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2018年11月26日月曜日

映画 「裸のジャングル」

1965年 アメリカ。






19世紀のアフリカでは、白人たちが、レジャー気分で象牙のために象を撃ちまくっていた。


ガイドの男(コーネル・ワイルド……役名はない)は、ごう慢な白人たちの相手やこの仕事にもうんざりしていた。



(これを最後にしよう………)



でも、それにしても、今日の客は最悪だ。



部族の酋長への貢ぎ物も、ケチって彼ら部族に渡さないし、ここのルールさえ守りもしない。


象牙のないメスの象まで、情け容赦なしに撃ちまくっている。
 
何事もなければよいが………。



だが、その恐れていた事が、とうとう起きた。


部族たちは我慢の限界を越えて、全員で一斉に襲いかかってきたのだ。



太鼓を叩きながら、皆が叫び声をあげ、祭りのように、大ハシャギ。



部族たちの長が、何かの言葉を叫ぶと、白人たちは、その場で、大勢に取り囲まれて、一瞬で縛り上げられてしまった。




そして、世にも残酷な部族たちの《ゲーム》が始まる。



一人は、材木の太い木を両腕にかませ、手足を結ばれ、鳥の羽根を飾られて、ピョンピョン逃げる様を、皆が大笑いでみている。


しばらくして大勢の部族たちが、追いかけてきて、皆で槍で滅多刺しだ。(ヒェー~!)




一人は空気穴のストロー棒を口に噛ませて、棒に縛り上げられて、身体中を土粘土で固められて、グルグルと火にあぶられながら、回されている。(ゲゲッ!!まるでタンドリーチキンのよう………超残酷なシーンで震え上がります)





もう一人は、地面に這いつくばらせて、火で囲まれた円の中に、コブラを置いて、噛みつかれて死んだ。



それを大勢の部族たちが、キャッキャッと大笑いしながら、楽しんでいる。(もう、白人たちを血祭りにして殺すのを、まるで、祭り事のようにして楽しんでいるのに、ゾッ!とします)





そして、いよいよガイドの男の番がきた。



草が茂る平原に連れていかれ、なにもかもを脱がされて、素っ裸にさせられて(フルチン)、解き放された。




全力で走りながら逃げるガイドの男は、もう必死だ。(でも本当に、何も着ていないというのは、こんなに無防備で、頼りないものにみえるモノなんだな…)



そして、しばらく距離が空いてから、一人の部族の男が、槍をもって追いかけてくる。




さあ、人間狩りのはじまりだ!(コイツら、本当に人殺しを楽しんでいるよ)



逃げるガイドの男、そして追う部族の男。



必死に逃げるも部族の男の足は速い。(100m何秒なんだろう?カール・ルイス並みに速い速い!)


距離が縮まると、部族の男は、ガイドの男めがけて、エイ!とばかりに槍を投げた!!


だが、それは、ガイドの男の横を通りすぎて、足元の草むらに突き刺さった。





「もう、闘うしかない!!」


突き刺さった槍を引き抜くと、追ってきた部族の男を、渾身の力で突き刺した。(絶命!)



ガイドの男は、死んだ部族の男から、槍と水筒、そして腰布を奪った。(さすがにフルチンじゃ心もとないものね)



それを、遠くから見ていた(視力がいい)違う部族の男が、また追いかけてくる。



ガイドの男は、逃げる!


ひたすら逃げ続ける!!



豹やライオン、蛇などの獣に囲まれたジャングルの中を、延々追ってくる部族たちと闘いながら……。





ずっと気になっていたこの映画をやっと観れた。

面白かった。



『トラウマ映画館』で紹介されて、タイトルとあらすじだけは、知っていたのだが……。



主演のコーネル・ワイルドも、はじめて観たと思ったら、この人、チャールトン・へストンの『地上最大のショウ』に出てたんですね。


サーカスの映画で、遠い昔に観た記憶がありました。(でも記憶がうすらボンヤリで、ところどころ忘れていますが……)



そして、このコーネル・ワイルドの事をすこし調べてみたら、この『裸のジャングル』では、主演以外に、監督も製作もされていました。


多才な人だったんだな。(1989年に77歳でお亡くなりになってますが)



他にも主演・監督・製作で何本も映画をつくっているらしくて、『ビーチ・レッド戦記』『最後の脱出』とかあるらしい。(観てみたい。でもDVDになってないけど)





この『裸のジャングル』で観るべきは、このガイドの男の適応能力。



自分の命を守るために、部族たちと闘いながら、強くなり、少しずつ身を守る術を身に付けていくところ。


弓矢も上手くなって、火のついた矢を放って、敵と応戦したりもする。



槍も上手くなって、敵を一発で仕留めていく。





人も、あまりにも追いつめられると、その環境に順応というのか、適応するように進化していくものなのです。(なんか妙な感心してしまった)



そして、こんな残酷な部族たちにも、一応はある《土地のルール》。




見事、逃げおおせた男は、白人の仲間達の元へたどり着く。



それを見た部族たちは、それ以上、追う事を諦めて、

「あいつの勝ちだ!」と認めた上で、そのまま去っていくのだ。




これにて《 人間狩り 》のゲームは終了なのである!(まぁ、残酷な命がけのゲームなんだけどね)




それにしても、こんなに字幕が少なくて、それでも意味が分かりやすい映画なんてのを、初めて観たかもしれない。




やっぱり、《言葉ってのは壁をつくる》って事なんだろうかねぇ~ ………。



そんな事を色々、考えさせる映画でもありました。

星☆☆☆☆☆。