2020年7月19日日曜日

映画 「ザ・ボディガード」

2002年 アメリカ。








年老いて、引退しているマフィアの首領『アンジェロ』(アンソニー・クイン)の気がかりは、一人娘『ジェニファー』(マデリーン・ストゥ)の事。



妻はジェニファーを産み落とすと死産し、アンジェロは堅気の養父母に、ジェニファーの養育を託した。


少しずつ成長していくジェニファーを遠くから、気づかれずに見守ってきたアンジェロ。



やがて、ジェニファーは見るからにクズのような男と結婚して、子供を産み、母親となるが、それでもアンジェロは影ながら支援してきた。


クズ男に、裏から手をまわして、仕事を世話したり、豪邸を与えてやったり。(なんだか甘やかしすぎのような気もするが)



だが、自分の余命も後、わずか……



アンジェロは部下の『フランキー』(シルベスター・スタローン)を呼び寄せた。



フランキーも、アンジェロから頼まれて、ずっと昔からジェニファーの動向を見張り続け、遠くから護衛してきたのだ。



ジェニファーの事を、本人以上に知り尽くしている。


「私を恨んでいる連中がいる……私の命を狙う者が………」

アンジェロの遺言ビデオをまわしながら、フランキーの手が止まった。



「そんな……アンジェロ……」

「私が居なくなったら、ジェニファーを守ってやってくれ!」


アンジェロの言葉に、ただ苦笑いで誤魔化すフランキー。



二人はレストランに食事にやって来た。




レストランに着いてからも、アンジェロは、愛しい娘の話をフランキーに聞かせていた。


だが、フランキーが、ふと、外に目をやると、道路に停めた車に、違反キップをきろうとする警察官の姿が……。


「ちょっと失礼します」

慌てて外に出ていくフランキーと入れ違いに、一人の男がレストランに入っていった。



その男は、残されたテーブルにいるアンジェロに近づいていく………そして、


男は容赦なく発砲した!!


銃声を聞いて、すぐさま、かけつけたフランキー。


「アンジェロー!!」


男が撃った銃弾が、フランキーのわき腹をかすめて、フランキー自身も、その場に倒れこんだ。


側には、絶命したアンジェロの死体が……




(ジェニファーが危ない………)

痛みに耐えて、フランキーは、やっと立ち上がると、ジェニファーがいる屋敷を目指して、フラフラと歩きだしたのだが…………。





原題は、『アメージング・アンジェロ』。(この原題の方がずっといいのに、こんな適当な邦題って……)



シルベスター・スタローン主演で、どんだけハードなアクション映画だと思ってたら……何と!これ、ハートフル・コメディーであり、ラブ・サスペンス。



スタローンの恋愛ドラマってのも珍しかったです。



しかも、相手役は、久しぶりに観たマデリーン・ストゥ


懐かしい!


『ラスト・オブ・モヒカン』を劇場で観た時、彼女の神々しい美しさに、しばらく夢中になってた時期があった。


『ブリンク 瞳は忘れない』や『12モンキーズ』、『不法侵入』など彼女が出ていれば、それだけで、その作品を追いかけていたっけ。



ヤッパリ、ちょっと歳をとったかな?



誰だって歳をとるし、しょうがないけど。(それでも、充分綺麗なマデリーンなんだけど)




でも、マデリーン・ストゥのコメディー演技って、見なれていない為か、ちょっとウザイかな。



若いうちなら、これも納得なんでしょうけど、いい歳をした大人があまりにも、キャン!キャン!騒ぎたてれば……ん~、「ちょっと、どうなんだろう~」と思ってしまった。






でも、そんなマデリーン・ストゥのボディー・ガードをしながら、終始デレデレのスタローン♥️。


惚れたストゥを守る口実で、やたらと悪人を殺していく。(やってる事はいつもと同じだけど)



でも、全く残酷な雰囲気にもならずに、なぜか?ノホホ〜ン。


殺し屋に狙われてる緊張感もなく、こんな雰囲気が全編を漂う。 (ちょっと変わった風味の映画である。いつものド迫力を期待すると「アレレ …… 」と肩すかしするので、どうかご注意を)




この映画は、あの名優アンソニー・クイン(『道』など)の遺作なのである。



この映画では、ご覧のように、呆気なく冒頭で殺されてしまうけど……アンジェロの葬儀のシーンでは、まるでアンソニー・クイン自身のお葬式を見るような気がして、何となくおごそかな気持ちになってしまった。




『道』やら、『ナバロンの要塞』やら、色々な映画が思い出されて……胸がイッパイになる。


アンソニー・クインの姿がスライドされると、もうたまらない。




これはこれで良い幕引きだったんじゃないだろうか。


「わが映画人生に悔いなし!!」


そんな風に語りかけているようなアンソニー・クイン。



映画自体は、お世辞にも、あまり良い出来とはいえないのだが、これは、あえて、今後も残す価値ありの映画かな。






久しぶりに観たマデリーン・ストゥと最後のアンソニー・クインということで、大負けに負けて、ギリギリ、

星☆☆☆にしときましょうかね。(甘すぎるかな?)