1991年。
歌って、踊って、次から次に衣装チェンジを繰り返して ……
最初から最後までエンジン全開。
一言で言えば、もう 《 がむしゃら 》な感じのライブである。
久しぶりに森高千里の《古今東西〜鬼が出るか蛇が出るかツアー〜》のライブを観返してみて、少し元気をもらえた気がする。(私事だが最近色々あったので …… ゴニョゴニョ …… )
このライブ時には、後のヒット曲となる『私がオバサンになっても』や『渡良瀬橋』、『気分爽快』、『二人は恋人』などは、まだ世に出てはいないのだが、それでもこの《古今東西ライブ》は至極の出来。
今から森高千里のパフォーマンスを楽しみたいという人には、このライブDVD or Blu-rayを是非オススメする。
でも ……
こんな森高千里でも最初から順風満帆だったわけではない。
1987年に、風見しんご主演の映画『あいつに恋して』のヒロイン役と主題歌『NEW SEASON』でデビューしたという森高千里。
映画はあまりヒットせず、デビュー曲もさっぱりだった。
2曲目、3曲目も、また、しかりである。
『ミーハー』という曲で、やっと作詞に挑戦するも、急性胃腸炎で入院。原因は過度の《ストレス》だった。
(若い娘が《ストレス》なんて?)と思う人もいるだろうが、やっぱり、この広い芸能界《売れた者、勝ち!》なのだ。
(何で?私って売れないんだろう …… 歌がヘタクソだから?それとも音痴だから?)
悶々と悩んだ日々の積み重ねが《ストレス》という形で現れたのかもしれない。(この経験が次作『ザ・ストレス』で突破口を開く事になるけど)
ここでハッキリ言っておくが、森高が《音痴》とか《歌がヘタクソ》とは、私自身、全く思っていない!(ここは特に強調しとく)
本人が自虐的な歌詞で、「♪わるいけど私は歌がヘタよ〜♪」なんて歌ったりしてるが。(『非実力派宣言』より〜)
ただ、(鼻にかかったような)《独特な声》なのだ。
それでも、自分の心の内を歌詞にして歌ってしまうことは、コレはコレで健全なストレス解消のやり方なのかも。
「♪わるいけど私は歌がヘタよ〜。でも、やるしかないの〜、ゴメン!我慢してね!」(非実力派宣言)なんて歌詞は、同時に自分のハードルを充分に下げてくれている。
本人もこれ以降、肩の力を抜いて芸能界で生きやすくなったんじゃないのかな?
南沙織の『17才』をカバァーしてヒットさせると、やっと、ここにきて《森高スタイル》が定着する。(あの定番のミニ・スカート姿も)
そうして、ここから森高の快進撃がはじまるのだ!
この《古今東西ライブ》では、初っ端から江戸の町娘姿で『鬼たいじ』を歌い、間奏の途中で脅威の早着替え。
ステージの端から端をハイヒール(ピンヒールなのか?)で踊りながら駆けずり回っている。
メドレーでは、(何枚重ね着をしてるんだ?この人?! …… )と思わせるくらいステージ上で、次から次に脱いでゆき、新しい衣装が現れる森高千里。(人間マトリョーシカかよ!(笑))
その勢いは終盤の『勉強の歌』や『この街』(私のイチオシ)までノン・ストップ。
全く衰える様子もない。
まるで、
(このライブが終わったら、ぶっ倒れようがどうなろうが、いっこうに構わない!!)というような覚悟が ……
後年、本人もこのライブビデオを観かえしてみて、「私、こんなに最初から最後まで踊りまくって、ずっと笑っていたんだ …… 」とビックリしていたそうな。
アンコールの『雨』をしっとり聴かせて終わりかと思いきや …… またもや出てきた森高千里。
ダブル・アンコールで熱唱するのは『見て』。
「♪ちゃんとワタシ見て!まだまだダメよぉ〜、まちがいだらけね!観察足りないから〜♪ …… 」
私を「見て!」「見て!」と命の叫びのように連呼する森高。
あれからも、ちゃんと《見て》ましたよ、ワタクシ。
間違いなく、この《古今東西〜鬼が出るか蛇が出るかツアー〜》は、森高千里のターニングポイントとなる、伝説的ライブなのである。(元気が出るぞ~)