2023年12月10日日曜日

映画 「クジョー」

 1983年  アメリカ。





少し前、新型コロナが世界中で大流行した時、「コロナの発信源は、いったいどこなんだ?!」で、皆が血眼になって騒ぎだしたのを、誰もが覚えていると思う。


そうして浮かび上がってきたのが中国は《武漢》という都市。

この地域で普通に食されている「《コウモリ🦇》が原因なんじゃないのか!」というニュースが、瞬く間に世界中を駆け巡ったのだ。


…… あんまり驚かなかった。


昔から、広い中国では普通のように野生動物が食(しょく)されていたのは有名な話。

その辺りにいる犬だって、猫だって、鳩だって、彼らにとっては立派な食料源。(それ故、野良猫や野良犬も、一切見かけないとまで言われているが)


それでも、どんな病原菌を抱えているか分からない、あの《コウモリ》まで、やっぱり食べたり、スープにして飲んでいたとは …… (恐るべしである)



そうして、メディアでこの話が流れた時、この映画を途端に思い出した。

スティーブン・キング原作の映画『クジョー』を。



森の中で野生のウサギを追いかけて遊んでいた大型セントバーナード犬『クジョー』は、

【 コウモリ 】に鼻を噛まれてしまう。



クジョーは途端に【 狂犬病 】になってしまうのだ!


こんな大型犬が、狂犬病になってしまえば、その後は《地獄絵図》の始まり、始まりである。


完全に気がおかしくなったクジョーは、手始めに、車の整備工場をしている自分の飼い主・『ジョー』(エド・ローター)を咬み殺す。


毎度お馴染み、色々な映画に登場するエド・ローターさん。この人、映画の中で何回死んでるねん?(笑))


たまたま山奥の整備工場に来ていた母子・ドナとタッドは、クジョーに襲われそうになるも、すんでのところで動かない車の中に避難する。


そんな車に、血だらけになりながらも顔面から何度も体当たりを繰り返すクジョー。



車も動かせない、誰にも助けも呼べない(まぁ、携帯やスマホも無かった時代なんで)、表に出ていく事も許されない。


獰猛になったクジョーは、車の周りを常にうろついていて、隙あらば咬み殺そうと待ち構えているのだ。


完全に外界から遮断された母子は、暑い車の中で、何日も耐え忍ぶことになる。


一方、妻や息子と連絡がとれなくなった夫は保安官に連絡して、一応、保安官が探しに来てくれるものの、クジョーに簡単に駆除(くじょ)された。(駄洒落か?(笑))


そのうち幼い息子タッドが脱水症状をおこして、もはや危険な状態。


母親ドナは意を決して、獰猛なクジョーと対決しようと、車から出ていくのだが ……




確か、こんなお話だったはず。(記憶を探り探り書いてるので、あまり自信がないが)


ある日、横綱級にドデカい犬が牙をむき出しにして襲いかかってくる。


単純といえば単純な話だが、こんなワン・アイデアだけで小説に仕上げてしまうスティーブン・キングには、本当に頭が下がる。(コウモリというものが、どれだけ危険な毒性をはらんでいるのか …… 今にして思えば先見の妙があったのかも)


元来、犬が苦手な自分には、生理的な恐怖だけで戦慄がはしり、この映画はかなり印象深く残っているのだ。


たまに、自分の近所でも、熊のようなサイズの大型犬を散歩させてる飼い主を見かけるが、私は、映画『クジョー』を思い出して、それらとは、かなり広い距離をおくことにしている。


飼い主からしたら、

「可愛いし、何が怖いんだ?」って気持ちだろうが、言葉が全く通じないような野生動物を飼う事の恐怖や、周囲を傷つけてしまうような危険性を、彼らはそこまで想像していない気がする。


「飼っていれば自然と動物の気持ちが分かるようになってくる」なんて言う人もいるが、本当のところ、どうなんだろう。(なんせ動物を飼ったことがないので)


人間側の勝手な思い込みなんじゃないのだろうか?


今まで懐いていた動物も、ある日、何かの影響で、気持ちがガラリと変わるかもしれませんよ。

こんな『クジョー』のようにね。



そうして、《アチラさん》では、こんな風になった犬でも、やっぱり食べちゃうのかしら?



今回、この文章はだいぶ敵をつくったかも。


人間も怖ければ、野生動物も怖い。

世の中、怖いモノで一杯である。(星☆☆☆)



※(オマケ)今回、この『クジョー』の事を書こうとして、たまたま、この画像に出くわした。


それがコレ




ガァァーーーーン!!


何これ?

ダメじゃん!(昔、感じた、あの恐怖をど~してくれるのぉーー?!)


ホラー映画のメイキングほど、一気にシラケさせるものはない。

一応、《苦情(クジョー)》を入れとく。(最後まで駄洒落かよ!(笑))