2022年2月26日土曜日

映画 「忍者武芸帖 百地三太夫」

 1980年  日本。





天下の織田信長により、『羽柴秀吉』(小池朝雄)に命令が下った。



「百地(ももち)一族を全て皆殺し!抹殺せよ!!」


秀吉は、暗殺集団を束ねる甲賀忍者の長『不知火将監(しらぬいしょうげん)』(千葉真一)と結託して、百地一族を容赦なく無惨に殺してゆく。


(何としても、この鷹丸様だけはお守りせぬば ……)


百地三太夫の幼い一人息子・鷹丸は、お付きの爺やに抱えられて、命からがら海へ。


他の残った子供たちは散り散りに。

幼なじみの『おつう』とも別れてしまった。



……… そうして数十年が過ぎて、立派に成長した『鷹丸』(真田広之)は、小舟で一路、日本へと向かっていた。


彼は中国の漁船に運良く拾われて、当時の《明(みん)王朝》で、拳法使いとなっていたのだ。


「父と母の仇 …… 秀吉と不知火将監を絶対に倒してやる!!」


憎しみの炎をたぎらせて、鷹丸の復讐劇が始まる。




真田広之の初主演映画である。


最近観ていた映画のどれもこれもが愚作続きで、本当に気が滅入っていたのだが、そんなモヤモヤしたモノが、一変に吹き飛んでしまった感じだ。(このblogでも、それらの映画を取り上げようと思ったがやめた。悪口ばかりになりそうで)



この映画は 傑作だ!


久しぶりにチョー面白かった!!



とにかく、真田広之が  飛ぶ、飛ぶ!(高い城🏯からお堀りに! 、海に!🌊、 木の枝から木の枝へ!🌲)(空中ぶらんこまでやっちゃう特別サービス。サーカスか?(笑))


真田広之が  回る🌀、回る🌀、回り続ける!🌀(バック転!バック転!空中回転!)(オリンピックなら確実に金メダル)


真田広之が  蹴る、蹴る!(回し蹴り!飛び蹴り!バック転しながらの後ろ蹴り!)(どれだけ凄い身体能力?)



途中でよそ見なんて出来ようものか。


もう、どこから見ても一歩間違えれば確実に死ぬよ、コレ!


まさに《命がけ》のスタント・シーンの連続なのだから。



鷹丸の幼なじみ、『おつう』(蜷川有紀(にながわゆき))は生きていた。


伊賀忍者『服部半蔵』(夏八木勲)の義妹として育てられて。


「百地三太夫が隠した金山(財宝)の地図を示す短刀を奪うのだ!きっと鷹丸が持っているはずだ!」


鷹丸への情愛と義兄『半蔵』への恩義の間で苦悩する『おつう』。(クール・ビューティーの蜷川有紀さまに目がハート♥ この映画、彼女のデビュー作でもあるのだ)



もう一人のヒロイン、中国娘『愛蓮(あいれん)』(志穂美悦子)も、海を越えて、はるばる駆けつけた。


愛する鷹丸の為である。(強力な助っ人登場!それにしても、しっかりした肩幅を持つ志穂美悦子さんである(笑))



その代わり、再会した昔の仲間たちは、次から次に、鷹丸の目の前で無惨に殺されてゆく。


鉄砲で、弓矢で、そして刀で斬られて、と。(殺され方もバリエーションたっぷり。むごたらしく飛び散る鮮血の嵐)



残ったわずかな仲間と(ドヨヨ〜ン)意気消沈している鷹丸。


そんな鷹丸の前に、「しっかりせんかー!」と激をとばす、一人の老人が突然現れた。



武芸の達人『白雲斎』(丹波哲郎)である。(いきなり?)


「ワシがお前らを鍛えてやる!!」(誰も頼んでないのに自ら師匠に名乗りでる丹波哲郎さん(笑))




こうして白雲斎の元で修行した鷹丸たちは、いざ!決戦へ。



親の仇で、憎き『不知火将監』(千葉真一)と、その一派たちに最後の闘いを仕掛けるのだった ………。

 




監督は鈴木則文という人だが、この映画にはアクション監督が別にいる。


それが千葉真一で、俳優と兼任してつとめている。


ゆえに、今なら考えられない無茶ぶりのアクション・シーンが炸裂する。


ラスト近く、馬を転ばせて落馬させるシーンなんて、下手すりゃ首の骨でも折って死んでるよ、真田広之。(ゾゾ〜ッ)😱



とにかく、この映画が公開された当時は、世界中で

「なんちゅー、もの凄いアクション映画ができたんだーー!」

と熱狂させたそうな。(残念ながら、当時の日本ではヒットとまではいかなかったらしい。今回、初めて観たワタシは随分興奮したけどね)



根っからのアクション・オタク『千葉真一』、それに応える真田広之やJAC (ジャパン・アクション・クラブ)の面々たち。


初主演ゆえ、真田広之の意気込みも相当なモノ。

一気にアクション・スターとして認知される。




…… ただ、真田広之の思惑はどうだったのか?


(コレを足がかかりにして、いつかは ……)と、はるか遠い先の方を見ていたのかもしれない。



その話はいずれ、また。


映画は文句なしの、星☆☆☆☆☆であ〜る。(超オススメ!)


※当時、いとこの姉ちゃんが「キャアーーッ!真田さま〜!!」と熱狂していた理由が、やっと分かった1本でございました。(真田広之もカッコイイけど、ワタシ個人は蜷川有紀さまに「キャアーーッ!」(笑))