1964年 イタリア。
長~いタイトル。
『イタリア式コメディー』と唱われた9本のオムニバス映画である。
あんまり、オムニバス形式の映画って得意じゃないんだけど、とりあえず観てみると……たわいのない、「え~、馬鹿話を一席…」っていうような、オシャレ風味の艶笑コント集でした。
主演は、このblogでも挙げた『にがい米』、『アンナ』の両方で、ゲスなクズ男ばかりを演じていたヴィットリオ・ガスマン。
9本全てに、配役を変えて主演しております。
俳優のスタートが、クズ野郎ばかりだったヴィットリオ・ガスマンも、(10年以上俳優稼業を続けていれば、こうやって主演がまわってくるのか~ ……)と、それはそれで何か感慨深いモノがある。
「努力は報われるんだ。良かったなぁ~ガスマン!!」なんて言えば、
「やめてくれよー!」って恥ずかしそうな本人の返事が返ってきそうだが (笑)。
それにしても、《街娼》(夜の街角に立って男相手に売春する)や、《パンパン》(街娼の別意)など、今では使われなくなった、きわどい言葉が、この映画ではバンバン出てくる。
60年代に入っても、この時代、手っとり早くお金を稼ぐ商売として街娼は当たり前のように存在しているのだ。
それを生業(なりわい)にする女性も、買う男性客たちも、アッケラカンとしていて、全然悪びれてなさそうなのに、あらためて驚く。
普通の主婦だってお小遣い稼ぎに街娼をするし、結婚式前の女性も平気で別の男とベットを共にする。
金持ちマダムは、道端を行き来する小汚ない屑鉄屋の男を呼び寄せて、これまた強引に誘う。(どんだけユルユルな貞操観念なの?)
中には、シルヴァ・コシナ演じる身持ちの固い女性もいるにはいるのだが。(「こんな場所じゃ、イヤよ、イヤよ!」とあくまでも雰囲気重視)
でも、恋人のヴィットリオ・ガスマンも「まぁ、いいや」ってな軽い感じで、まるで固執しない。
車に恋人を待たせておくと、代わりに入っていったホテルのメイドと一発キメて、それでスッキリする!(おいおい (笑) )
男も女がいれば普通のこと。高い壁なんてありゃしないのだ。
こんな自由気ままなS●Xライフを笑いとばす映画なんだけど、今現代の日本には、この映画って受け入れられるのかなぁ~。
昔むかしの映画の話として、どうぞ『お許し願えれば……』
星☆☆☆。
※それにしても、この時代のヴィットリオ・ガスマン、誰かに似ているなぁ~と思っていたら、そうだ!若い時の ロバート・デ・ニーロ に似てるんだ!
ねぇ、そう思いませんか?皆さま!