1999年 アメリカ。
デンゼル・ワシントンが俳優として、有名になるにつれて、その人種ゆえに、(ヤッパリ避けて通れないような、これは題材なのかなぁ~……)、と当時、思ったものだ。
《 黒人差別問題 》………。
実話、『ルービン゛ハリケーン゛カーター』の物語をデンゼル・ワシントンが演じている。
黒人ゆえに、不遇な扱いに苦しみ続けた伝説のプロボクサー、カーター。
11歳の時に白人の金時計を盗んだ疑いで、少年院行き。
捕まえた白人警官たちは、
「こいつは、子供とはいえ黒人だぞ!」とまるで容赦なし。
10年間の刑期で少年院行き(長い!)になってしまう。
そんな『カーター』(デンゼル・ワシントン)は、20歳の時に、あと少しの刑期を残して脱走。
夜の暗闇の中で、逃げながら、「やっと自由だぁー!」と叫ぶ。
軍に入ったカーターは人生をやり直そうとしていた。
だが、そこにも警察がやって来て、「カーター、残りの刑期のお勤めだ」と言うと再逮捕。
(俺はずっと刑務所のままか……)
だが、カーターは決意し、懸命に身体を鍛え始めた。夜も昼も……、一日中。
(もう、誰も俺に触れさせやしない!他の誰よりも強くなってやる!!)
やっと出所すると、カーターは、プロボクサーになり、破壊的な強さで、並みいる敵を次々とノックアウトしていく。
そして、圧倒的人気で世間を騒がす事になる。
だが、そんなカーターの活躍を面白く思わない白人警官たち。
「盗人のくせに調子にのりやがって……」
ある夜、白人が3人殺される事件がおきて、運悪く現場を通りかかったカーターは、白人警官たちに逮捕されてしまった。(いわれない罪で)
「俺は誰も殺していない!!」
そんな訴えも、黒人というだけで無視されて裁判でも有罪になり、またもや刑務所暮らし。
どこまで理不尽な人種差別に苦しめられるのか………こんなカーターは獄中で悩み考え、いつしかタイプを打ち始めた。
書き出した、それは、《今までの自分の物語》……。
やがて、一冊の本として出版されると、その本は、一人の黒人少年『レズラ』の目にとまる。
「ルービン゛ハリケーン゛カーター ……?」
読み進むうちに、カーターの綴った言葉に感銘するレズラ少年。
レズラはとうとう、刑務所にいるカーターに会いたくなって、たまらずに面会に行ってしまった。
「はじめまして、僕、レズラ・マーティンです」
このレズラとの出会いが、再び、カーターの運命を揺り動かすのだが………。
最近、またもや黒人の人種差別問題で揺れ動くアメリカ。
連日、過熱しているデモ隊のニュースがメディアを騒がしている。
そんな状況を見ると、この『ルービン゛ハリケーン゛カーター』の免罪事件の時代と、あんまり成長していないような気がしてならない。
差別の裏側にあるのは、間違いなく、
「俺は、お前らよりも優れているんだ!」という、《 傲り(おごり)》だ。
そんなモノ、誰が決めて、誰が計れるというのか?
自分勝手な思い上がりなだけである。
人種差別だけでなく、性差別でも、職業差別でも、そんな《 差別的 》な考えに支配されている人の顔は、見るもおぞましく、とても醜い。
そして、話はかわるが、うちの上司の顔は、ひどく醜い。(笑)
先日も、《 個人の人格否定 》や《 職業差別 》で、言い争ったばかり。
本社の社長や部長に、直接、相談して何とか収まったけど……それにしても、まだまだ、こんなのが令和の時代にいるなんてね。(アホか)
リーダー選びは、慎重にやっていただきたい。
その人の裏側に、人を見下すような《 傲り 》があるか、ないか。
上にたつ者の資質としては、それが一番、重要な気がする。
もちろん、知事や総理大臣、大統領選びも同じ。(今、現在の大統領をご覧になれば、皆さん納得でしょ?)
差別に負けずに、映画のラスト、見事、無罪を勝ち取った『ルービン゛ハリケーン゛カーター』に、最近、こんな風に身近で、差別にイライラしていた自分は、胸がスーッ!として、少し溜飲が下がった感じ。
自分と同じような気持ちを抱えている人には、是非オススメしたい、良品の1本である。
星☆☆☆☆。
※ヤッパリ、この時代のデンゼル・ワシントンはカッコイイや!