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2023年4月26日水曜日

映画 「プロジェクトA」

 1983年  香港。




この映画といえば、ジャッキー・チェンの時計塔から落下。(頸椎(けいつい)損傷の大怪我。よく四肢麻痺にならなかったよ)


あと有名な主題歌『東方的威風(ドンフォンデワイフォン)』。(メロディーは覚えていても広東語(かんとんご)を全く覚える気がない私(笑))


後は、うすらボンヤリな記憶だけが残っている『プロジェクト A』。


こんな『プロジェクト A』を数十年ぶりに観た。(全ては、ここ最近のジャッキー熱と記憶補完の為)



20世紀初頭、イギリスの統治下にある香港では、《海賊》が度々出没しては悪行の限りをつくしていた。


それを取り締まるのが『ドラゴン』(ジャッキー・チェン)が所属する《水上警察》なのだが、ことごとくヘマばかり。


『タイガー』(ユン・ピョウ)たち《陸上警察》の連中は、成果の上がらない《水上警察》に「税金のムダ使い!」と罵倒する。


その果ては酒場で大乱闘。


しまいには、《水上警察》は解散させられ、《陸上警察》に吸収合併させられてしまう。


タイガーは、憎い水上警察の連中が自分たちの傘下に来たことで、毎日イビリまくり。


ドラゴンはイライラをつのらせていく。


それでも《陸上警察》に協力して、マフィアのアジトに潜入し、あわや犯人逮捕というところで、突然現れた陸上警察の『チー総監』に邪魔だてされる。


金持ちのクラブ・オーナーに忖度して、ヘコヘコしている『チー総監』は、逆に騒動をおこした張本人として、ドラゴンに「謝れ!」と命令するのだ。


ドラゴンの我慢はもう限界。

そして、とうとう ……




原案・脚本・監督・武術指導・主演と、ジャッキー・チェンが全てにおいて関わっている『プロジェクト A』。


大怪我をおしてまで撮りあげた『プロジェクト A』を、ジャッキー映画のベスト・ワンに挙げる人も多いだろう。


でも、ゴメンなさい …… 数十年ぶりに観た私の目には、ここまで書き上げた分が、おっそろしく つまらなかったー!(あ、言っちゃった!)


《水上警察》と《陸上警察》のいざこざ、ドタバタ、乱痴気騒ぎ …… ど~でもいい。

ユン・ピョウのアクションも、こんな本筋にも関係ないような酒場の乱闘シーンに使われるのは勿体ないような気がした。


(おっかしいなぁ~、当時は度々テレビで放送されていて、それなりに面白く思えたものだが …… )と思っていたら、ココから『プロジェクト A』はエンジンがかかりはじめて、やっと面白くなる。



「こんな警察なんて、もう辞めてやる!」

警察手帳を叩きつけて、町に出ていったドラゴンは怒りプンプン💢。


そんなドラゴンに声をかけてきたのは、クラブにいて、一部始終を見ていた幼馴染の『フェイ』(サモ・ハン・キンポー)である。(動けるデブ登場(笑))


このフェイは根っからの小悪党であり、《泥棒》を生業にしているのだ。


こんなフェイはドラゴンにトンデモない相談を持ちかける。


「なぁ、今夜、船で大量の銃が着く。それを俺たちが、こっそり横取りして一儲けする。手伝ってくれよ~、もう警察を辞めたなら義理立てする必要もないだろうぉ~?」


ドラゴンはフェイの申し出を受けて、二人はまんまと銃を盗み出した。


翌日、フェイは意気揚々、マフィア相手に早速交渉に出かける。

「銃はどこに隠してあるんだ?」

「川に浮かんでいる丸太の中さ。なぁ~に、誰でも分かりやすいように《赤い布切れ🚩》で目印をしてある。」


だが、川に行ってみると大量に浮かんでいる丸太には大量の赤い布切れがしてあって …… 🚩🚩🚩🚩🚩🚩


「こ、これじゃ、どれに隠してるか分からないっー!」(夜中にドラゴンが全部の丸太に赤い布切れを貼っていったのだ。逆に赤い布切れが無い一本だけが本物)


マフィアはカンカンに怒って、面がわれたフェイとドラゴンを町中、血眼になって追いかけ回す。


そうして、冒頭の場面、時計塔にまでドラゴンは追い詰められる事になるのである。



サモ・ハン・キンポーが登場してから俄然面白くなる『プロジェクト A』。

サモ・ハンのアクションもさすがである。


相手がパンチやキックを繰り出してきても、ソレを上手く受け流して、攻撃に転じている。

その様はアクションなのに小気味よくて、まるで舞踊でもしているようだ。(子役時代から京劇で鍛えられてきた)


これは『酔拳』の師匠・ユエン・シャオティエンに通じるものがあって、彼の動きも音楽にのっているかのようにリズミカル。


シャオティエンが生きてれば、サモ・ハンのセンスを褒め称えただろうと思う。



この後は、海賊に捕まったイギリス人たちを救出するため、ドラゴン、タイガー、泥棒のフェイまでが、三つ巴で団結して、海賊島に潜入。


映画は、怒涛のクライマックスへと流れこんでいく ……




前半、退屈。

中盤、面白い。

後半は、まぁまぁの及第点、って感じの『プロジェクト A』。(総じて星☆☆☆)


と、いうのも敵の描き方がねぇ~ …… (なんとかならなかったのかな)


海賊のボスである男が、この物語では《最大の宿敵》になるはずなのに、後半にやっと出てくるので、その《強さ》や《残忍さ》をはかり知る材料が、観客にはあまり与えられないのだ。


これでは3人がかりで、やっと倒しても《爽快感》は広がりにくいかも。(しかも最後が絨毯でグルグル巻きにして、ダイナマイトで木っ端微塵って死に方も …… なんだかねぇ~ …… )



顔はこんなにインパクト大なんだけどね。

《↑昔のアメリカのTVアニメ『大魔王シャザーン』みたいな海賊ボス(「出てこい!シャザーン!」皆んな知ってる?)》



そうそう、この映画も香港映画ならではで、やっぱり漫画みたいな《ブサイク・キャラ》が大勢出てくる。



《↑パパイヤ鈴木にしか見えない悪党》




《↑『マジンガーZ』の兜甲児のようなモミアゲ男》


中でも極めつけはコイツ。

《↑鼻の横のホクロから長くて太いチンチロ毛が出ている男》



こんな《奇面組》を探すのも香港映画の楽しみ方の1つかもしれない。(最近じゃ、これが唯一の楽しみと言っていいかも)


えっ?映画の見方が不真面目すぎるって?!


まぁ、いいじゃないの、楽しければ(笑)。

長々、お粗末様。


2023年4月24日月曜日

映画 「越境者」

 1950年  イタリア。




イタリアはシチリアの貧しい村に、たった一つだけある鉱山。


そこが突然《閉鎖》される事になった。


働いている村の男たちにとっては、まさに死活問題。

地下400mのゴツゴツした岩場で、ストライキがはじまる。


女子供たちは地上で、そんな男たちの安否を気遣って居ても立っても居られない様子だ。




坑夫たちと長い付き合いの経理士さんがトロッコで降りてきて必死に皆を説得。


「こんなに硫黄が充満していて空気が悪いところで …… 早く上がってくるんだ! もう、一晩も持たないぞ!」


『サロ』(ラフ・ヴァローネ)や他の坑夫たちもやっと観念して地上へと戻ってくる。


(でも …… これからどうやって暮らしていったらいい? …… )


行き着く不安は、やっぱりソコヘとかえっていく。


妻が亡くなり、男やもめになったサロには幼い3人の子供たちがいるのだ。(上2人が女の子、下の男の子なんて、まだ4歳だ)


(この子らを、これからどうやって食べさせていったらいいのだ …… )


そんな折、一人の中年男『チッチョ』が村の酒場にふらりとやって来て、こんな提案を話し始めた。


「こんな土地にしがみついてるより、是非フランスへの移民をオススメするね!  私ならそれが出来るぞ! なぁ~に、それなりの金を払ってくれるなら私が道中のガイドになってやってもいいし、上手く憲兵たちにも取り計らってもやれるぞ!」←(チョー胡散臭い)



「俺はフランスへ行くぜ!」

誰かが先陣をきって言い出すと、2、3人が賛同しはじめて、しまいには酒場に居た全員が賛成する事になった。

もちろん、サロも ……


家財道具一式を売り払って、わずかな金を工面した数十名たち。


「新天地《フランス》でやり直すのだ!」

皆が命がけで明日への希望に燃えている。


そんな夜、一人の女がチッチョを訪ねてきた。


「二人分、お願いしたいの …… 」

伏し目がちで暗い表情の『バルバラ』(エレナ・ヴァルツィ)である。


彼女は村でも評判の悪い男・ヴァンニと付き合っているのだ。

母親にも反対され、村人たちからも白い目で見られているバルバラ …… でも、悪党とは分かっていても、どうしてもヴァンニとは別れられない。(女心は複雑なのね)


(新しい土地に行けば、あの人だってきっと変われるはず …… )←(根拠のない希望)



こうして、様々な事情を抱えた者たちがバスに乗り込んで出発した。

まずはシチリアから列車に乗り換えて〜ナポリまで。


だが、長い旅路はどんどん困難を極めていき ……





原案・脚本には、あの有名なフェデリコ・フェリーニが関わっている。(『道』、『青春群像』など)


監督はピエトロ・ジェルミ。(これまたイタリア映画界では有名人。監督だけではなく俳優も兼任された方。監督作では『イタリア式離婚協奏曲』を観て、ココでも取り上げました)



で、主演が『にがい米』や『アンナ』にも出演していたラフ・ヴァローネさんである。



ラフ・ヴァローネさんは元々俳優になるつもりはなかったのだけど、勧められて続けるうちに、たまたま出演する作品にも恵まれて大スターになったという稀なお人だ。(どんだけラッキー)


この映画は、そんなラフ・ヴァローネの長い映画人生においても、ある意味、特別な作品となっている。(それは最後に後述しとく)




それにしても、名だたる監督や俳優たちで、よくもまあ、こんな映画を撮りあげたものだ。



なんせ、

《イタリアがあまりにも貧乏過ぎて、絶望して、皆でフランスに行きましょうよ!》

ってのが主題。



それを当のイタリア人たちが総出で撮っているんですもんね。


普通なら逆に《イタリアの素晴らしさ》をアピールしてもよさそうなものを。(当時、この映画は検閲に引っかからなかったのかしらん?)




確かに冒頭に映し出されるシチリアには悲惨さが滲み出ている。

村には木はおろか、草一本はえていないような岩だらけの乾いた場所で、石造りの家しか並んでいない。


これじゃ、農作物なんてのも育たないし、皆が飢えや貧困にも苦しむはずだわ。(※イタリアの貧困はその後も1960年代まで続く。アメリカ経済に助けられ、やっと息をふきかえす事になる)







案の定、ガイドの男は詐欺師だった。



村人からお金だけを巻き上げてトンズラする気だったのだ。(やっぱり!)



ナポリの駅で逃げる男に、悪党ヴァンニが懐(ふところ)から《銃》を取り出して発砲。

駅周辺は大騒ぎになる。



すぐに警察が駆けつけてくるも肝心の二人は捕らえられず、代わりにサロや村人たちが逮捕されてしまう始末。


「いいか!これは恩情だぞ。三日以内に皆んな故郷のシチリアへ帰るんだ!これは警察の命令だ!!」

変な命令書を渡されて苦渋に満ちた顔の村人たち。



警察からやっと開放されると、それをサロはビリビリと破り捨てた。


「今更、家に帰れるか!家財道具も全て売り払ったんだぞ!俺は何としてもフランスへ行くぞ!!」


バルバラも(国境まで行けばヴァンニと出会えるかも ……)そんな期待でフランス行きを決意する。

でも村人の半数は警察怖さに故郷に戻ってしまった。



残りの村人たちは不安ながらも、サロを先頭にして再び歩きはじめる ……





この後も一難去って、また一難。



サロと村人たちは農場で小作人として雇われるも地元の人たちから「よそ者は出ていけー!」の罵声が飛び交う。


そんな中でサロの娘が怪我をしてしまい動けない状態。

バルバラは単身、村まで医者を呼びに行ってくれたりすると、(オヨヨ ……?)二人は何だか良いムードになってきたぞぉ~。




ヴァンニの事が気がかりでも、誠実で子供に優しい『サロ』(ラフ・ヴァローネ)にどんどん惹かれていく『バルバラ』(エレナ・ヴァルツィ)。



映画は大方の予想通り、二人は相思相愛になっていくのだが、この二人、現実世界でも、やがて本当の夫婦になるのである。(なんと!(⁠´⁠⊙⁠ω⁠⊙⁠`⁠)⁠!)



エレナ・ヴァルツィは女優を辞めてラフ・ヴァローネと結婚。

二人は死ぬまで添い遂げる事となる♥。(二人ともに2002年に亡くなっている。どんだけ仲が良かった《おしどり夫婦》だったのかしらん)



この映画の撮影は、後半、過酷過ぎるくらい過酷になり、猛吹雪の中の山越えシーンなんてのは、撮影クルーにしても、俳優たちにしても本当に命がけだ。




こんな困難な撮影を、ともに乗り越えたからこそ、妙な連帯感が生まれて、それが愛情へと変わっていったのかもしれない。




尚、この映画は第1回の《ベルリン国際映画祭》で銀熊賞(監督賞)を受賞している。(ちなみに第52回(2002年)に『千と千尋の神隠し』で宮崎駿金熊賞を受賞している)



だからこそ、ロード・ムービーとしては秀逸の出来。



果たして皆は無事、フランスへとたどり着けるのか …… を最後まで語るのは、いちいち野暮というもの。



是非、ご覧あれ。(オススメしとく)

星☆☆☆☆。


それにしても絵になるくらい格好いい夫婦だなぁ~)


2023年4月12日水曜日

ドラマ 「仮面ライダー フォーゼ」

 2011年9月〜2012年8月。




ごく最近、ネットで配信されはじめた『仮面ライダー フォーゼ』。

久しぶりに観はじめたら、やっぱり面白くて、あっという間に夢中になってしまった。


しまいには、毎週更新されている次の回を待てなくなって、「そういえば …… 」と思い出し、今まで部屋の奥底に眠っていた『フォーゼ』のDVDをひっぱり出す。


全48話と劇場版を一気に観てしまいました。


お話は、天ノ川高校に転校してきた『如月(きさらぎ)弦太朗』(福士蒼汰)が、ゾディアーツと呼ばれる怪人と戦いながら、友達をドンドン増やしていくという、痛快青春ドラマ。


なんせ弦太朗の夢が

「この学校にいる全員と《トモダチ》になる!」ことなのだ。(まんま昭和の熱血主人公)


そうして《仮面ライダー フォーゼ》に変身すると、

宇宙、キタァーーー!!と、訳の分からない雄叫びをあげている。


なに?

訳が分からん?(私もよー分からん(笑))

とにかく観てちょうだいな。面白いから。


それにしても、この『仮面ライダー フォーゼ』が放送されてから、もう10年以上が過ぎたのか。(現2023年)


10年も過ぎれば誰にだって色々な事がある。

このドラマでも俳優を辞めてしまった者もいるだろう。


だが、

後に、数多くのスターたちを排出するのが、この仮面ライダー フォーゼなのだ!!



★如月弦太朗(福士蒼汰


『美咲ナンバー・ワン』というドラマで脇役を一度だけ演って、

次の『フォーゼ』では、ご覧のように主役。


「『仮面ライダー』になりたい!」

「『戦隊ヒーロー』になりたい!」

何年もオーディションを受け続けている者からしたら、まるで夢のようなお話。

しかも初めてのオーディションで、いきなり主役の座を射止めるなんて。


デビューしたばかりの福士蒼汰は、いとも簡単にスターダムの階段を駆け登ってしまう。


「君は笑顔がいいねぇ~」

『フォーゼ』に選ばれた理由なんてのは、たったのこれだけである。(愛嬌があれば演技の下手さも関係ないのだ)


その後は、朝ドラの『あまちゃん』に出演し、今日の今日までトントン拍子なのはご存知の通り。(最近では男女逆転の話題作『大奥』にも出演していた)


共演した女優たちとは毎度噂になり、女たちはひと目でメロメロ状態。

年配のプロデューサーや監督たちにも受けが良い。


苦労せずに誰にでも好かれる特別なタイプなのだ。(羨ましいなぁ~)


ここまで来たら、この《爽やかさ》で、今後も生き残ってほしいものである。(その代わり、薄汚れて髭モジャ。ダークサイトに墜ちた悪役の福士蒼汰など全くイメージできないけどね(笑))



★城島ユウキ(清水富美加(現・千眼美子))


この人もフォーゼ以後、有名になるのは超早かった。


フォーゼでは、珍妙な仮装をしながら踊り、ヘンテコな歌まで歌ったりしている。

そこには《恥じらい》や《ためらい》など全くない。


家政夫のミタゾノ』では松岡昌宏の鬘(かつら)を釣り上げて、『変態仮面』では鈴木亮平の局部を何度も拝む事になる。(今考えると、なんちゅー仕事よ(笑))


このまま順風満帆に進むと思いきや、突然《幸福の科学》に出家。


総裁・大川隆法に気に入られて、洗顔…もとい、千眼美子(せんがんよしこ)の名を与えられる。(この名前、本当にセンス悪っ!)

《幸福の科学》の看板女優になった千眼美子は、それからコンスタントに専属女優として映画に出演していく。


だが、大川隆法の突然の死。


今や総裁を亡くした《幸福の科学》は糸の切れた凧状態。

千眼美子(清水富美加)は今後どうなっていくのか …… 流転、流転の人生である。(千眼=洗顔。 顔でも洗って出直す?(笑))



★朔田(さくた)流星(吉沢亮


『フォーゼ』も中盤になると出てくるのが2号ライダーだ。

その名も『仮面ライダー メテオ』。


表裏のない弦太朗とは真逆で『朔田流星』(吉沢亮)は、思いっきり《裏ありき》の男である。


交換転校生として天ノ川高校にやって来た流星には、《ある目的》があった。


それは《アリエス・ゾディアーツ》(おひつじ座の怪人)を探し出すこと。


ある事故で永遠の眠りについてしまった親友・『井石二郎』を再び目覚めさせるには、どうしても《アリエス》の力が必要なのだ。(その為に怪人が頻繁に出没するという天ノ川高校にやって来る)


そんな本心を隠して、弦太朗が作り上げた《仮面ライダー部》に近づいていく。(仮面ライダーが、このドラマでは部活扱いなのだ)


口では「面白そうな部活ですねー!」と愛想よく振る舞いながらも、本音は(どうしようもない奴ら …… )と舌打ちしたりする。(チッ!)


メテオの正体を隠したまま戦う流星。

この『朔田流星』(吉沢亮)の投入がフォーゼを加速度的に面白くさせ、中盤以降、番組を盛り上げていく事になる。


この朔田流星を演じた吉沢亮は、前述の二人とは違い、すぐにブレイクする事はなかった。


それでも努力して、少しずつ知名度を上げていって、とうとう2021年の大河ドラマ『晴天を衝け』では主役にまで登りつめる。(凄い!)


この人が、今のところフォーゼでは一番の出世頭じゃないかな。



メテオの決めセリフ、

俺の運命(さだめ)は俺が決める!なんてのがあるが、今聴くと、吉沢亮の有言実行にも思えて、更に格好いいセリフのように響いてくる。




★井石(いせき)二郎(横浜流星



で、コイツが元凶となった『井石二郎』(横浜流星)である。


たま〜に出てくれば、病室のベッドで「ウ〜ン、ウ〜ン …… 」と、もがき苦しんでおります。

しょっちゅう病院からは『朔田流星』(吉沢亮)に電話がかかってくる。


「大変です!井石さんがまた苦しんでます!!」(コイツに両親はいないのか?(笑))



まぁ、見てみれば(中々整った顔をしてるけどなぁ~) …… 当時はこのくらいの薄い印象だった。



でも、世の中は分からない。

この人は、その後  大化けしてしまうのだ!



翌年、戦隊ヒーロー・モノ『列車戦隊トッキュウジャー』に合格して《トッキュウ4号》でレギュラー入り。(志尊淳関根勤も出てました)


徐々に知名度をあげながら肉体改造をしていき、今じゃトンデモない宝塚のような美貌と鋼のようなボディーを手に入れる。


見よ!今の姿を!


まるでサナギが蝶に生まれ変わったようじゃないか。


最近じゃ、頻繁に主演映画にも駆り出されていて、横浜流星の名前をあちこちで耳にするようになった。


でも、まさか、あの時フォーゼに出ていた二郎だったとは。(あまりにも変わり過ぎている)


それにしても、当時は何とも思わなかったが《(朔田)流星《(横浜)流星を救おうとするシチュエーションだったのね。(ああ、ややこしや〜)




★エリーヌ須田(滝沢カレン



ご存知、変な日本語を操り、バラエティ番組で大ブレイクした滝沢カレンである。


驚くなかれ、彼女も、この『フォーゼ』に出演していたのだ。(37話・38話)


彼女の役は《アクエリアス・ゾディアーツ》(水瓶座の怪人)。


宇宙飛行士になるテストで一緒になった『城島ユウキ』(清水富美加(現・千眼美子))に異常なまでの憎しみを抱く。


「ふざけ過ぎてる!」

「口先だけのパフォーマー!」言いたい放題。(まぁ、気持ちは分かるけど(笑))



で、肝心の演技の方はどうかというと ……


長セリフを全く息継ぎも無しに、しかも超早口でまくし立てる!(ヒィーッ!)


まぁ、この頃は演技するのも初めてで一生懸命だったのかも(そっとフォローしとく)





…… 以上が、世間的に見てブレイクしたと思える『フォーゼ』の面々である。



この後も《仮面ライダー・シリーズ》を追ってしばらく観ていたものだが、自分的には全くダメダメだった。


とにかく話(脚本)がつまらない。

魅力的なキャラクター(俳優)が出てこない。


その後、大ブレイクしたのが『仮面ライダー ドライブ』の竹内涼真だけなのをみれば、あながち、この考察もハズレではないのかもしれない。



子供でも、大人でも、皆が観ても楽しめる『仮面ライダー』。

皆の記憶に残る『仮面ライダー』。


『フォーゼ』はやっぱり傑作なのだ!



だから、「あ〜、あの仮面ライダー フォーゼに出ていた人ね …… 」で、俳優たちは次のチャンスにつながっていく。


まだまだ『仮面ライダー』のコンテンツに頼りたいのなら、東映さん、そろそろ本腰を入れてくださいな。


『フォーゼ』観るべし。

星☆☆☆☆☆。



※《補足》

そうそう、アンガールズの田中卓志も《フォーゼ》にレギュラー出演していた。


芸風そのまんま、皆に 気持ち悪がられる 教師役である。(気持ち悪がられながらも笑いあり)


でも、こんな田中卓志も最近結婚したという。(おめでとう)


やっぱり一括りに10年といっても、色々あるわ~(笑)