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2021年7月27日火曜日

映画 「ディスクロージャー」

1994年 アメリカ。




『ディスクロージャー』って何?と思っていたら、《情報公開》の意味らしいのだ。


てっきり、この映画の主題《逆セクハラ》にそった意味だとばかり思っていたら、とんでもなかった。


公開当時、この映画はスルーしていた……


と、いうのもマイケル・ダグラスは好きでも、この手の映画には、いささかウンザリしてきて、食傷気味になっていたのだ。(「またか」って感じ)


『危険な情事』、『氷の微笑』と観てきて、今度はデミ・ムーアを相手に逆セクハラの話。


「マイケル・ダグラスもよくやるよ~」って思ったくらいだ。



今回、初めて観てみると、マイケルとデミ・ムーアのお色気シーンはあっても、映画の中ではほんの一部。(「アレ、こんなもんで終わり?」と少々肩透かしをくらった感じ)


デミ・ムーア演じる『メレディス』が副社長としてやって来て、強引に妻子ある『トム・サンダース』(マイケル・ダグラス)にSEXを強要するのだが、デミ・ムーアは脱がないし、胸すらも見せない。


トムのズボンのジッパーを下ろして、興奮しかけるトムが、土壇場で理性を取り戻して、「やめろー!」と断る。


「あたしに恥をかかせて、許さないからーー!!💢」


悪鬼の如く怒れる『メレディス』(デミ・ムーア)は、部屋を出ていくトムの後ろから、金切り声をあげて叫んでいる。


逆セクハラ、SEXYシーンなんてのも、こんなものである。



その後は、ドロドロの逆セクハラ裁判をおこすトム。


迎え撃つメレディスは、

「彼こそが、逆に乱暴なことをして襲ってきたんです。とても怖かったわ~💧」

なんて、イケしゃーしゃーと言ってのける。


女性である事の立場を利用して、非力さをアピールすれば、断然、自分の勝ちと思いこんでるメレディス。

トムには圧倒的に不利な裁判と思えたのだが……



「メレディスさん、これは何ですか?どういう事です?!」


何と!二人のあの夜の会話が、偶然にも録音されていて、それをトムの友人が持っていたのだ。


もちろん、メレディスの一語一句、

「あたしを抱きなさいよ!」や「あたしに恥をかかせて許さないからーー!!」なんて言葉が、存分に入っている。


もう、グ~の音も出ないメレディスかと思いきや……


「あたしはSEX好きの女よ!それがどうしたっていうのよ?! あたしは男たちと同じやり方をやっただけじゃないのーー!💢」


もう、開き直りの逆ギレである。


こうして、ホクホク顔で勝訴したトムだったが、話はこれで終らない。



この『ディスクロージャー』は、2部構成になっていて、この映画では、やっと1部が終わったばかりなのだ。



トムが働いている会社『ディジコム社』は、マレーシアに生産工場をおいて、当時としては画期的なCD-ROMプレイヤーの製作に乗りだそうとしていたのだが、作られてくるモノは、どれもこれも欠陥だらけの粗悪品ばかり。


製品は、大手の会社との合併を左右するほどの目玉製品で、開発チームに加わったトムは、このままでは責任をとって自任しなければならなくなる。(一難去って、また一難)


刻々と、製品の《ディスクロージャー》(情報公開)の日は迫ってくる。


この難関をトムは無事に乗りきれるのか………


こんなのが、この映画の本題となる2部なのだ。


けっこう、しっかりした真面目な話だった『ディスクロージャー』。



もちろん、お察しのように、諸悪の根源は、ここでもまたもや悪女『メレディス』である。


マレーシアに自ら出向いて、勝手にコスト削減を命じていたのである。(よ~やるよ)


そして、トムに罪をなすりつけて失脚させようと企んでいたのだ。


だが、そんなトムには、謎のメールを送ってくれて、助けてくれる人物がいる。(誰だ? まぁトムの味方なんだけど)


そんな力を借りて、情報公開の日、トムは重役たちやお偉方が集まる中、舞台の中央に立った。


目の前には、あのメレディスがドーン!と鎮座していて、トムを糾弾しようと待ち構えている。


「この失敗はトム、あなたの責任じゃないかしら?」


「ある人間が、私の知らないところで、勝手にマレーシアに出向いて指示を出したのです」


「誰なの?それは?」


「あなたですよ、メレディス」


「私が?ハハッ、私はマレーシアなんか行ってないわ」


ここでトムの秘書がビデオのリモコンを作動させると、マレーシアで工場見学をしているメレディスの様子が映し出された。


重役やお偉方もビックリ。


「これはマレーシアのテレビ局が撮影したものです」


もう、グ~の音も出ないメレディスかと思いきや、ここでも……


「何よ!それが証拠になるっていうの?! 笑わせないでよーー!💢」

と、またもや逆ギレ。


「メレディス、ちょっと表に出たまえ……」と社長の『ボブ』(ドナルド・サザーランド)が、そっと外に連れ出していく。



こうして、二段構えでメレディスの嘘を暴き、コテンパンにやっつけたトム。


トムの爽快な勝利で映画は幕となる……。



いや~、この映画、面白いねぇ~、最高でした。


なんたってデミ・ムーアのイヤな女っぷり、負けっぷりが最高!


それをやり込めていく『トム』(マイケル・ダグラス)に胸がスーッとして、久々に爽快感が広がる。



何だか、この映画を観た後、ごく最近、世間を賑わした某女性グラビア・タレントを思い出してしまった。(誰とは言わない。おのおの想像して下さい)


「他人なんて簡単に欺ける」と、高をくくって、自らの策に溺れてしまい馬脚をあらわしてしまう……このメレディスの性格や行動を真似しているくらい、そっくり。


この手合いは、いつか必ずボロを出して自滅してしまう。


第三者的な目を持たず、主観でしか物事を判断できないからだ。


「他人を見くびるなかれ」…… 周りはそれほど馬鹿じゃございませんよ。


4半世紀前の、この映画が、ちゃんと教えてくれてるじゃございませんか。


星☆☆☆☆。

※尚、こんな『トム』(マイケル・ダグラス)でも、たった1つ怖いものがある。


それは夢の中で社長の『ボブ』(ドナルド・サザーランド)にキスを迫られる事。


エレベーターの中で二人っきり。


「トム、君、可愛いねぇ~💖 ん~ん💖」

「ギャアアァーーーッ!!」(大爆笑)