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2019年5月4日土曜日

映画 「善き人に悪魔は訪れる」

2014年 アメリカ。



『コリン・エヴァンス』(イドリス・エルバ)は、5人の女性を次々と殺したが、警察は、それを立証できなかった。

だが、その後、バーでの痴情のもつれによる乱闘騒ぎで、男を殺してしまい、現行犯で逮捕されたのだ。

    ー  そして5年の服役。


刑務所では、模範囚として過ごしてきたコリンにチャンスがめぐってきた。

仮釈放申請の為、テネシー州の審査委員会にかけられる事になったのだ。


メディアは、そんな殺人鬼コリンが、わずか5年で出所してくるんじゃないかと、朝から騒いでいる。


刑務所から、テネシー州まで長い距離を護送され、ズラリ並んだ審査委員の前に座らされて、懸命に自分の弁明をするコリン。

「バーでは馬鹿な事をしました。でも、あの時死んでいたのは、自分だったかもしれない……。刑務所では反省しました。囚人たちに字も教えました。私にチャンスを下さい!お願いします!」


必死のコリンの弁明は、一人の委員の反対で簡単に却下された。


「スミマセン、エヴァンスさん。全員一致が条件ですので……また、5年後に…」



帰り道の護送車の中、コリンは絶望していた。

(…… 後、また5年だと?嫌だ!戻りたくない!)

コリンは、護送中の警官ピートを、隙をみて羽交い締めにすると、ピストルを奪った。

そしてためらいなく、警官や運転手を射殺したのだった……。


同じ時刻、ジョージア州アトランタ。


『テリー・グレンジャー』(タラジ・P・ヘンソン)は、産まれたばかりの赤ん坊と、幼い娘ライアンの世話に悪戦苦闘していた。


夫のジェフリーは、子育てに無関心で、今夜は夫の父親の誕生日で留守になる。

(…それに、なんだか、ここのところ冷たいし……イヤ!子供たちにとっては良い父親なんだから……)


テリーの暗い気持ちを吹き飛ばすように、近所をランニングしてきた親友のメグが、明るくひょっこり現れた。

「今日は、ジェフリーも居ないし、後で来ていいかしら? 今晩、女同士で呑みましょうよ!とっておきのワインを持っていくわ!」


明るいメグ…そんなメグとのお喋りは、つかの間、テリーを元気づけた。


(だけど、今夜は嵐になるはず……)

空は暗く、重い雲で覆われ始めていた。


逃走したコリンが、向かった先は逮捕される前に付き合っていた恋人のところだった。


コリンが奪った車で駆けつけると、ちょうど恋人の浮気現場に遭遇してしまう。(なんて間が悪い)

頭に血がのぼったコリンは、家に帰り着いた恋人を滅多殺しにした。(こんなのを見ると減刑却下は正解かも)




大雨の嵐の中、車で立ち去るコリン。

だが、車をぶつけてしまい、降りるとコリンは雨の中、歩き出した。


しばらくすると、近くに灯りがみえる。


それはテリーと子供たちが住んでいる家だった。

インターホーンを押すと、中からテリーが現れた。

「どうしたの?」

「スミマセン、車が壊れてしまって電話をお借りしたいのですが……携帯を忘れてしまって……」


ずぶ濡れのコリンが申し訳なさそうにいうと、根っから人の良いテリーは、電話を貸して、レッカー車を呼ぶまで、ここにいればいいと言ってくれた。


「とにかく中に入って!」

テリーは、殺人犯コリンを中に引き入れたのだった……。



イドリス・エルバが、凶悪殺人鬼に扮して主演したサスペンス。


まだまだ、主演は少ないが、ここ最近、なぜかこの人に、スポットがあたりはじめている。


何だろう、突然のこの人気は…?


米ピープル誌の「もっともセクシーな俳優」に選ばれる。(黒人ではデンゼル・ワシントン、ドウェイン・ジョンソンに続いて三人目)


出演作も「マイティーソー」、「アベンジャーズ」、「スター・トレック」、果ては、最近では「ワイルドスピード」までかりだされている。(まぁ、主演じゃないのだが)


ダニエル・クレイグの007の後釜に、この黒人のイドリス・エルバの名前があがり、本人も悪い気はせず、オファーがあれば、「考えてみる」と言ってるらしいが…。(現在46歳で、本人も年齢的な事もあり、まぁ、少しだけ消極的)


見た目、普通のオッサンに見えるのだが(こんな事言うとアメリカ人に袋叩きにされるだろうか)



それでも現在のアメリカ人は、イドリス・エルバが大好き。


性格がいいのかな?

よく分からないが、多分、今、人生の追い風が吹いているのだろう。


この映画のタイトルを借りれば、『善き人には幸運が訪れる』ってところだろうか…。



これから、この人が、前述のように、デンゼル・ワシントンやドウェイン・ジョンソンのいる位置まで、本当にかけあがる事ができるか、どうか、主演作があれば見守ってみたいと思います。



あ、そうそう、映画は、よくある展開の、どこかで観たような普通のサスペンスでした。


退屈はしなかったけどね、星☆☆。
(それにしてもねぇ~アメリカ人の趣味はわからん。極々普通のオッサンに見えるのだが)←まだ言ってる