2020年10月14日水曜日

映画 「クラス・オブ・1999」

1990年 アメリカ。




原題は『Class of 1999』。(まんま)


以前、このblogでも挙げたが、そう、この映画は『処刑教室(原題名 Class of 1984)』の正当な続編なのだ。(監督も、もちろん同じマーク・L・レスター)


カナダ映画だった『処刑教室』よりも、アメリカで撮影された、この映画は製作費もググ~ンと100万ドル近く増えている。


さて、どんな出来になっているかと観てみると ……



時は1999年………アメリカでは学生たちの校内暴力がエスカレートし、警察でも手出しが出来ないような無法地帯が存在した。


その無法地帯の中心地にケネディ高校はある。



新校長『ラングフォード』(マルコム・マクダウェル)は、最新の技術を誇るメガテク社に、とうとう助けを求めた。


「賢明な考えです、ラングフォード校長。我々メガテク社の開発したロボット教師たちなら、必ずやご期待に応えられるでしょう」


所長の『フォレスト博士』は自信満々だ。(気持ち悪い~!眼球が白目である)



3人のロボット教師たちが現れると、会議室は騒然とした。


いずれも、一見、人間にしか見えないくらいだったからだ。


「彼らは、化学、歴史、体育の教師たちです。そして生徒たちの暴力など簡単に鎮圧できるほどの精鋭たちなのです!」




こんな会議が行われている同じ頃、刑務所から不良少年『コディ』(ブラッドレイ・グレッグ)が釈放された。


「仮釈放だ!いいか?2度と帰ってくるんじゃないぞ!午前9時までに高校に行くこと。それを破れば、また務所戻りだ。」


看守から手荷物を受け取り、表に出ると弟のエンジェルと仲間が迎えに来てくれていた。

コディは、不良集団ブラックハーツのリーダーなのだ。


「悪いが……俺はブラックハーツを抜ける」

「そんな、マジで言ってるのかよ!?兄貴!」



仲間も、弟も、ついでに家に戻ってみれば母親までも、みんなが麻薬を取り合って麻薬漬け。(どうやって働いて生活してるの?(笑))


刑務所生活で、すっかり麻薬を絶って帰ってきたコディには、急に周り中が汚らわしく見えてきたのだ。


「とにかく学校へ……」


そんな中、久しぶりに出かけた学校で、コディは新校長の娘で転入してきたばかりの『クリスティ』(トレイシー・リン)と知り合う。


「よろしくね、コディ」


かつての不良チームのリーダーの威厳はどこへ?コディは一目でポワワ~ン(そりゃ、特別綺麗に見えるだろうさ。周りを見渡しても、薄汚れた景色や麻薬漬けの連中ばかりだもん)


だが、一方では、新しく配属されてきたロボット教師たち3人が、目を光らせていたのだった………。




こんな冒頭で始まる『クラス・オブ・1999』。



不良とお嬢様の恋愛、ターミネーターばりのロボ教師が3体。


監督マーク・L・レスターが派手なバイオレンスを仕掛ける準備は、もう万端である。


この後は想像どおり、いや!想像以上のロボット教師たちの弾圧ともいうべき体罰が待ち受ける。




化学女教師ロボ『コナーズ』(パム・グリア)は、騒がしい生徒を一瞬で一喝。

教室の奥にある壁にまで突き飛ばし、ハイヒールでグリグリ!踏みにじる。



歴史教師ロボ『ハーディン』(ジョン・P・ライアン)は、言うことを効かない生徒には高速お尻ペンペンの仕置き。(何じゃ、これ?(笑))




体育教師ロボ『ブライルズ』(パトリック・キルパトリック)は、最初から全開。


まるでイジメのごとく、目をつけたコディをいたぶる。


レスリングの授業の名目で、血だらけになるまで、「生意気な態度を改めろ!分かったな?!分かったな?!」と言いながらガン!ガン!床にコディの頭を打ち付ける。(これ、芝居じゃなくても、ちょっとヤバイぞ!)



そして、拳銃を向けた生徒には、一瞬で首をねじって殺してしまう。



「ブライルズ先生、これはやり過ぎでしょう!」

「何を言うんですか、相手は銃を向けてきたんですよ。立派な正当防衛です!」


ラングフォード校長の意見なんて、どこ吹く風。まるで聞く耳なし。(まぁロボットですし)




こんなブライルズに続けとばかりに、歴史教師ロボ、ハーディンの体罰もエスカレートしていく。


麻薬常習者の生徒をロッカー・ルームまで連れて行くと、ロッカー・ルームに隠し持っていた大量の麻薬を口の中に押し込む。


「そうか、そうか、君はそんなに麻薬が好きなのか。うん、うん……」


生徒は案の定、口から泡なのか、なんなのか、を吐いて死亡。(自業自得といえば自業自得なんだけど……この殺し方はひどい)



「ハーディン先生、これはどういう事なんですか?!」


「あの生徒は普段からの麻薬常習者ですよ。単なる麻薬の過剰摂取ですよ。事故死です」


この計画は失敗だったのか……校長のラングフォードも次第に疑いだすのだが、横から、これまた、博士のフォレストが加勢しては、

「大丈夫ですよ!彼らに任せていれば万事安心なんですから!」なんて太鼓判。


ラングフォードの心も、疑念と信頼の間で揺れる。




そうこうしている間に、生徒たちは次々、闇討ちのように殺害されていく。コディの弟エンジェルさえも……。


「誰がいったい……こんな……まさか、あのイカれた教師たちなのか?」


愛しいクリスティを人質にとられたコディは、ライバルの不良グループと一時休戦して、3人のロボ教師たちが待ち受ける夜の学校へ向かった。


「やるぜ!みんな!!」


「オー!!」


夜の学校の門をくぐって、何台ものバイクが突っ込んでいく。


だが、3人のロボ教師たちは、それぞれ特殊な武器を装備していたのだった………。




この武器が、またスゴい!


女教師コナーズは、左腕に火炎放射器を備え付けていて、バイクごと不良たちを焼き殺す。




歴史教師ハーディンは、右腕に、まるでゲッター・ドリルなんてものを仕込んでいて、ドリルでグリグリ!(残酷~)



体育教師のブライルズなんて、なんと!右腕がミサイル・ランチャーになっていて、次々ミサイルをぶっぱなす。



学校は一面、業火に燃え上がり火の海。


こんな敵に生身のコディは、どう立ち向かうのか……もう最後までハラハラ、ドキドキである。(まぁバラしちゃうけど、最後はやっぱり主人公が勝つんだけどね)



こんなマーク・L・レスター監督が自信満々で撮り挙げた『クラス・オブ・1999』だったが………公開当時、どうだったかというと、(ガックリ!)コケたー!!


製作費の半分にも届かないような興行収益。


ターミネーターのパクリにも見られたのか、散々な評価だったらしい。



でも、30年以上経った今、これはこれで観ると、中々面白いような気もするのだが、どうだろう?



血沸き、肉躍るバイオレンス映画に、徹底的に、こだわったレスター監督を私は讃えたい。(でも、これも地上放送は絶対無理)



この先も、こんな映画を撮る事は、まず難しいだろうな。(厳しい倫理観が往来する時代ですもん。何でもかんでもダメダメづくし)


はぁ~、今さらながらに思う……寛容で良い時代だったんだなぁ~と。

星☆☆☆☆。