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2021年10月2日土曜日

映画 「秘密殺人計画書」

 1963年  アメリカ。




なにやら、ここ最近、どうも不思議な力で導かれているような………


昨年から急に、ロバート・ミッチャムバート・ランカスタートニー・カーティスの映画に突然ハマり出し、つい最近、クライヴ・ブルックの『上海特急』や、初めて観たジョージ・C・スコットの『チェンジリング』を大絶賛したばかり。


そうしたら、私の思考を読み解くように、こんな映画が、つい先日レンタル解禁になってるじゃございませんか。



遠い昔、推理作家である都筑道夫先生が絶賛していた幻の映画。


それがこの『秘密殺人計画書』。



この映画の主演が、ジョージ・C・スコットだったのだと今頃になって知る。(何という巡り合わせだ)


オマケに、この映画には、冒頭に並べたてた俳優たちが揃いも揃って、皆、出演しているのだという。(何ということでしょう!)


偶然?必然?

何やら薄ら寒い気がしてきた。(怖っ!(笑) )




英国は、広大な敷地をかまえる豪邸。


そこには、年老いた『グレネール侯爵』(クライヴ・ブルック)と、死んだ息子の嫁である『ジョスリン』(ダナ・ウィンター)、ジョセリンの息子『デレク』(トニー・ヒューストン)が、大勢の召使いに囲まれて、何不自由ない生活を満喫していた。


このグレネール侯爵とデレク少年、よっぽど気が合うのか……二人は、共通の趣味である狩猟で、ワイワイと盛り上がっている。(仲の良い爺様と孫)



そんな豪邸には、作家の『エイドリアン・メッセンジャー』(ジョン・メリベール)と英国情報部員である『アンソニー・ゲスリン』(ジョージ・C・スコット)の姿もあり、二人はゲストとして招待されていた。



やがて爺様と孫、ジョスリンの姿が大広間から消えると、これ幸いとばかりに、メッセンジャーはゲスリンに相談を持ちかけてくる。


「頼みがあるんだ、ゲスリン!この人物たちが、今、どこでどうしているか調べてほしいんだが……」


メッセンジャーが渡した紙切れには、10人の名前がズラズラ〜と書かれている。


まるで意味の分からないゲスリンだったが、「まぁ、取りあえずは調べてみても……」と、気乗りのしない様子で承知した。



だが、それからしばらくすると、メッセンジャーが搭乗した旅客機が上空で爆発するという大事故が起きてしまう。


どうも、搭乗前に手提げ鞄だけを預けて飛行機に乗らなかった不審な牧師がいたようだが……そいつが犯人なのか?!(時限爆弾を仕掛けた?)



唯一の生存者である男が、死ぬ前にメッセンジャーからの遺言を聞いているという。




オマケに、ゲスリンが、メッセンジャーに託された10人を調べてみると、6人が不審な事故死で亡くなっていた。


(こんなに偶然が重なるだろうか? 絶対におかしい………)


ゲスリンは英国情報部に、残りの4人の調査を依頼すると、自らは旅客機の生存者である『ラオー・ルボーグ』(ジャック・ルー)のいる病院へと向かって走る。


(メッセンジャーといい、他の死んだ6人といい……誰かが《事故死》を装いながら殺人を繰り返している!それを何としても阻止しなくては!!)



だが、こんなゲスリンの予想を先回りして、殺人犯(カーク・ダグラス)は、事故死を演出しながら、リストに書かれてある人物たちを、一人一人、順番に葬ってゆく。


それも巧みな変装で近づいて……




こんな感じで進んでいく『秘密殺人計画書』。


ジョージ・C・スコット演じる名探偵ゲスリンが、謎解きする本格ミステリーなのかと思いきや、早々に犯人カーク・ダグラスが変装を剥ぎ取って素顔を見せてしまうので、(アララ…)少々ズッコケた。



この犯人、

なぜ?何年もかけて、こんな手のこんだ《事故死》(殺人)を繰り返しているのか?!」というと、


《戦争中に自分が裏切者だった過去を知る人間を始末したかったから》だという。



じゃ、《なんで始末しなきゃならなかったか?》というと、


犯人は、冒頭に出てきた大金持ち『グレネール侯爵』(クライヴ・ブルック)の実の弟の息子で『ジョージ・ブルーム』(カーク・ダグラス)が、その正体だったのだ。(当然、目的は侯爵の莫大な遺産狙い



全ての証人を始末した『ジョージ』(カーク・ダグラス)は、意気揚々として、グレネール侯爵や家族の前に、素顔で現れるのだ。


「はじめまして…」なんて言いながら、何喰わぬ顔をして。



だが、そこには、正体も目的もとっくに気づいていた『ゲスリン』(ジョージ・C・スコット)がいる。(ヤレヤレ……ここまで頑張ってきたのに。ちょっと浅はかな犯人)



こんな甥のジョージを迎えて、広大な敷地で狐狩り大会が始まると、ジョージは「これを絶好の機会に…」と、またもや侯爵の命を狙おうとするのだが、そうは問屋がおろさない。



先手を打つのはゲスリン。


今度こそゲスリンが、ジョージを罠にかける番なのである。



映画は、こんなゲスリンの大逆転で見事に幕をおろして、中々面白かったです。


でも、

「どこにミッチャムやランカスター、トニー・カーティス、シナトラがいるんだ?!」と思いきや、ENDマークが流れた後に、それぞれが、順番に登場して、ゴムマスクをとっていく。


ジャジャ〜ン!



みなさん、見事に変装していたのでありました!(バート・ランカスターだけは、何となく怪しそうだったが、他は全然分からなかった)



 《↑女装したバート・ランカスター



あ〜、これがカメオ出演って意味だったのか。(それにしても有名な俳優さんたちが、よく引き受けてくれたよ)



監督はジョン・ヒューストン

『マルタの鷹』などでも有名な監督さんである。(このジョン・ヒューストンの実の息子が、デレク役のトニー・ヒューストンなのである)



謎は謎でも、こんな謎のある映画も、一応アリかな?


星☆☆☆☆。


※尚、『上海特急』を観たばかりのせいもあるが、クライヴ・ブルックの変わりように一番驚いた。(なんせ、《アレ》が《コレ》になるとは …… ツルツル頭のシワシワおじいちゃんも可愛いけどね (笑) )