2018年9月29日土曜日

映画 「アウェイクニング」

2011年 イギリス。





第1次大戦後、戦死した家族をなくした人々は降霊会になぐさめを見いだしていた。


だが、どれもこれもインチキなトリックを使っていて、さも幽霊がいるように演出しているだけのまがい物。




「そんなインチキは許せない!」


『フローレンス・カスコット』(レベッカ・ホール)は、女性ながらも、その『嘘』を解明する仕事をなりわいにしていた。



そんな、ある日、ルークウッド寄宿学校から『ロバート・マロリー』(ドミニク・ウエスト)という教師がやってくる。



校内を、少年の幽霊がただよってるというのだ。


数週間前にいじめで自殺した少年ウォルターの霊が……




「あなたのお力が必要なんです!よろしくお願いします、カスコットさん!」



熱心なマロリーに説得されて、心動かされたフローレンス(まぁ、マロリーがハンサムだものね)。




そして、はるばる遠い距離から列車に乗ってやってきたフローレンス。


深い、鬱蒼とした森に囲まれた広大な敷地。




そこに、そびえ建つ頑丈そうな石造りの建物。
そう………ここは『ルークウッド』………。







夜の学校は、ほんと怖いですよね。


昼間、あんなに人で溢れてる校内が、薄暗くなると、ガラ~ンとしていて、ほんと何かが、ヒョイ!と出てきてもおかしくない恐ろしさがある。


ましてや、イギリスの寄宿学校なんてものは、日本の学校なんて比べ物にならないくらい怖そう。

この雰囲気や空気感は、サスペンスやホラーの舞台としては、最適なのである。







この映画は、私の好きな要素がたくさんつまっている。



『フローレンス』(レベッカ・ホール)は、まるで女シャーロック・ホームズ並の頭脳明晰な推理を、次々披露してくれる。



フローレンスが、冒頭、インチキ降霊会の嘘を、暴いていくのは痛快だし、何よりレベッカ・ホールが自分好みの美人さんなのが、特に良い。(ここ重大ね)





そして、登場人物たちも何かしら意味ありげな過去をそれぞれ抱えている。




幼い頃、両親を謎の死で亡くし、そして、また恋人までも亡くしたばかりのフローレンスはもとより、

戦争で傷をおった脚を痛めつけるロバートも、何か秘密のトラウマを抱えている。(そして何故か?風呂に入るロバートを、覗き穴から盗み見するフローレンス(笑))




兵役逃れの番人ジャッドも、何か秘密を抱えていそう。(後半、フローレンスをレイプしようとしたりもする。そんだけ力が、有り余っているなら戦争に行ったらよかったのにね)




寮母モード・ヒルも不気味な雰囲気を漂わせて、校内をさまよう。(『家政婦は見た』ならぬ、『寮母は見た』か……この人は何でも知っていそう)



………などなど。


登場する人物たちが、どれもこれも個性的で、一気に引き込まれてしまう。





この、ゴシックホラーの世界に、ちょっぴり変態チックな登場人物たち。


謎解き、森の中の英国の学校、幽霊………あぁ、本当に好きな要素ばかり。


ワクワクものである。


最後に明かされる謎解きにも、素直に感動してしまった。


近年、稀にみる傑作。


星☆☆☆☆☆。