一度目は諦めて帰ってきた宮崎県は児湯郡(こゆぐん)、『西米良村(にしめらそん)』。
地図だけを見て、宮崎県は小林市から上部に向けて、ほぼ垂直に進めるような国道265号線を通っていけば、「簡単に着くだろう …… 」と思いきや ……『西米良村』は、そんなに甘くなかった。
よくよく調べてみれば、この265号線は何年も前から工事も手つかずで、国道とは名ばかり。
ひそかに《 酷道 》という名称で囁かれるほど、悪路として有名なのでした。(車1台がやっと通れるほどの狭い道幅に、あちこちで落石。そして迂回、迂回。You Tubeの動画を観たが本当に大変そうでした)
なら、「最初から《ナビ》を使えばいいじゃないか?」と言う人もいるが、私はあまり好きじゃない。
近道もあったりするのに、わざわざトンデモないルートを紹介したり …… (所詮は機械のすることだし当てにしてない)
それに、【人間】が【機械ごとき】に、いちいち命令されながら、長い道中を運転するなんて、考えただけでも、あ〜、煩わしい。(自分で運転は出来ないくせに、口うるさく指図だけをしてくるような奴(こんなのが人間でもいる)を、ずっと助手席に置いておくようなものだ)
旅の【舵取り】は自分で握っていたい。
たまにアクシデントに出くわしても、それはそれで、人間らしい失敗で良いじゃないか♪
それが、私が考える【自由な人間らしい《ぶらり旅》】なのである。
……… だいぶ話が脱線したが、とにかく、どんなルートなら大丈夫なのか、自分なりに少し調べてみた。
確実なのは、こんな感じだろうか。
宮崎県は《えびの市から》、赤線のようなルートで、一旦、熊本県の《人吉市》近くに221号線で上がっていって、途中から219号線へと曲がる。
そうして、《錦町》、《あさぎり町》、《多良木町》、《湯前(ゆまえ)町》を通り、
そのまま県境のトンネルを抜けて、またもや宮崎県に入り、その先に、やっと《西米良村》が見えてくるのだ。(青線は悪路、不通の265号線)
宮崎から熊本へ、そしてまた宮崎へ ……
今までの《ぶらり旅》の中でも、相当、ハードルが高くなりそうな予感。(でも、私の性格上、こんな場所こそ燃えてくる🔥けどさ)
だが、そうこうしている内に、季節は大雨☔の時期に突入し、今度は台風到来🌪️。
『西米良村』の事どころか、ここ一ヶ月は大人しく、家でジッとして過ごしていた日々なのでした。(まぁ、貯まっていた映画やドラマを観るには、ちょうど良い時間だったけど)
そうして8月も末になった頃、やっと重い腰を上げて出かけていったのである。
熊本県に入って219号線に折れたところまでは快調。
だが、錦町を過ぎて、あさぎり町 近くに迫った頃、私はある異変に気が付きはじめた。
(なんで、皆さん、こんなに、ゆ〜っくり車を走らせてるの? …… )
40キロ制限の219号線を、ほぼ40キロ以下で走るノロノロ運転の車たち🚙💨💨。
酷いのは、30キロ以下のスピードで走る車もいたりする。
そうして、よくよく並んでいる車を観察すると、やたらとこのマークをつけた車を見かけた。
そう、高齢者が車に貼るステッカー。
《あさぎり町》は高齢者(65歳以上)が4割近くを占める街だったのである。
左右には寂れた商店街がズラリと並んでいて、この219号線はあさぎり町のメイン・ストリートであり、生活動線なんだろうか。
たまに覗ける、その商店街の裏側には広大な田畑しか見えてこない。
そんなお年寄りばかりが運転する、遅々として進まない車の後ろで、最初こそはイライラしていた私も、途中で諦めた。
それにしても危なっかしいお年寄りの運転。(「アチャ~、ウインカーも出さずに、このお爺さん左の店に行こうとして、いきなりハンドルきったよ」なんてのも、しばしば …… )
(まぁ、いつかはココを抜けられるだろうよ …… )←(この辺りでは、こういった諦めや悟り、人間としての寛大さが求められてくるかもね)
結局、錦町から〜あさぎり町、湯前町まで、わずか20kmぐらいの距離に、なんと!1時間以上かかったのでした。(どんだけノンビリ、ゆったりの運転だったのか想像できるでしょ?)
こうして、やっとこさ湯前町を過ぎて、熊本県と宮崎県の県境にある横谷トンネルへ。
横谷トンネルの全長は1608mで、かなり長〜いトンネルだ。
この暗闇を抜ければ、そこは、もう宮崎県。
はてさて、今度はどんなものが見えてくるのやら。
だが、私はそこで、またもや驚愕するような光景に出くわすのである。(⊙_◎)
《その②へ続く》