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2022年3月3日木曜日

映画 「女必殺拳」

 1974年  日本。




その昔、

人気絶頂のアイドルだった石野真子長渕剛が結婚したが、しばらくすると、即、離婚した。


離婚の原因は長渕剛のDVとか、当時は言われたものだ。


その後、しばらくして、ドラマと映画の共演で、長渕剛はあろうことか、あの!志穂美悦子と結婚する。


で、案の定、カッ!となると、タチの悪い長渕剛は、志穂美悦子との夫婦喧嘩で同じように手を上げようとするのだが ………


今度ばかりは相手が悪すぎた!


殺気を感じた志穂美悦子は、うまくかわすと、長渕剛の頭部に思いっきり、鮮やかな回し蹴りを叩き込んだのだ!


白目をむいて、その場にぶっ倒れる長渕剛。


青ざめた志穂美悦子は、泣きながら師匠である千葉真一に電話してきたという。


「どうしよう …… 長渕を殺しちゃった …… 」(笑)


もちろん、長渕剛は死んでなかったのだが。(笑)


「女なんて、力づくで従わせればいい!」

という、おバカさんな長渕剛の考え方はガラガラ …… と、もろく崩れ去る。(その後、マッチョに鍛えはじめた長渕剛は、この出来事の反動なのか?)



このエピソード、超有名らしくて、あちこちで見かけるのだが、ほぼ事実なんだろう。


それにしても、彼も結婚するなら相手の過去を多少なりとも調べておくべき。


この映画、『女必殺拳』の志穂美悦子を観れば、並の男なら、ヘタな喧嘩を仕掛けるなんて絶対に思わないはずなのだから ……… 。



ストーリーの方は至って簡単。(今観ると、やや陳腐かな)


香港警察・麻薬Gメン『李万青(り まんせい)』(宮内洋)は、日本は横浜にある、キナ臭い会社《セントラル貿易》に単独で潜入捜査をしていたのだが、ある日を境にプッツリ!連絡が途絶えてしまった。


妹の『李紅竜(り こうりゅう)』(志穂美悦子)は、兄と同じように少林寺拳法の使い手だ。


あらたに香港警察より命(めい)を受けて、日本へとやって来たのだ。


「兄さんは必ず私が探し出してみせるわ!」

そんな紅竜の前に次々と現れる 敵!敵!敵!!


「ウォオオーリャアーー!!」


日本での仲間たちの力を借りて、紅竜の必殺拳が極悪非道な敵たちを血祭りにあげていく ………




簡単に説明するとこんな感じである。


もちろん、師匠である千葉真一も『紅竜』(志穂美悦子)の強力な助っ人として参戦している。


「俺も万青くんの行方を探してるんだ」


兄、万青の盟友で、少林寺拳法・東京道院の有段者『響征一』(千葉真一)は、紅竜に協力を約束してくれた。(この東京道院の門下生たち、白い道着に《卍(まんじ)》のマークが入っててるという、なんとも珍妙な集団である(笑))



「紅竜さん、私も協力するわ!私、万青さんに憧れて少林寺拳法を習いはじめたのよ」


響征一と同じ東京道院の『早川絵美』(早川絵美)も参戦。(早川絵美さんは、『秘密戦隊ゴレンジャー』のアカレンジャー役で有名な誠直也さんの現奥さまである。自身も特撮ヒーロー『カゲスター』のヒロイン役『ベルスター』で大活躍なさいました)



悪の巣窟《セントラル貿易》は、見るからに人相の悪い奴らばかり。


麻薬ばかりか、バラエティー豊かな暗殺集団を束ねている。(この風体だけで生ぬるい潜入捜査無しに、一斉検挙できそうだが(笑))



おや? の画像の、一番左側の男の顔 ……

この顔つき、どこかで ………



大葉健二さんじゃございませんか!!


この大葉健二さんも特撮ヒーローで大活躍した御方である。(『宇宙刑事ギャバン』のギャバン役、『電子戦隊デンジマン』のデンジブルー役などなど …… )


映画にはクレジットさえされないような端役だが、このインパクトのある顔は忘れようったって忘れられませんがな。


でも、端役ゆえ、『紅竜』(志穂美悦子)にアッサリ倒されちゃうけど(笑)。



それにしても、往年の特撮ヒーローフアンには、たまらないような面子がジャンジャン揃っている。


今となっては稀少価値のある映画なのかもしれない。


宮内洋さんは、『ゴレンジャー』のアオレンジャー役や『仮面ライダーV3』で超有名だし、

主演の志穂美悦子にしたって、『キカイダー01』のビジンダー役してますもんね。




そして、やっぱり主役である志穂美悦子

その闘い方は、今観てもモノ凄い!


やっと巡り会った兄、『万青』(宮内洋)が、ズタボロで殺されてしまうと、とてつもない怒り💢を爆発させる!



《回し蹴り》や《飛び蹴り》は当たり前。


倒れた敵には、硬い拳で 連続パンチ👊の猛スピード・ラッシュ!!


「ダダダダダダダダ、ダーーーッ!」(ヒィーーーッ!どんだけ打ち込むの?!)



トドメには、全体重をかけながら相手を容赦なく 何度も 踏みつける🦶。(ダン!ダン!ダダダダーーーンッ!)



もう、後は実際に観てちょうだいませ。(エグい闘い方は、確実に鳥肌モノですから😱




こんな風に、女ながらも男たちをバッサバッサと倒してゆく志穂美悦子は、たちまち大人気。


男受けは少々悪くても(だろうな)、当時の女性たちをスカッ!とさせては、憧れの眼差しをおくられていたそうな。



その後、『女必殺拳』はシリーズ化される。


『女必殺拳 危機一髪』、『帰ってきた女必殺拳』、『女必殺五段拳』と4作が作られた。(ストーリーは行方不明になった《兄》が《高校の親友》になったりしていて、ほぼ一作目と変わらない)


それでも、「どんな風に面白くしようか?」という、当時の熱気が伝わってきて、面白さは充分。


超オススメしとく。

星☆☆☆☆☆。


※尚、結婚と同時に引退していた志穂美悦子だが、子育ても終わった今、フラワー・アレンジメントの分野で、ごく最近メディアに現れはじめた。


今じゃ、空手を習いだしてムキムキになった長渕剛相手に負けてしまうだろうと思うが、トンデモない!


見よ!このお姿を!!



花に真剣に取り組む姿は、フラワー・アレンジメントというよりは、《フラワー拳法》なるモノに挑んでいるみたい。(笑)


今でも、太い首、頑健な肩、立派な腰周りは健在だ。


コリャ、喧嘩になれば今でも志穂美悦子の完全勝利?かな?


そんな期待を抱かせてくれる、ある日の《ひとコマ》なのである。