1981年 日本。
アフリカで育った野生児・『ジョー』(真田広之)は、死んだ両親の遺骨を日本に納めるためにやって来た。(お金が全くないので、取りあえず密航で)
「アフリカの動物たちが俺を待っているんだ!」
すぐにでもアフリカに戻りたいジョーは、神戸から出る船(もちろん密航)に乗りこみたくて、神戸行きの列車(もちろん無賃乗車)に忍び込んだ ……
のだが!
列車はまるっきり反対方向の東北に辿り着いてしまう。
(困ったなぁ~。さて、これから飯のタネを探さなくちゃ …… )←(一文無しでも全然困った様子でもないジョー)
そんな折、町中を全速力で通り過ぎていく暴れ馬に遭遇。
(これこそ俺の出番!)とばかりに、簡単に馬に飛び移り静めたジョー。
この馬の持ち主で年老いた『坂本和平(かへい)』(佐野浅夫)は、ジョーにおおいに感謝した。
あっさり、坂本の牧場で厄介になる事が決まったジョーは超ラッキー。
和平と一緒に住んでいる孫の『和代(かよ)』(伊藤かずえ)も、とても嬉しそうである。
《↑『不良少女と呼ばれる』前のまだ初々しい伊藤かずえ。この時14歳》
《↑『3代目水戸黄門』様になる前の佐野浅夫さん。いかにも善人って感じ》
そうして、その夜は、たまたま和代の15歳の誕生日。
3人でささやかながら誕生日祝いをしていると、ジャーナリストをしている和代の兄・文男が、ぶらりと現れた。
「和代、コレ、誕生日のプレゼントだ!」
包み紙を開いてみるとオシャレな鏡が出てきた。
「ありがとう、兄さん!」
だが、兄を見たのはそれが最期。
翌朝、和代の兄・文男は泥酔した状態で、そのまま車で海に飛び込み、水死体として発見されたのだった。
「こんな …… 兄さんが泥酔して自殺なんかするはずがないわ!」
和代の嘆きを、ただ側で聞いてあげるしかできないジョー。
そこへ文男の昔からの友人で、同じジャーナリストの『西条』(勝野洋)がやって来た。
「和代ちゃん、兄さんから何か預かったモノはないか?! 文男はどうやら町一番の権力者・大矢グループの会長や《大矢建設》の事を独自に調べていたらしいんだが …… 」
かねてから、きな臭い噂がある《大矢グループ》。
この事件の裏には、きっと大矢グループが関わっているはずだ!
西条は相当自信がある様子で、 そんな風に断言するのだが ………
真田広之主演の映画第3弾。(第1弾『忍者武芸帖 百地三太夫』、第2弾『吠えろ鉄拳』は既に、このブログでも取り上げてあります)
で、たまたま観れたこの映画なんだけど ……
まぁ、ハッキリ言って、ど~でもいいような場面ばかりが続いて、本当に イライラさせること!💢(笑)
原因は分かってる。
冒頭にも書いたように、【悪の組織《大矢グループ》の証拠が、妹・和代(伊藤かずえ)の誕生日プレゼントの鏡の中に隠している】事は、観ている人なら誰でも察しがついて、ピーンとくるはずなのだ。
この映画は尺が90分しかないのに、映画の半分以上を使って、そこまでを、まぁ、引っ張ること!引っ張ること!
後半近くになって、和代が腹立ち紛れに鏡に八つ当たりして、割れた鏡の裏から《毒ガス製造法》の科学式を収めたフィルムを見つけるのだが ……「あぁ、やっぱりね」って感じで、既にゲンナリ気分。
それと同時に、こんなのに誰も気づけないなんて、「登場人物たちは皆、 アホ か!」って即座に思ってしまった。(この映画自体、脚本がとにかくお粗末。今の小学生でもこれよりマシな話が書けるはずである)
この映画は、他にも有名人たちがゾロゾロ出演しているのだが、まるで本筋には関係ない人物ばかりなので、ただ、映画の尺を埋めるためだけのような ……
当時『ダンシング・オール・ザ・ナイト』が大ヒットしたもんたよしのりやら、もんた&ブラザーの面々たちが、金で雇われた《不良バイカー》の役で登場するのだが、けっこうなポンコツ具合。(何度か登場しては真田広之一人に、簡単にボコられております)
大御所・若山富三郎なんて、大矢建設の雇われ運転手役で、不良バイカーとジョーたちのいざこざに、要らぬお世話でトラックで割って入ってくるだけ。(その後、留置所送り。これにて出番は終了である)
《↑必要?》
そうして、当時、jacの次世代スターとして期待されていた黒崎輝が『吠えろ鉄拳』に続いて、またもや(バーターで)登場する。
白いギターを抱えて町から町へ。
いつしか、この事件に自ら首を突っ込んでしまい、狙撃までされて痛手を負う『三浦勝』(黒崎輝)。
それでもジョーや西条にくっついて敵の本拠地に乗り込んでいこうとするのだが。(↓行く前からこんなんですもん。悲劇的な末路は、な〜んとなく想像できる)
とにかく、ここまで(1時間過ぎ)が異様に長く感じてしまい、「ハァ〜」なんて溜め息で、視聴を何度か中断したくらい。
それにしても、この映画『燃える勇者』に、他の人は(どんな評価をつけているんだろう? …… )と調べてみると、けっこうな✨高評価✨である。
えっ?なんでぇーーー?!
その疑問は最後まで、この映画を辛抱強く観た者にだけ分かる。
山の上、広大な土地を切り開き、創り上げられた、まるで要塞のような敵の本拠地。
秘密裏に毒ガスを製造して、外国に輸出しようとしている【大矢鉱山】がそこにある。
こんな場所をよくぞ探してきたよ。
こんなトンデモない場所でのアクション・シーンなら、ハラハラ、ドキドキしないはずがない!
映画は、もう、ラストまで、アクションにつぐアクション 怒涛の快進撃💥💥💥!(「今までのつまらなさは何だったのー?!」と思っていたら、アクション監督として千葉真一の名前が。流石である)
敵にさらわれた和代を救い出せ!
列車で運び出される毒ガスを守るのだ!
立て!立つんだー!ジョー!(いつの間にか作品が変わってる?(笑))
私の評価は、前半(マイナス)と後半(プラス)で、星☆☆☆でございます。
※尚、この舞台となった場所は、秋田県鹿角市(かづのし)にある【尾去沢鉱山】である。
大昔から砂金✨が取れたことで有名で、持ち主を変えては拡張していき、ご覧のように巨大化していったらしい。(1978年に閉山。映画は、そのタイミングで即、撮影されているのだ)
今(2024年)でも、その形は何とか残されていて、史跡扱いになっている。(拝観料を払えば見学もできるのかな?)
今じゃ、こんな撮影許可も簡単にはおりないだろうし、そういう意味では、この映画は希少な記録映画でもあるのだ。
実際に見にいってみるのもいいかもね。(「あ〜、ここで真田広之が撮影したんだなぁ~」って感慨深くなったりして)
お粗末さま。