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2024年6月17日月曜日

ドラマ 「乱れからくり」

 1982年3月。(副題:ねじ屋敷連続殺人事件)





女探偵『宇内舞子(うだい まいこ)』(古城都(こしろ みやこ))と、その助手『勝敏夫(かつ としお)』(柴田恭兵)は、とっても仲の良い迷?コンビ。


元タカラジェンヌの舞子が起業した探偵事務所に、アルバイトで雇われている敏夫だが、プロボクサーになる夢も決して忘れていない。

暇を見つけては、トレーニングに励んでいる日々である。


そんな二人が《ギャングごっこ》(大のオトナが?(笑))をして遊んでいると、来客が現れた。


ひまわり工芸社(オモチャ会社)の制作部長、『馬割朋浩(まわり ともひろ)』である。


「実は妻の『真棹』(まさお)(新藤恵美)を尾行してもらいたいのだが …… 」



写真を一目見て、舞子も(な~るほど … )と納得した。


(こんな美人の奥さんじゃ、旦那も心配するはずだわ … )


次の日から舞子と敏夫は、真棹をさっそく尾行。


真棹の乗った車は、そろそろとラブホテルへと入っていく。


そうして、しばらくすると一人の男と出てきた。


いかにも好色そうな男、『馬割宗児』(中尾彬)である。

この宗児は、なんと!依頼人・朋浩の従兄弟でもあるのだ。


「これはビッグニュースだよ!、カッチン!!」


嬉々としている舞子の側で、敏夫の方は複雑な気持ち。


真棹が、昔好きだった初恋の人に、そっくりだからなのである。


まぁ、それでも、これは仕事だし割り切らなきゃ。


二人は報告する為、次の日、朋浩の自宅を訪ねたのだが …… ん?アレレ、朋浩が妻の真棹を車に乗せて、どこかへ出かけようとしているぞ。


車が出た後、すぐさま使用人に訊ねると、

「旦那様は奥さまと二人でロサンゼルスの方へ旅立ちましたが …… 」の返事。


「冗談じゃない!払うもの、ちゃんと払ってもらわなきゃ!カッチン、すぐにあの車を追うんだよ!!」

舞子の激に敏夫は車を急いでスタートさせた。


やっと二人の乗る車に追いついた舞子と敏夫。

でも、なんだか昼間なのに空が暗いような ……



その時、空に閃光が走ったかと思ったら、次の瞬間、朋浩と真棹の乗っている車が 大炎上💥した。


「な、なにが突然、起こったんだ?!」


二人は目の前の惨状を見てビックリする。


敏夫の機転で、なんとか真棹だけでも無事に助け出したが、病院に担ぎ込まれた朋浩の方は全身火傷で、すでに危篤状態。


そのまま、こと切れて、あっさり亡くなってしまうのであった。


しかも、朋浩と真棹の乗っていた車の側に落ちてきたのは、普通じゃあり得ないモノ。

宇宙から飛来してきた 隕石☄️だったのである!!(なんて運の悪い奴)



次の日、朋浩の葬儀が行われるのだが、妻・真棹の不幸は、ここで終わらない。


以前、真棹が薬局で買い求めていた 睡眠薬 を、幼い一人息子が、誤って過量服用して 死んでしまうのである。(どこまでもツイてない女・真棹)



もう、心身ともにボロボロ状態の『真棹』(新藤恵美)さん。


真棹は、自分を【悪魔に呪われた女】だと言う。(ちゃんと自覚してたのね)


そうして真棹は、3年前、横浜にあるという奇怪な館【ねじ屋敷】の【巨大迷路】で、『宗児』(中尾彬)に強姦された過去を、ポツリポツリと話しだすのだが ……







原作は、本格推理小説の巨匠:泡坂妻夫(あわさか つまお)さん。


自称推理小説愛好家の私としては、この『乱れからくり』は、とっておきの一冊。

なんせ、私の好きなモノばかりが贅沢に詰めこまれている。


《からくり屋敷》あり〜の、《からくり人形》あり〜の、《意外な真犯人》あり〜の …… 

もう、書き出せば枚挙がないくらいかも。



この『乱れからくり』が、当時、火曜サスペンス劇場でドラマ化された時、たまたま観ていた私は、

「よく、こんなのを映像化してくれたよ!」

と、両手(もろて)を挙げて大喝采をおくったものである。(『宇内舞子』役の古城都さんが、実際に元タカラジェンヌなので、役にもそれが付け加えられたが、そんなの気にならないくらい、ほぼ原作通りの映像化である)


近年、それを、また観られたことは、本当に至福の喜びでございました。


制作には、あの『ウルトラマン』などで御馴染みの円谷プロが関わっているので、冒頭に記した《隕石の落下シーン》や《巨大迷路》なんかも忠実に再現してくれている。



オマケに、こんな細かい仕掛けまで ……


死んだ朋浩が、《ひまわり工芸社》で作っていたお人形。


背中の赤いボタンを押すと、首がまわって ……


こんな恐ろしい顔に早変わりする。


《↑こんな化け物人形、誰が買うねん!会社も傾くはずだわ(笑)》

 


だが、横浜の【ねじ屋敷】には、まだまだ隠された謎がある。


「よかったら、私の住む【ねじ屋敷】に、お二人で遊びにきませんか?」


なにやら、一癖もありそうな宗児の誘い、そして不気味な【ねじ屋敷】。

それでも二人は、《野次馬根性》もとい《探偵根性ヨロシク》で乗り込んでゆくのである ……




この後、お話は、副題の通り凄惨な連続殺人事件へと発展していくのだが、推理ドラマのネタバレほど野暮なことはないので、ここで口をつぐんでおく。(あぁ、推理モノってもどかしい〜)


ドラマの出来は、もちろん、満点の星☆☆☆☆☆。

ドラマが観れない人には、原作の小説も合わせてオススメしときます。




※《くだらない補足①》


【ねじ屋敷】の当主、年老いた『馬割鉄馬』を演じているのは、岸田森(きしだ しん)さんである。


この方、映画版の『乱れからくり』でも、全く同じ役を演じているそうな。(どれだけ、この原作が好きやねん!って話)

もっとも映画版の方は、「んん〜??」な出来だったらしいが。(その事については改めて書くつもり)


尚、こんな年寄りメイクをしているが、実際は、とても若かったのだ。(43歳)

だが、このドラマが放映された年の末に(1982年12月)、残念ながらお亡くなりになったのでした。(永眠、合掌)


尚々、岸田森さんは、名優:樹木希林さんの最初の旦那さまである。(あのファンキーな方は、2度目の旦那さま)



※《くだらない補足②》

新藤恵美さんのお顔が、昔から、子ども心に(何かに似ているなぁ~)と思っていたら、ここ最近になって、ようやく分かった。



この顔を3つ持つという《阿修羅像》にそっくりなのだ。(眉や目が)

でも、本当に我ながら、くだらない補足である。



※《くだらない補足③》


なんとなく思ったこと。

(この《ねじ屋敷》を舞台にしたドラマに出て、中尾彬さんは有名な《ネジネジ》を思いついたんだろうか …… )←(最後は、くだらないダジャレかよ!(笑))


お後がヨロシイようで …… マル。