海外ドラマでも、珍しく途中打ちきりにもならず、ストーリーも破綻もせずに無事に着地、完結した作品。(こういう事が、本当に多いので海外ドラマ自体に、手をだすことが、ここ最近は、めっきり減ってしまった。)
ロー・スクールを優秀な成績で卒業した新人弁護士の『エレン・パーソンズ』(ローズ・バーン)の前途は揚々としていた。
おまけに私生活でもインターンの医師『デーヴィド・コナー』(ノア・ビーン)とも婚約中。
ニューヨークでも大手の弁護士事務所にも誘われていた。
「おめでとう、エレン。君はきっと成功するよ」
弁護士事務所の協同責任者『ホリス・ナイ』(フィリップ・ボスコ)は、太鼓判を押すように褒め称えた。
だが、エレンが「スミマセンが、ご返事は後日でよろしいでしょうか…?」と言うと、怪訝な顔を隠さなかった。
「……実は、ヒューズ弁護士事務所からも誘われていまして…」
「パティ・ヒューズの?」
しばらく黙っていた面接官やナイは、
「なぜ早目に言ってくれなかったのかね、エレン?」
と言うと、この話はなかった事にでもするような様子で、履歴書をたたむと「おめでとう」とだけ言った。
ただナイの言った最後の言葉がエレンの印象に残った。
「エレン、君は優秀だ。パティは絶対に君を気に入るだろう。そして、
手にいれたら最後、決して君を手放さないだろう。」と……。
手にいれたら最後、決して君を手放さないだろう。」と……。
その言い方は丁寧で優しいが、何故か、裏に何があるのかと含みを持たせてもいて、エレンの心に、わけの分からない影をおとした。
『パティヒューズ』(グレン・クローズ)……決して妥協を許さず、「勝つ」ためには、犠牲さえもいとわない鋼の精神を持つ女性弁護士。
パティは、もっか大富豪『フロビシャー』(テッド・ダンソン)を相手に集団訴訟の真っ最中だった。
ヒューズ弁護士事務所では、パティの長年の部下『トム・シェイズ』(テイト・ドノヴァン)や皆が、訴訟の為の準備集めにピリピリしている。
そんな忙しさに追われながらトムが、
「そういえば、エレン・パーソンズですが、面接を断ってきました」
とパティに報告してきた。
「断った??」パティの顔色が一瞬で険しくなる。
「なんでもその日は、姉の結婚式があるとかで…」
厳しい顔のパティは、「……分かってない…」とつぶやいた。
「えっ?」
「全然分かってないのよ。人生で何を優先するべきかを…」
パティは、まるで愚か者の愚行でもあるように、冷たく言い放ったのだった。
そして姉の結婚式の日。
エレンは婚約者のデーヴィドや愛しい家族、友達に囲まれて幸せだった。
そこにパティ・ヒューズが、いきなり現れた。
有名弁護士で、もっか忙しいパティが…。
いきなりの来訪にバツが悪いエレンは、
「…あの、ヒューズさん、スミマセンでした。面接の事……」と、シドロモドロに言うしかなかった。
「いいのよ」パティが笑顔で応える。
そして、「採用よ」と続けた。
エレンは驚いているが、パティは気にせず、それだけを言うと帰っていった。
あまりの事に、夢心地のエレン。
エレンは知らない……パティ・ヒューズがどんな人間かを……自分の利益になるかならないか、頭の中で、素早く損得勘定のそろばんを弾いている事を……。
このドラマ、シーズン5まで続き、各シーズンごとに取り扱う事件が、それぞれ違うが、非情の弁護士パティ・ヒューズと、このエレン・パーソンズの関係が主軸になっている。
何事も「勝つ」為には揺るがない精神のパティ。
パティが通り抜けた道には草1本だって残らないんじゃないか、というくらい非情である。
エレン・パーソンズは、そんなパティと関わったばかりに、翻弄されて、大切な人をなくし、変わらざるおえなくなっていく。
弱気な素顔に強気の仮面をかぶり、パティに追いつき、欺き、対立したりする。
だが、こんな水と油のような二人だが、時には、共通の「悪」を倒す為なら共闘もしていく。
この二人の人間ドラマにまんまとドハマリして、シーズン5まで全59話は夢中で観たものだ。
それにしても流石グレン・クローズ。
このドラマでも色々な顔をみせてくれる。
この第1話でも、後半、長年のパートナーだったトム・シェイズを簡単に切り捨てる。
「クビよ」(怖~)
四の五の言うトムを、車から放り出す。
「さっさと出ていきなさい!! 出ていきなさい!!🔥🔥🔥」(怖い、怖い、怖い~)
このグレン・クローズの演じるパティ見たさにずっと続けて観ていたようなものだ。
アカデミー賞、いつかグレン・クローズにとらせてあげたいなぁ〜。
名女優だと思うのだが……
「危険な情事」、「白と黒のナイフ」、「ステップフォード・ワイフ」、「アルバート氏の人生」などなど…ほんとうに傑作多いんですけどね。
星☆☆☆☆☆をつけときますね。オススメ!
※それにしても、自分って、迫力のある怖い女性が好きなのだろうか?
自分の中のマゾ的な趣向に、ブログを書きながら気づくとは……御粗末。