2021年2月2日火曜日

映画 「フランス式十戒 ②」

《①の続き》




《4話目》

金持ち夫婦の買い物(宝石店での宝石選び)に付き合った妻の友人である『フランソワーズ』(フランソワーズ・アルヌール)。


煌めく輝きに目を奪われながらも……(こんなのは無理)と羨ましさを隠して、半端諦め顔。


彼女の夫は貧乏劇作家、でも二人の間には、ちゃんと愛がある。


(それで満足しなくちゃ…)


そんな気持ちを知ってか知らずか、富豪で友人の夫『フィリップ』(メル・ファーラー)は、フランソワーズにモーションをかけてきた。(妻の友人なのに)



フランソワーズが目を輝かせていた、あのダイヤのネックレスをプレゼントまでして……。


「こんなの付けられないわ!家で夫の前で、これを付けるなんて……」


そう言いながらも、フランソワーズは鏡に映る、宝石を首にかけた自分の姿から目が離せない様子。



そして、


(何とか自然に、この宝石を手に入れた事にして、夫の目の前でも、このネックレスを首にかけられないかしら……)


宝石の魔力がフランソワーズの貞節を、とうとう狂わせてしまう。


いつしか懸命に策を練るフランソワーズなのだが……。




あのメル・ファーラーが出演してる。


実生活でも5回結婚している彼は、この映画のように、実際もそれを地でいく生粋のプレイボーイである。(4度目の妻がオードリー・ヘプバーンなのは有名)


何でこんなにモテるんだろうねぇ~(あんまりハンサムそうにも見えないんだけど)


やっぱり、女性に対してマメなのか、気が利いてるのか。


男は顔じゃない!ってメル・ファーラーを見かけるといつも思ってしまうのである。(失礼だけど)



そして、フランソワーズ・アルヌール。


彼女を観たのは、この映画が初めてだったが、その噂は昔から知っていた。


日本人に愛されたフランソワーズ。


石ノ森章太郎の『サイボーグ009』に出てくる003/フランソワーズ・アルヌール(同名)は、この人の名前から、そのまんま命名されたのは有名な話である。


何だか、華奢でホッソリしていて、首も細くて、オードリー・ヘプバーンにも似たような体つきの彼女。


オードリーと同じように、あまり性を感じさせない雰囲気は、当時の日本人にも、すんなり受け入れやすかったのかもね。(なかなか可愛い人ですよ)





《5話目》

寂れた寒村の道をぶらりとやって来た男(フェルナンデル)。


ポツンとある一軒家の側まで来て、窓をそーっと覗くと、車椅子に座った老人が「失せろ!」と怒鳴り付けた。


その様子をドア陰からじっと見ている少女。


男が笑いかけると、少女マリーもニコッと笑った。


じい様は車椅子、ばあ様は寝たきり生活。

両親は羊飼いの仕事で年中留守。


幼いマリーが、ばあ様の介護をする日々だったのだ。


「おじさん誰なの?」


「私? 私は《》さ」


喜ぶマリーは、男《神様》を、早速、家の中へと連れてきた。


だが、当然、寝たきりのばあ様は男の言葉を信じるはずもなく……


「さっさと出ておいき!! この浮浪者め……何が神様だ!神なら何か奇跡をおこしてごらん!!」と荒い息で怒鳴りまくる。


そんなばあ様の剣幕にも、男はどこ吹く風。


落ち着き払って、「いいでしょう……分かりました」とあっさり言ってのけるのだが……。




このオムニバス映画でも、私の一番のお気に入りは、この1本かも。


この短い話のクライマックスには、捻りの利いた《どんでん返し》が待ち構えている。



主役の男《神》を演じるのは、デュヴィヴィエ監督お気に入りの俳優フェルナンデル。


デュヴィヴィエ作品では、名作『舞踏会の手帖』や『ドン・カミロ』シリーズに出演している。


この人の顔も、面長で特徴的で、1度見たら忘れられないくらいのインパクト。


この話の中では、「ロバに似ている顔」なんて事も言わせている。(いいのか?ちょっと可哀想な気もするが)


さぁ、こんなロバみたいな男に、はたして奇跡はおこせるのか?!(本当に失礼でごめんなさい (笑) )


淡々と話は進みながらも、仰天のオチが待っている……。





取りあえず②はここまで。


まさか、書きはじめてみて、こんなに長くなるとは。


私にしては、今までで最長の③にまで、とうとうなってしまいました。(もう、こうなったら最後までキチンと書いてやる! どうぞ、もうしばらく我慢してお付き合いください)


次回、とうとう最終回。

そして③へと続くのであ~る。