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2020年8月25日火曜日

ドラマ 「熱っぽいの!」

1988年 4月~7月。





大病院の跡取り娘『南条円(まどか)』(南野陽子)は、父親が決めた縁談を嫌って家出した。


「お父様なんか大キライ!!」

自由を、フリーダムを目指して!



書き置きの言葉に、「何がフリーダムや!」と父親はカンカン、母親はオロオロだ。




円が目指した場所は、父親の知り合いで、東京で花岡病院の院長をしている『花岡秀郎(ひでお)』(二谷英明)。


目の前にドドーン!とある病院を見つけて、「ここだわ!」と喜ぶ円。




そこへ緊急オペの患者が運ばれてきた。

医者も看護師たちもバタバタ。



一人の主任看護師『広岡』(高橋ひとみ)が、玄関口にいる円を見つけると、有無を言わさず手を引っ張って、「遅いじゃないの!」と、いきなり怒鳴りつけた。


円は(?、?、?)。


「さぁ、これに着替えて!それにしても派手な格好してるわね!」



あれよ、あれよ、という間にオペ室に連れていかれる円。


「あの~私、違うんです……」

「何が違うのよ!さっさとしてちょうだい!!」



オペの執刀医は南条家の次男で外科医の『南条康』(村上弘明)だ。



そのオペの真っ最中、血を見て卒倒する円。


「何だ?!この看護師は!邪魔だ!さっさと連れ出せ!!」



康の怒声で、気を失ったまま外に連れていかれる円。


しばらくして、婦長の『川上冴子』(梶芽衣子)の介抱で目を覚ますと、円は子供のように泣き出した。


そこへ、院長の花岡秀郎が現れると、安堵したのか、「オジサマ~!」と叫んで、さらに大泣き。



今日から来るはずだったベテラン看護師と間違えられた円。(その看護師は、「や~めた」と言って帰っちゃったけど)



そして、円の家出の事情を聞いた花岡院長は、「うん、うん、……」と優しく慰めながら、当分この家にいる事を許可してくれた。


「両親には私から連絡しておくから安心しなさい。」


花岡の言葉に少しホッ!とする円。


「その代わりに、君、ここで看護師見習いとして働いてみないかね?」


花岡の提案に、少し考えた円。


(やってみるのも悪くないかも ……… 自分は何も知らない世間知らず 。 ちゃんと働いてみせて、実家の父親を見返すのもいいかもしれない!)


円は決心した。(もちろん南条病院のお嬢様の素性は隠して)





住み込みの離れの部屋は、同じ看護師見習いとして学んでいる『森雪子』(工藤静香)と同室だ。


「南条さぁ~ぁん?歳はあたしが下でも、一応あたしが先輩なんだからねぇ~!じゃ、ヨロシクぅ~」


の字眉毛に、の字に垂れ下がる目。

ナース・キャップからは思いっきりバッサバッサ!と四方に広がる奇抜なヘア・スタイル。


そんな『森雪子』(工藤静香)は、鼻高々に挨拶してきた。(こんな不衛生な髪形のナース、今も昔も見たことない(笑))


「はぁ、よろしくお願いします……」



こうして、南条円のナース見習いの日々は始まったのだった………。







こんな風な『熱っぽいの!』第1話だったと思う。(例によって記憶を探り探り書いております)



主演は、もちろんナンノこと、南野陽子嬢。


メディカル・ホーム・コメディーと銘打っているので、医療現場の大変さなんて微塵もないような、ゆるゆるドラマでした。



なんせ、医療よりもギャグ、医療よりも恋愛なのだから。(こんな病院に入院した患者は、たまったもんじゃございませんわ(笑))


主演が南野陽子………それだけの理由で、ただ、二十歳の自分は、熱心に観ておりました。




でも、このドラマ、今考えると出演者たちが豪華絢爛。



ナース群には、先程の婦長の梶芽衣子。主任の高橋ひとみ。(女囚さそり、海槌麗巳 …… まぁ、怖い(笑))


他にも、村上里佳子やら、松居直美やばせばみ山瀬まみ)、なども出てる。(ギャグ要員たちね。先輩ナースなのに、コイツらが看護してるシーンなんて、全く見たことなかった)


あの!所ジョージも、病院に出入りする委託業者(病院食のセールス)として参加。




医者の方は、花岡院長に、二谷英明


その院長には四人の子供たちがいて、女子高生のツンデレで生意気な娘(名前忘れた)。


三男が、チャラい大学生の『花岡優(まさる)』(中村繁之)。


次男が、真面目な外科医『花岡康(やすし)』(村上弘明)。


そして、長男『花岡健(たけし)』(田代まさし)がいるのである。




もう、さっしのいい方はお分かりだろう……




そう、この《田代まさし》が大問題なのである!



このドラマでは、気は優しくて、子供が大好きな小児科医役。

所ジョージとは、ギャグを折り込みながら、ドラマを盛り上げている。


そして、何と!このドラマでは、主演の南野陽子が好きになる相手が、よりによって、この『田代まさし』なのである。


しかも、最後はお互い、相思相愛になってドラマは終了するのだ。



こんな役得がまわってくるくらい、当時の田代まさしは絶頂期だったのだ。(なんせ、南野陽子は当時、スーパーアイドルですぞ)




この後の田代まさしの転落はご存知のとおり。


覚醒剤におぼれて、現在まで何度も再犯で捕まり、塀の中を行ったり来たり………。




このドラマが、ビデオ化も見送られて、いまだDVD化にもならないのは、田代まさしによる部分が非常に大きいのである。



なんで、薬なんかに手を出してしまうかねぇ~。



このドラマの役が、心優しい小児科医役で、ヒロインが惚れる設定である以上、現実との違いのギャップは、とても埋められるはずもなく……。

この先、このドラマがDVD化される事は、まず無いだろうと断言する。




ただ、…………ワタクシめは、このドラマを遠い昔、VHSのビデオ・テープにおさめ、今でも保管しているのだ。(何と!全話!)



ここには記憶を探りながら書いたが、そのうちDVDに変換しようと思っている。


多分、保存状態も大丈夫だと思うのだが、今となってみれば、これはある意味、幸運なお宝かもしれない。



これは、老後の楽しみのひとつ。


もうしばらくしたら、可愛い、ナース姿のナンノをゆっくり楽しみたい!とひそかに考えているのである。

星☆☆☆☆。