1986年、10月。
この岩崎宏美さんのバックに映っているのは、正真正銘、本物のエジプトにあるという《ピラミッド》&《スフィンクス》。
1986年といえば日本はバブル絶頂期。
岩崎宏美さんは当時、外務省からの特命で親善大使となり、エジプトを訪れた。
そうして、日本人としては初のエジプト野外コンサートを行っている。
こんな砂漠に、ステージを組み立て、大勢の人が座れるような会場を作り、音楽機材を運び入れてライブを行ったんだから、いかに当時、日本の経済力が凄かったのか、今更ながらに驚嘆してしまう。(機材の電気や照明でも巨大なバッテリーが必要だったはずだ)
DVD収録曲は、こんな感じ。(30周年の記念boxに、このエジプト・ツアーが収められている)
1∶オープニング
2∶OVERTURE
3∶ロマンス
4∶カサノバL
5∶姫ごころ
6∶INSTRUMENTAL
7∶夢狩人
8∶夜のてのひら
9∶好きにならずにいられない
10∶MAIS EL RIM
11∶決心
12∶星に願いを
13∶未来
14∶聖母たちのララバイ
これで約1時間弱のライブである。(これが完全版かどうかは分からないけど …… )
このライブに至っては、『ロマンス』、『好きにならずにいられない』、『聖母たちのララバイ』しか、私は知らない。(すみません、不勉強で)
だけども、どの曲も抜群の安定感で聴かせてくれている。
そうして、やっぱり、圧巻なのがラストを飾る名曲『聖母たちのララバイ』。
日本語が分からないエジプト人たちも、《なにか》を感じ取ってくれてるのか …… ステージ上の岩崎宏美に釘付け。誰も騒ぎたてる者はいやしない。(本当に歌の力って凄い!)
……… でも、こんなライブが出来たのも岩崎宏美が最初で最後なのかもしれない。
エジプトといえば昼間は灼熱の暑さでも、夜は凍えるような寒さとなる。そのくらい寒暖差が激しい土地なのだ。
何かの記事で読んだのだが、岩崎宏美さんも、このライブの前日までは体調を崩されて大変だったとか。(なのに当日は奇跡の出来ばえ✨)
オマケに治安の問題も大いにある。
それから11年後の1997年、エジプトではルクソールにおいて《無差別テロ事件》が発生しているのだ。
イスラム原理主義の過激派テロリストたちが、約200人の観光客たちに向けて 銃を乱射!
62人がお亡くなりになり、その中の10人が日本人観光客だったという …… (恐ろしい〜)
その後も2010年、2019年と度々ある爆弾テロ事件。
『聖母たちのララバイ』の中で、「♪こ〜のまちは戦場だから〜、男はみんな傷を負った戦士 … 」なんて歌詞があるが、まさか本当の《戦場》になるとはね。(もちろん、この《まち》とは《都会》のこと。懸命に働くサラリーマンなどを総称して歌っている)
決して戦争をしている戦士を慰める歌ではないのだ。(当たり前だっつーの)
日本人にとっては憧れの国、エジプト。
でも、やっぱりエジプトって国は《遠くにありて、想うモノ》で、ちょうどよいのかもしれませんね。(お粗末さま)