ホーム

2021年8月3日火曜日

映画 「フォーリング・ダウン」

1993年 アメリカ。




なんだか、ここ最近、数十年ぶりに観た『危険な情事』から始まって、『氷の微笑』、『ダイヤルM』、『ディスクロージャー』と、ドンドンとマイケル・ダグラス熱が高まっている自分。(こんなのは自分だけだろうが)


「こうなったら、とことん、マイケルにどっぷりハマろうじゃないかー! エイエイ、オー!!」


と思って今回は、キレまくりのマイケル・ダグラスが楽しめる『フォーリング・ダウン』である。


でも、この映画、主役はマイケル・ダグラスだけじゃなくて、ロバート・デュヴァルとのW主演。



ある日、1か月前に会社を解雇になっていた『ウイリアム゛Dフェンス゛フォスター』(マイケル・ダグラス)が、真夏の熱さから、とうとう自制心がぶっ飛んでプッツンする!(今の真夏の時期、気持ちは、なんとなく分かる気がする)


渋滞の中、車を乗り捨てて、別れた妻子のいる家を目指して、ひたすら歩き出すフォスター。



もう、一方は、今日で警察を退職しようとしている『ブレンダガスト巡査長』(ロバート・デュヴァル)。


神経症でヒステリックな妻についてやる為に、早めの退職を決めたのだ。


そんなブレンダガストの気持ちも知らないで、ひっきりなしにかかってくる妻からの電話。


「いつ帰ってくるの? まだ帰らないの?!⚡」(あ~あ、うるさいババアだ)



こんな性格も境遇も違う、フォスターとブレンダガストの二人……


フォスターが行く先々で事件をおこすのだが、元々有能なブレンダガストは、今日で退職というのに、

「これは同一人物の犯行だ!」と俄然、興味を持って自ら捜査に首を突っ込んでいく。(同僚の女性刑事サンドラも協力して)


その間も「まだ帰って来ないのー?! キィーッ!!⚡」

っていう、ヒステリー妻からは、矢の催促の電話が鳴りっぱなしだが。(本当にウザいババアだ)


こんな二人が、徐々に距離をつめていき、最後の対決になっていく………




こんなのが『フォーリング・ダウン』の簡単な筋書きなのだが、公開当時は《キレまくりのマイケル・ダグラス》だけにスポットが当てられて、『フォスター』(マイケル)が、メチャクチャやらかす度に、「ヒェーッ!」とか「ゲゲッ!」とか騒いでいただけだった。



でも、こうして数十年ぶりに観てみると、何だか、昔とは、だいぶ違う印象である。



この映画の舞台は、ほぼ《サンタモニカ》で撮影されている。


サンタモニカといえば、桜田淳子の《サンタモニカの風》。


♪来て、来て、来て、来て、サンタモニカ~♪(知ってるかな~?)


サンタモニカといえば、世界でも観光都市として有名な場所なのだ。



それが、なんという事でしょう!(突然、『ビフォーアフター』の加藤みどり風)



『フォスター』(マイケル)が、コーラを買いに雑貨屋に入れば、水増し料金を上乗せしようとしてバットを振り回す韓国人がいる。(逆にフォスターにバットを奪われて店は粉々に破壊されるが)



今度は、フォスターが野っ原で休憩してればチンピラどもが、ナイフをちらつかせて「金を出せ!」。(バットでボコボコにされて、逆にナイフを奪われてしまうチンピラ)


またまた、今度は、そのチンピラたちが、仲間を集めてボストンバッグ一杯に機関銃やら兵器をつめこんで、さっきの仕返しに車でかけつけて、フォスターめがけて機関銃を乱射する。(馬鹿なチンピラの弾は一発も当たらず、車は衝突事故。その隙にフォスターはボストン・バッグ一杯の武器をゲット!)



ほんと何なんでしょうか、これ?


フォスターも大概、酷いんだけど、いちいち突っ掛かってくる連中はもっと酷い。


この町には、全くのクズみたいな連中しか住んでいないんでしょうか?( 笑 )



この後も、バーガー屋は、写真とはまるで違うような潰れたバーガーを出したり、

靴屋は警察無線を傍受しながら、ゲイのカップルにわめき散らして、裏では大量の兵器をコレクションしている。



変な人間しか住んでいない町……それが《サンタモニカ》。


一歩、歩けば変な人間にぶち当たる危険な町……それが《サンタモニカ》。



これ、当時、観光都市《サンタモニカ》のイメージ・ダウンにならなかったのかしらん?



こんな町で警察だけは、まともな人間が揃っていると思いきや、『ブレンダガスト』(ロバート・デュヴァル)と女性刑事サンドラ以外は、まるでアホな能無しの刑事ばかりときている。



ダメだ!この町は!


こんな町に住むものじゃないし、観光なんてもっての他である ( 笑 ) 。



この映画が公開された当時、実際に住んでいた方々からは、何の苦情もなかったのだろうか?


「こんな映画じゃ、あんまりだ!」とか、「これじゃ、サンタモニカのイメージ・ダウンだ!」とか。



それとも「映画はフィクションなのだから…」と、常に冷静にド~ンと構えて寛大だったのかしらん?



なんにせよ、映画のクライマックス、海の上にある長い桟橋の先、この円形の店は有名になったろう。

『フォスター』が妻と子供を人質にとりながら、『ブレンダガスト』が単独で立ち向かう最後の対決の場所……


「ギャー!あの有名なマイケル・ダグラスが、うちの店で撮影してくれたー! ラッキー!」ってのが、当時の人々の本音だったのだろうか。



だとしたら、やっぱり映画スターって凄い!

その人気だけで、映画に対する不満や陰口すらも封じ込めてしまえるなんて只者じゃないわ。



「これが、映画スターってものさ……フフッ」


撮影しながら、町の人々にサインをねだられるマイケル。

そんなマイケルの余裕ぶっこいた表情が目に浮かんでくるようである。


星☆☆☆☆。(マイケルよ、君こそスターだ!)