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2022年5月3日火曜日

映画 「フライトナイト(1985年版)」

 1985年  アメリカ。




17歳の高校生『チャーリー』(ウイリアム・ラグズデール)は、隣に引っ越してきた人物に興味津々。


夜中に《棺》を運び入れているのだ。


彼女『エイミー』(アマンダ・ビアース)が来てるのに放ったらかし。

果ては双眼鏡まで取り出して、隣を覗き込む始末。(彼女はプンプン!して帰っちゃう)



そうして、次の夜には、またもや女性の《死体》らしきモノを運び出しているのを偶然目撃してしまうチャーリー。


時を同じくして、ここ最近、近隣では謎の殺人事件が多発していたのだ。


(もしかして、隣の住人は《吸血鬼》なのか? …… )


すぐさま、警察に相談するも「犯人は《ヴァンパイア》なんだ!」と、つい口走ってしまった為、警察には(コイツ、頭がイカれてる!)と完全に狂人扱い。

全く相手にされない。



そんなチャーリーの行動に隣の男『ジェリー』(クリス・サランドン)も気づいたのか …… 家に直接訊ねてきた。


「入ってもよろしいですか?」(ヴァンパイアは招待されないと家には入れない)


「さぁ、どうぞ!どうぞ!」

何も知らないチャーリーの母親の手招きでズカズカ入ってくるジェリー。




そうして、二階のチャーリーの部屋で二人っきりになると、……… 案の定、 やっぱり、男は《吸血鬼》だったのだ!!


恐ろしい形相に変貌して、いきなりチャーリーに襲いかかってきたのだ!



だが、間一髪のところで、難を逃れたチャーリー。(ジェリーは手のひらを刺され、窓から飛び出して逃げてゆく)


(でも、このままじゃ、また襲ってくるかもしれない …… どうすればいい?! …… )


ならばと、………

今度はチャーリー、何を思いついたのか?


怪奇テレビ番組《フライトナイト》のヴァンパイア・ハンター役でお馴染みな、只の俳優である『ピーター・ヴィンセント』(ロディ・マクドウォール)の元を訊ねた。


助けを求めようとするのだが ……… ピーターにしても、「コイツ、おかしいぞ」と、全く取り合う風でもない。


八方塞がり、ど~すればいい???



こうして文章に書き出してみても、かな〜り な主人公チャーリーの物語である。


小さな子供なら分かるが、隣人がおかしな行動をしてるからといって、普通すぐさま《ヴァンパイア》って発想になるかねぇ~。(たまたま、そうだったんで結果オーライ!だけど)


それに、テレビでヴァンパイア・ハンター役を演じているとはいえ、只の俳優 に助けを求めるのも、高校生としてはどうなんだろ?(《おかしい奴》呼ばわりも、充分に分かる気がする(笑))


何から何までおかしい事だらけで、ツッコミどころ満載のホラー映画だが、観てると段々クセになる。


そうして、

この「このバカバカしさがたまらない!」って思えるほど、この映画は、とにかく面白いのだ! ♪~(´ε` )



助けを求められた『ピーター』(ロディ・マクドウォール)にしても、番組はやや低迷気味で俳優としては、やや下り坂。


チャーリーの友人『エド』(スティーヴン・ジェフリーズ)と、心配した彼女『エイミー』にも言われて、「どうかチャーリーの目を覚ましてほしい!」と訴えられると、人の良いピーターも渋々付き合ってくれたりする。(嘘のヴァンパイア・ハンターなのにね)


そうして一同は、隣家のジェリーの元へ!


エイミーも、エドも「なんだ、やっぱり気のせいだよ。普通の人じゃないか」とジェリーを見て安心するも、チャーリーはともかく、ピーターの様子は少しおかしいぞ。


芝居の小道具として持ってきた鏡にジェリーの姿が《全く映らない!》のだ。(吸血鬼は鏡に映らない)


ビックリして、そそくさと一人帰っていくピーター。(本当に吸血鬼だぁーー!)


一方、エドとエイミーは、ジェリーにまんまと騙されて、二人は《狼男》と《吸血鬼》にされてしまう。


なぜ?吸血鬼じゃなく《狼男》になってしまうのかは不明。》




なぜ?吸血鬼なると、牙と一緒にショート・カットの髪の毛がロン毛になってしまうのかも、これまた不明である(笑)》





「こうなりゃ、悪の根源であるジェリーをやっつけるしかない!」


腹をくくった、偽者ヴァンパイア・ハンター『ピーター』と、高校生『チャーリー』は、吸血鬼ジェリー相手に、勝ち目の薄い、最後の闘いを仕掛けるのだが ……





只の俳優が、ドンドンそれらしく本物のヴァンパイア・ハンターになっていく …… 

これもロディ・マクドウォールの後年の傑作だろう。(この人、本当に運が良いのかも)




この映画は、このバカバカしさが当時大いにウケて、大ヒットした!(なんと!1988年には続編のパート2まで作られてしまう。)



そうして、2011年にはリメイクで『フライトナイト/恐怖の夜』が作られ、2013年には、そのリメイク版のパート2まで、さらに作られてしまう始末。(どんだけ皆んな『フライトナイト』が好きやねん!(笑))



しかも、この第1作目に関しては、あのアクションやホラー映画に贈られるという『サターン賞』まで受賞しているのだ。(もうビックリ!)




で、こんな映画を作ったのが、「誰なのか?」と思い、コソコソ調べてみると、脚本と監督をトム・ホランドって人が兼任している。


トム・ホランドは、あのバイオレンス・アクションの傑作『処刑教室』の脚本を書いており、『チャイルド・プレイ』では、これまた脚本と監督をやっているような多才な方なのだ。



それを知って、妙に「なるほど~」と納得してしまった。



私、以前にも書いたのだが、《ホラー映画》は少々苦手とするジャンル。

だが、稀に面白いと思うモノもチラホラとある。




それらの面白いと思えるモノは、《ホラー》というジャンルが、《くだらなさ》や《バカバカしさ》と紙一重だということを、ちゃんと熟知して理解しているようなモノなのだ。



この『フライトナイト』もソレをちゃんと分かっていて、楽しめるように作られている。



この意図した、バカバカしさを、大いにおちょくりながら楽しもうではないか。


星☆☆☆☆。