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2023年1月30日月曜日

ドラマ 「美空ひばり物語」の《謎》

 




前回書いてみた、このドラマ『美空ひばり物語』について、ある大きな疑問がフツフツと蘇ってきた。


当時も、このドラマは「何だかおかしいぞ~」と思って観ていたものだが、それをやっとこさ思い出したのだ。


父『加藤増吉』(森田健作)が亡くなった後、母『貴美枝』(樹木希林)も後を追うように亡くなってしまう。


この後も不幸の連鎖は続いてゆき …… 

ひばりの七光りで芸能界に入っていた不祥の弟たち、『加藤哲也』(哀川翔)や『武彦』(布川敏和)も若くして亡くなっていく。


『ひばり』(岸本加世子)は、弟・哲也の忘れ形見で幼い『和也』を養子にするも、そんなひばり自身も思春期に差し掛かった和也を残して、この世から去ってしまった。


ドラマの方もここで終わっている。



現実世界では、残された『加藤和也』が、ひばりの莫大な財産を相続して現在に至るのは皆がご承知のはず。


たまにメディアにも出ているので、この加藤和也の印象は強いと思う。



……… でも、何だかおかしいぞ~


増吉と貴美枝の間には、『ひばり(和枝)』を含めて 4人の子供たちが生まれているはずなのだ。(妾の子供を除いて)


ドラマでは幼少期の姿は確認できても、成人した姿は一切拝めないし、現れもしない。(兄弟たちの死に目にも出てこない)


これがずっと長年の疑問だった。


では、《もう一人いた子供は、その後、どうなったのだろうか?!》


そうして調べてみると、いたー!(ササッとネットで調べられるのだから便利な時代だ)



それが、この方、佐藤勢津子さんである。


《↑ひばりの一つ下の実妹・佐藤勢津子さん》


なんとこの方、令和5年の現在も御年 84 歳で、まだ ご存命 なのだ。


佐藤勢津子さんの事が、ドラマで全く描かれなかったのは、当時、一般家庭に嫁入りして、完全な一般人になっていたから。(まぁ次から次に問題を起こす弟たちがいればメディアには出にくいわな)


だが、ひばりの死後、1993年に歌手として遅咲きのデビューをしている。(一部、マニアックなフアンの後押しもあってらしい)


それにしては、その存在を今でも世間一般にあまり知られていないような。(失礼!私なんて今回調べてみるまで全然知りませんでした)



美空ひばりの生き残った、たった一人の妹なのにね ……



とにかく、いずれは、加藤家の生き字引として佐藤勢津子さんの目線から語られる『美空ひばり』の物語がドラマ化されるやもしれない。



長年の《謎》が、やっと解明してホッ!と安堵。



それにしても、スゲ〜貫禄だ、勢津子さん(笑)

2023年1月27日金曜日

ドラマ 「美空ひばり物語」

 1989年  12月30日。





1989年6月に美空ひばりが亡くなると、半年後の大晦日前には、このドラマが長時間枠をとって突然放映決定。(なんでも、生前にひばりサイドから許可をとっていたのだとか)


国民的歌手《美空ひばり》…… その波瀾に満ちた人生のドラマ化なんてのは特にタイムリーじゃなかった我々世代でも興味津々なところ。


当時、観た感想は、

(ここまでやっても大丈夫なのか?)って心配してしまうくらい、超エグい 内容でございました。


特にそう思ったのが、一卵性親子とまで言われていた、ひばりの母親『加藤喜美枝』の描き方。


この実在した人物を、あの樹木希林が演じるのだからエグくならないはずがない!



口元は実際の加藤喜美枝が少々出っ歯だったように、樹木希林もそれに合わせて常に歯が出ているように、何かしら詰め物でも入れてるような凝りよう。(よ~やるよ)


そうして、ひばりの父親で喜美枝の旦那さん『加藤増吉』役が森田健作



この増吉がひと言でいうなら トンデモない性格 なのだ。

後に数々起こるひばり一家の悲劇は、この《増吉》が元凶だと言っていいくらいである。



「オマエはどうしてそんなに色黒なんだ!」

「このブサイク女が!」

貴美枝と夫婦で、慎ましく魚屋をやっているものの、増吉は言いたい放題で常に罵っている。

オマケに身重で今にも赤ん坊が産まれそうな貴美枝に、手をあげる!足をあげる!


もう、観ていて虫酸が走るくらい最低の男である。(かつての青春スター・森田健作がよくこんな役を引き受けたよ)


さらに 酒癖も悪くて、呑んで帰ってきては、またもや『貴美枝』(樹木希林)に手をあげる増吉。


「母ちゃん逃げてー!」

娘の『和枝(後のひばり)』が父親を押さえつけている間、貴美枝は逃げ出し、降り積もる雪の中、ガタガタ震えながら増吉が泥酔して寝静まるのを外で待っている。


「ブス」だの「色黒」だの散々言われたり、多少の暴力があっても、貴美枝には和枝を含めて4人の子供たちがいる。(?)


(多少気が荒くても、子供たちの為にも我慢しなくちゃ …… あの人が帰ってくるのはこの家だけなんだから …… )

こんな貴美枝の心の声が観ているこっち側には聞こえてきそうだ。(ああ哀れ)



やがて召集令状が増吉の元へ届くと、増吉は町の皆んなの声援と、娘・和枝が歌う♪《九段の母》に見送られて戦争へと行ってしまう。


貴美枝は4人の子供と空襲に怯えながら、増吉の生還を悶々と待つ日々。


そうして戦争が終り、増吉が帰還する報せが入ると、粗末ながらご馳走を作って待っている健気な貴美枝。



だが、待てど暮らせど増吉は帰ってはこない。


(まさか …… )

貴美枝の足は《ある場所》を目指して、迷いもなく一目散に走り出していた。


そこは水商売をしているような、ある女の家。

勝手知ったるように2階への階段を駆け上がっていく。


そこに増吉はいた!


傍らには女が寄り添い、そうして側には産まれたばかりの 赤ん坊 まで寝かされていて!!


貴美枝の姿を見ても、増吉は悪びれている風でもなく、全く言い訳すらしない。

それどころか、傍らの赤ん坊を抱くとあやしはじめたりした。


その瞬間、貴美枝の中の何かが、ガラガラと音をたてて崩れさっていく。


夫への情も何もかも …………



(こんな惨めな想いをするのは、もう嫌だ! 和枝をスターして、私はこんな想いからとっとと抜け出してやる!)


そう決心したのかどうか分からないが、次の日から貴美枝の虎視眈々とした壮大な計画が始まってゆく ……





このドラマ、タイトルこそは《美空ひばり物語》と、うたっていても、もうお分かりだろう。


これは、ほぼ、ひばりの母《加藤喜美枝》の物語なのだ。



この後はご存知のように、幼少の和枝を引き連れて、貴美枝はあちこちの慰問公演へと出向いていく。


それにともない、利発な和枝の才能はメキメキと頭角を表していくのだ。


こんな和枝の才能に惚れ込んだ敏腕マネージャー『福島通人(つうじん)』(夏八木勲)は、貴美枝に頼みこんで「是非、私にマネージメントさせてくれ!」と申し込んだりする。


その見返りとして、「最近じゃ、うちの人(森田健作)、私に触ろうともしないんだから …… 」とブツブツ言いながら、福島にヨヨヨっと迫ったりする貴美枝。




その後、貴美枝と福島が男女関係になったかどうかは、さすがに描いていないが、それでも、そんなモノを匂わすようなドギツいシーンである。(コンプライアンス的には「大丈夫なのか?」と観てるこっちがハラハラしてしまう)


やがて、当時のスター『川田晴久』(五木ひろし)から《美空ひばり》の名称を頂いた和枝は、そのままスター街道まっしぐら。


幼少期から少女『美空ひばり』(岸本加世子)へと成長していく。




岸本加世子がひばりを演じるのはドラマも1時間以上を過ぎてから。


その間、折に触れては、ひばりを演じるのに対しての抵抗や葛藤をノンフィクション形式ではさんでいる。



そりゃ、天下の《美空ひばり》を演じるなんて誰もが出来るわけじゃないし、本音は嫌だったろうよ。



それでも一生懸命演じている岸本加世子。


ただ難を言うなら、歌っているシーンで、ひばりの声の吹き替えはしょうがないにしても、この人《所作》がダメなのだ。


全神経を張りつめて、

「このフレーズでは目線の配り方を変えてみよう」とか、

「首をかしげながら微笑んでみようか」とか、一曲のうちに様々な表情をみせてくれるのが、実際の《美空ひばり》なのだ。


ただ「口パクで、フリを真似しとけばいいい」ってモノじゃない。


手を伸ばした指先にまでも、全神経を注いでいる、それが天下の《美空ひばり》の歌い方なのだから。(まぁ、フォローするなら岸本加世子もドラマ部分は良くやってるとは思うが)



岸本加世子の《ひばり》はギリギリ平均点か。

それよりも樹木希林の演じた《加藤喜美枝》にこそ感嘆したドラマである。



この後、ひばりがスターダムにのし上がると、あれだけ親身にマネージメントしてくれた『福島』(夏八木勲)を簡単にバッサリ切り捨てる非情な『貴美枝』(樹木希林)。


今や魚屋をやめて(スターの父親が魚屋なんて無理)豪邸暮らしの『増吉』(森田健作)は、ちっとも幸せそうじゃない。


成長した他の子供たちは、ひばりの稼ぎで充分すぎる小遣いを与えられて家にはいないし、ひばりと貴美枝は年中仕事で家にも帰ってこない。


豪邸で常に一人ぼっちの増吉。


そんな増吉が結核で倒れて亡くなっても、全く顔色さえ変えない貴美枝。


今まで増吉がやってきた事の自業自得とはいえ、貴美枝の非情さは一貫している。


「男なんかに頼らないし、媚(こび)もしない。期待もしない!」

「男は常に裏切る生き物なのだから!」

長年の苦労や経験がこんな貴美枝を形成したのだから、もはや達観の域なのだ。


こんな貴美枝は、ひばりが『小林ア●ラ』(陣内孝則)と結婚したいと言い出すと、もちろん大反対する。(そんな貴美枝の反対を押し切って結婚に踏み切っても、やっぱり即離婚)


母・貴美枝との《共依存》は断ち切れない。


案の定、貴美枝は「それ見たことか!」と腹で思いながらも本音は口にせず、

「アンタは芸事をするために生まれてきたのだから!」と、ひばりを叱咤激励していく。



恐ろしいねぇ~、怖いねぇ~


自分のエゴを押し通す為なら、どんな事でもしてしまいそうで。(ホラー映画の上をいくような怖さである)


でも、こんな女に誰がしてしまったのか?(増吉、お前のせいだろーがよ!(笑))



それを演じる樹木希林は、これまた恐ろしすぎる怪演。


なんにせよ、昭和が終わる前、こんなドラマがあった事は、貴重な歴史として記憶にとどめておくべきなのかもしれない。


星☆☆☆。


※尚、このドラマは、その後、上下巻VHSビデオとして発売された。(さすがにDVD化はされていない)

興味ある方はどうぞ!

2023年1月12日木曜日

人物 「M I Q(ミク)」

 活動期間(1982年より〜)





以前の芸名は『M I O(ミオ)』だった。

2001年に現在の『M I Qミク)』に改名している。


見た目似ているからといって、間違っても藤山直美さんや、山村紅葉さんじゃないので、そこんとこヨロシク。(笑)



M I Qさんは、その道では名の知れたソウル・シンガーだ。

そうして、有名なアニメ・ソングをいくつか歌っている。



有名どころでは80年代のロボットアニメ、『聖戦士ダンバイン』や『重戦機エルガイム』のオープニング&エンディング曲。(その前の『ザブングル』の挿入歌がデビュー曲だ)


特に代表曲といえば『ダンバイン』のOP、『ダンバイン、とぶ』だろうか。



♪オーラバトラー、ダンバイン!オーラシューター、ダンバイン!アタック!アタック!アターック!俺は戦士ぃぃー!!


女性の歌う歌詞に『』って …… (笑)

当時は、パワフルに歌いあげる『M I Q(当時 M I O)』さんに、歌詞さながら、周りを覆うような圧倒的な巨大オーラを感じたものだった。



だが時代はまだ80年代 …… 


アニメ・シンガーは、他のジャンルを歌う歌手たちよりも、かなり見下げられていた時代である。(令和の今でも、その名残りはある)


アニメ『キャッツアイ』の主題歌を歌う事になった杏里も、当時は「アニメ主題歌なんて歌いたくないー!」だったらしいから。(本人の意向とはなしに、コレが蓋をあけてみれば大ヒットしてメジャーの仲間入りするのだから、世の中分からん)


映画『マクロス』の主題歌『愛・覚えていますか』を歌った飯島真理にしても、しかりである。


まぁ、コレは特例中の特例であって、確かな歌唱力と楽曲に恵まれても、歌う場さえ満足に与えられない …… そんなアニメ・シンガーが山の数ほど沢山いるのだ。


昭和が終わって、平成が過ぎてもアニメ・シンガーが主導権を握るなんて世は中々やってこない。(ほんの数曲に光があたったくらいだ)


日本には、こんなに多くの名シンガーがいるのにね ……


ただ、令和になる少し前から、個人でも持てるようになった《You Tube》が出来て、発信の場が広がったのは、とても良かった事かも。


このM I Qさんも、もちろんYou Tubeチャンネルを持ってらっしゃる。


そうして、たまたま、このチャンネルを最近見つけて驚いた(⁠´⁠⊙⁠ω⁠⊙⁠`⁠)⁠!ことがあった。



皆さんは 前野曜子 さんという歌手をご存知だろうか?



前野曜子さんは《ペドロ&カプリシャス》の元メンバーで初代ボーカリスト。

その昔、『別れの朝』を大ヒットさせた有名な御方である。


ペドロ&カプリシャスはメンバー・チェンジを次々繰り返してきたグループだ。

その後に、二代目ボーカリストとして、あの有名な高橋真梨子さんが参入する。(『ジョニーへの伝言』、『五番街のマリーへ』は超有名)



そうして、脱退した前野曜子さんの代表曲といえばコレ!


アニメ好きの方には、コレを出せばピーーン!とくるはず。


アニメ『スペース・コブラ(1982〜1983年)』の主題歌『コブラ』とエンディング曲『シークレット・デザイアー』を歌っているのが前野曜子さんなのだ。


《↑前野曜子さん》


この主題歌も名曲中の名曲で、一度聴いたら、決して忘れる事ができない。覚えている人はかなり大勢いるはずである。


だが、この曲が出た後、前野曜子さんは突然の入院生活。

長い闘病のすえに、1988年にお亡くなりになってしまったのだった。(享年40歳)


アニメ画面のオープニングではなく、キチンと彼女がステージ上で歌う姿を見たかったが、その夢はついと消えた。



それが、この令和になって再び甦る!



この M I Q さんが、見事な歌唱力で、この《コブラ》を歌いあげて、まるで前野曜子さん本人が、歌っているかのような《コブラ》を再現させてみせたのだ!



嘘だと思うなら観てご覧なされ。


このM I Qさんの歌声で、あの当時の《スペース・コブラ》の映像がリンクして浮かんでくるようである。


彼女は言う。

「前野曜子さんの後を引き継いで、私がカヴァーさせて頂きます」と。


ちゃんと敬意をはらって、リスペクトしているM I Qさん。


もう、ジャンジャン歌ってちょうだいな!

チョー絶品でございます。



それにしても、こういう確かな歌唱力のある人を なぜ?天下のNKは放っておくのかねぇ~(アホ揃いなのか?(笑))


M I Qさんにしてもだが、

日本には、ささきいさおだって、堀江美都子だって、串田アキラだって有名な歌手がまだまだいるじゃないのさ。(水木一郎さんだけは、生前にに出してやりゃよかったのに)


こういう希少な人たちの価値も分かろうとしないで、邪険にあつかってりゃ、視聴率も年々ガタ落ちに下がっていくのは当たり前。(そもそも、年末にケン玉を観たい人が存在するのか?(笑))



2023年の初頭に助言しとく!


これらの歌手で紅の大半を埋めれば視聴率アップは間違いなし!


たぶん皆が喜んでくれて、出し惜しみなく受信料を払ってくれると思いますよ、NKさん。



今回は、コレが一番言いたくて書いてみた次第である。(あ〜、スッキリ)



今宵、彼女の、魂揺さぶる熱唱にふるえて眠れ!(な〜んてね)


おしまい

2023年1月8日日曜日

映画 「スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲」

 1988年  日本。





このblogを始めた初期、連続で書いた『スケバン刑事』シリーズ。

(ん?何か忘れてるぞ…… )って事で最近、やっと思いだした。


浅香唯版の映画を、すっかり忘れておりました。(笑)



「わちは、もう何もかんも分からんようになった!」


ドラマ版、陰との戦いが終わっても『風間唯』(浅香唯)は、まだ高校2年生。

暗闇司令は「卒業まで、後1年あるじゃ〜ないか」と次の仕事を唯に与えていた。


それが『関根蔵人』(京本政樹)が設立した別の機関《青少年治安局》の学生刑事たちと連携して、のさばる不良どもを取り締まる仕事。



だが、その非情なやり方は度を過ぎていて、唯はとうとう我慢の限界を超えて、ブチ切れ。


先程のセリフを吐くと、スケバン刑事の任務を放り出して自主退職。故郷の宮崎にとっとと一人で帰ってしまった!のだ。(ありえない)


こんな唯の身勝手な行動が、ただですむはずもなく ……


唯がいなくなった《青少年治安局》では、「これ幸い」とばかりに本性をみせはじめ、各地でテロ行為を開始する。(テロの犯人を、街の不良たちの仕業と見せかけるなんざ、どこまでも抜かりのない治安局)


そんな唯がいなくなった東京では(しょうがなく)暗闇司令の部下『依田』(萩原流行)が潜入捜査。


テロ計画の入ったフロッピーディスクをかろうじて盗み出すも、敵にやられて呆気なく絶命する。(この映画では、まるで良いとこなしの流行さん)


宮崎でノホホ〜ンと暮らしている唯に、長女の『結花』(大西結花)は、次女の『由真』(中村由真)を側において電話した。


依田の死や『暗闇司令』(長門裕之)の拉致・監禁の情報を聞いて、途端に青ざめる唯。


「唯、わたしも由真も覚悟を決めたわ!」

こんなセリフでも結花姉ちゃんの猛烈な怒りは観ている側にもジワジワと伝わってくる。


「テメェーが《スケバン刑事》の任務を勝手に放り出したから、こうなったんだろうがよぉー!さっさと戻ってこいや!!」


淡々と話す結花に、こんなテレパシーにも似た殺気を感じ取って、唯は慌てて💦上京した。(怖い怖い(笑))


三姉妹は海沿いのオシャレなレストランで合流すると(なぜ?自宅で待ち合わせしないんだろう?)、唯は反省しきり。


「わちは《スケバン刑事》失格じゃ!」

と懺悔の言葉を並べたてている。(よっぽど結花姉ちゃんが怖いんだろう(笑))


そんな場所に青少年治安局のリーダー・『阿川瞳子』(藤代美奈子)が現れると「フロッピーを渡しなさい!」と三姉妹に詰め寄った。



すると、海からロープが飛んできて、あっという間に三姉妹の首に巻き付くと、そのまま引っ張られて海にドボン!(この時点で普通は死んでるぞ)


姉たちもヤラれまくりで三姉妹は散り散りに。


それでも、なんとか無傷で助かった(どこまでも運の良い奴)唯は、『坂東京助』(豊原功補)が束ねる《番長連合》の隠れ家へと、一人だけ逃げ延びるのだが ………



この映画を当時、映画館まで出向いて観にいったものだった。


原作者・和田慎二の逆鱗。

「パートⅢは自分自身の為に、ただ戦っているだけ。《スケバン刑事》が学生刑事である意味を全く理解していない!」


こんな声が視聴者にも届きはじめ、製作側も「なんとかせねば!」と思ったのか、観る前には「《原点回帰》になる!」なんて噂もチラホラと聞こえていた。



で、観た感想、

やっぱり最後まで「《唯》は《唯》のまま」でございました(笑)。



ノーテンキでいて、物事を深く掘り下げて考えた事もない。

天性の運だけで生き残ってきた少女、それが『風間唯』(浅香唯)である。



もちろん、この後は、《番長連合》の力を借りながら、関根蔵人や《青少年治安局》との壮絶な戦いに勝利する唯。(まぁ、主人公ですもんね)


最後には、敵に拉致されていた『暗闇司令』(長門裕之)を助け出して、ヨーヨーを返しながらも、

「最後まで落ちこぼれの《スケバン刑事》じゃったわい」の自虐の言葉がもれている。


でも、(本当に反省してるのかなぁ~、この娘は ……)と、ついつい疑ってしまう。(単にそばで見ていた結花姉ちゃん怖さに、こんな言葉を吐いたんじゃないだろうか(笑))



だって、途中途中が、こんな笑顔ですもんね↓




この映画を観て、《スケバン刑事》の最大ともいえる《弱点》に気づいてしまった私。


暗闇司令が作った、この《スケバン刑事》、桜の代紋入りのヨーヨーを与えたり、敵のいる学校や組織に入る手続きはしてやれても、組織として出来る事はそこまで。



明確な指示を与えることは、一切許されていないのだ。



それはあくまでも、《スケバン刑事》というものが 非合法 だから。



最初から、依田のように

「《青少年治安局》がテロ行為を企んでいる。その証拠を探り出すのだ!」

なんてのも《スケバン刑事》の唯には口が裂けても言えやしない。(言ってしまえば暗闇司令側は、《未成年に、警察内部しか知らない情報を漏洩(ろうえい)させた!》と、のちのち大問題になってしまうからである)




ならば、どうすればいいかというと ……


《スケバン刑事》の方が、(暗闇司令が自分を送りこんだのは、何か深い理由があっての事なのだ!)と 察して、自主的に考えたり、 行動 するしかないのだ!



十代の少女に、そこまでの荷を負わせるのは難といえば難だが、幸運にも《Ⅰ》の斉藤由貴や《Ⅱ》の南野陽子も、それを立派にやり遂げてきたという輝かしい実例がある。



こんな微妙な関係でギリギリ成立しているのが《スケバン刑事》。(ヨーヨーが上手いだけではダメ)



でも、こんな不確かな状況だけで捜査していくなんて並大抵のことじゃないし、誰でもできるようなことじゃない。


スケバン刑事になる為のハードルが上がるのも無理もない話なのだ。




そんな難しい事を、このノーテンキな唯は少しは理解しているのかなぁ~(なんせ、あのキャラクターですもんね(笑))



訳の分からない事にキレて「理屈はもう沢山じゃ!」になってしまうのも、ごくごく自然な事なのかもしれない。(ある意味、前任の二人が優秀過ぎたのだ)



本当に難儀な仕事である、スケバン刑事って ……





ただ、難儀な仕事にはそれなりの見返りもあって …… 


下世話な話、《スケバン刑事》って、未成年でも相当、高額な給料 ✨💴✨を貰ってるはずだ。


非合法な仕事とはいえ、住まい(アパートや一軒家)や生活費、学費、保険料までもキチンと面倒見てくれてるんだから。(その辺りも含めて、風間家では結花姉ちゃんが、しっかり管理してそうだが)



お金を貰ってるなら、もっと、ちゃんとしましょうね、唯ちゃん!



最後にアホな事を書いた(笑)。

スケバン刑事たちよ、永遠なれ!

星☆☆☆。(おしまい)