将の『磯崎高志』役。


この人も佐倉しおりと同じで、このドラマで初めて見かけた人。


でも、なんだか学生役よりも、サラリーマン役の方が向いてるんじゃないのか?ってくらい、妙にオッサン臭い。



突然転校してきた薫に惹き付けられながらも、恵美子も好きだという、いつまでも煮え切らない男でした。


「南野陽子はお前にはもったいない!いくのなら、佐倉しおりで我慢しておけ! (笑) 」と、視聴者の声を代弁しながら観ていたら、案の定、『恵美子』(佐倉しおり)とデキてしまって、最後は二人とも自主退学。


そのままフェード・アウトしていくのである。(まぁ、そこそこ地味でお似合いの二人。)



松村雄基………不良グループのリーダー『結城司』役。(なぜ?名門校なのに、不良が?(笑) )


「大映ドラマの不良役といえば、松村雄基だ!」ってくらい、この頃には完全に定着しておりました。


パーマ・リーゼントに凛々しい眉毛。

鋭い眼光に、崩した学ラン姿の松村雄基。


安定の不良役、松村雄基の登場はどこかホッ!とさせてくれる。


『不良少女と呼ばれて』で伊藤麻衣子を「しょうこぉぉーーー!」と、やさぐれて呼びつけていた声は、


このドラマでは、「薫ぅぅーーー!」。(安定のセリフまわしは健在である)


こんな不良である『結城司』(松村雄基)と『水穂薫』(南野陽子)は、最初は、お互いに反発しあいながらも、しだいに両想いになっていく。


それにしても、松村雄基って、この時、歳いくつだったんだろう?(いつも、いつも不良の学ラン姿を見慣れてしまっていて、当時は考えなかったけどね)


調べてみると1963年生まれだから、この時、(ゲゲッ!)24歳くらい。(いつまでも続く学ランは嫌だったろうなぁ~)



相楽ハル子………結城司のSEXフレンドで、不良仲間『津川敬子』役。


その為、相思相愛になっていく司と薫にとっては、最大の天敵で、障害となっていく。


司にとっては、ただの肉体関係だけと思っていても(この司も相当酷い男)、敬子にとっては身も心も捧げた相手なのだ。


その為、突如現れた薫に、司がメロメロ💓😍💓になっていく様子を見ながら、毎日(キィーッ!🔥🔥🔥)歯軋り。


薫に対して凄まじい憎しみを募らせてゆく。



………こんな役をなぜ?相楽ハル子ちゃんにやらせたんだろう?!


当時、このドラマを観ていて、この部分が一番イヤだった。


『スケバン刑事Ⅱ』では、共に闘い、友情を育んでいた二人だったのに、こんな汚れ役を割り振るなんて……。



とうとう愛する司を引き止める為に、計画妊娠までして、強引に結婚を迫っていく『敬子』(相楽ハル子)。


司は愛する薫への気持ちをあきらめて退学。(また退学?)


敬子と渋々結婚して、陶芸家の道を志す。(妊娠した敬子も、もちろん退学である)


やがて産まれた子供に、全く愛情を持てない敬子。(元々、妊娠は司を薫から引き離す為の《道具》にしか思っていなかったのだ)


こんな折に、司は陶芸の釜が爆発して、両目を負傷する事故にあい、完全に失明してしまう。


目の見えない司と、産まれたばかりの赤ちゃん……


敬子は、

もう、知るか!やってられるか!!

で、とうとう育児放棄して、どこか遠くへとトンズラしてしまう。(もう、とんでもなく自分勝手な女である)



こんな目の見えない司が、産まれたばかりの赤ちゃんの育児で、てんてこ舞いな様子を遠くから、心配して見ていた『薫』(南野陽子)。


「このまま二人を放っておけないわ!」


薫は学校を自主退学して、司の側で《口の利けないオバサン》を演じながら、陰ながら尽くす決心をするのだった。(目の見えない司に気づかれないようにね)



退学、退学、退学、また退学………


みんなが問題を起こして、次から次へと退学していく名門私立の仰星学園。


校長役の初井言榮さんは、皆が去っていった後に、ひとり頭を抱えたそうな(とんでもねぇ~ドラマだな、おい!(笑) 。)



こんなドラマだったが、半年の長い間、毎週ナンノのドラマを観れたのは、幸せだったかも。


でも、何かのインタビューに答えているナンノを観たが、このドラマ期間中の事を「全く覚えてない」らしいのだ。


忙しさも絶頂期で、毎日寝る暇もなくフラフラだったナンノは、妙な微熱状態が続く中で、このドラマを演じていたという。


そんな忙殺の日々で、これだけ我々を楽しませてくれたのだから、本当に今更ながらに大感謝である。(「ナンノこれしき!」の気持ちで乗り切ったナンノに拍手!)


星☆☆☆。