2024年6月1日土曜日

よもやま話 「君は《龍宮伝説》を知っているか?①」

 



つい先日、鹿児島県指宿市山川町にあるという、九州本土では最南端の場所《龍宮神社》に行ってきました。


《龍宮》…… そう、あの有名なおとぎ話、浦島太郎乙姫様が、初めての出会ったことを記念して、建てられたという神社。


そういう意味も含めて、ここは、【縁結び】の神様などを唱えているのだ。



それにしても、この神社は綺麗だし、まだ新しすぎる。


それもそのはず、昭和の頃には石の祠(ほこら)だけだったものを、平成24年に建立し直したばかりなのである。(なにしろ最南端の場所ゆえ、毎年台風をもろに受けてはボロボロ。無惨な状態だったらしい)


そうして、この神社の真向かいの岬には、こんな灯台がある。



灯台の手前には、こんなハート型♥️のアーチまで。(《縁結び》の意味もあるんだろうが …… もはや、やり過ぎ感も)


こんな漫画付きの相関図まであったりなんかして(笑)。



この相関図も、一応は古来の《記紀(きき)(日本書紀古事記など)》によって書かれたものだけど、本当なのか嘘なのか …… これ自体、あまりにも現実離れした話が多くて、信憑性なんてのは、かなり薄い気がする。


一般的に知られている浦島太郎の物語は完全なるフィクションだ。(明治時代に書かれた寓話である)


この相関図を見ても分かるように、《記紀》では、浦島太郎の名は山幸彦(やまさちひこ)。(またの名を『彦火火出見命(ひこほほでみのみこと)』や『火遠理命(ひでりのみこと)』、他にもいくつか呼び名があったりして、目茶苦茶こんがらがるし、舌噛みそう😵‍💫



オマケに海幸彦(うみさちひこ)(火照命)なんて長男がいて、山幸彦自体は三男坊である。(なぜか?《浦島太郎》の物語では《太郎》?三男坊だったら《三郎》だろうに)


この二人は名前のとおり、海幸彦は海の漁🎣が得意で、山幸彦は山での狩猟🏹が得意な兄弟である。(次男についての記述は見当たらない。何が得意だったんだろうか?)


ある日、山幸彦が「たまには、お互いの猟具を交換しようぜ!」と兄の海幸彦に提案した。


最初から気の進まない海幸彦だったが、山幸彦の、こらえ性のない性格を充分知っているし、争う気もなく渋々、了承する。(三男坊ってこんなもんよ(笑))


だが、不慣れな猟具では、やっぱり二人ともダメダメで、山幸彦にいたっては海幸彦の大切な釣り針を失くしてしまう


「すまん!アニキ!代わりの釣り針を千本やるから、これで許してくれ!」

「山幸彦よ、あの針は私にとって大事な針。それにとって代われるモノはないのだ」


さすがに(どないしよう …… )と、海辺でうなだれている山幸彦。


そこへ偶然、塩推神(しおつちのかみ)(潮流の神様)が通りかかって事情を話すと、

「『綿津見神の宮(わたつみの かみのみや)』に行ってみれば?」とナイスなアドバイスをしてくれた。(いわゆる龍宮城のことである)


さっそく山幸彦が小舟に乗って海へ進んでいくと、小舟はいつしか異世界のような奇妙な場所へ …… (ここからお話は、SFやらオカルトなどが盛り沢山である)


そこは天国のような場所で、迎えてくれたのは海神様や、美しい豊玉姫様(乙姫様)。


海神様には大層気に入られて大歓迎をうける山幸彦。

海神様の娘・豊玉姫(乙姫様)なんて、山幸彦に一目惚れしてしまい、もうメロメロ状態である♥。


山幸彦は、やっぱり、今で言うところのイケメンさんなのだ。



美しい豊玉姫に言い寄らて、海神様にも「是非、娘と結婚してくれ!」と言われた山幸彦はニヤケ顔で超嬉しそう。


(まぁ、悪い気はしないなぁ~)と、思いながらも、『綿津見神の宮』(龍宮城)でズルズルと暮らすことになったのである。(最初、ここに来た目的も、今じゃ、すっかり忘れたようである(笑))



……… そうして月日は流れて、3年が経った頃 


「そろそろ地上に帰らなくちゃなぁ~」と突然、山幸彦は言い出した。(なんと!地上では、とっくに300年が経過しているのだ。時間の進み方も異様に違い過ぎる)


もはや、山幸彦と別れるなんて無理な豊玉姫は泣いてすがる。


だって豊玉姫のお腹には、山幸彦の子供が、既に出来ちゃっているんですもん。(オイオイ)


それでも帰る気持ちの変わらない山幸彦に、海神様は《海幸彦の釣り針》を探しだしてくれて、釣り針には《兄の海幸彦が精神を病む》ような魔法をかけてくれた。(?)


オマケにこんな手土産までも持たせてしまう。


「これは【鹽盈の珠(しおみちのたま)】と【鹽乾の珠(しおひのたま)】じゃ。これで憎き(?)海幸彦が攻めてきたら、【鹽盈の珠】(水を満ちさせる)で 溺れさせて🌊、許しを請うてきたら、【鹽乾の珠】(水を日照らせる)を使って☀️助けてやるのだ!」(???)


この3年もの間に、兄の海幸彦の悪口を海神様に散々吹き込んでいたのだろうか …… 海神様の中では、海幸彦なんてのは、可愛い娘婿(むすめむこ)を苦しめるだけの存在。


まるで 極悪人扱い なのである。(なんてイヤ〜な性格の山幸彦!!悪いのはむしろお前だろうに💢


こうして地上へ帰ってきた山幸彦は、ドラゴンボールのような不思議玉を使って、兄の海幸彦を屈服させた。(兄も地上では300年も経ってるのに、よ〜生きてたよ。やっぱり神様だから?)


イケメンでも、心はずる賢い悪魔。😈


根っから根性が腐っている山幸彦。


そんな中で豊玉姫のお産の日は、刻一刻と近づいてゆく …… 


《②へ続く》