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2021年3月28日日曜日

ドラマ 「燃えろアタック」

1979年~1980年(全71話)。




北海道の大自然で育った『小鹿ジュン』(荒木由美子)は、牧場を経営する父親、『幸太郎』(小林昭二)と二人暮らし。


物心ついた時から、母親の姿はなく、死んだものと聞かされていた。(家には母の写真すらない)

河川敷にある石像を、勝手に母親の墓だと決めて祈りを捧げるジュン。


そんなジュンを幸太郎は4歳の時からスパルタ教育で猛特訓してきた。


ひたすら馬にあおられての猛ダッシュ!


「走れ!走れ!!どこまでも走るんだー!!」(これ、今観ても凄い絵面である)


大草原の中を懸命に走るジュン。



お次は、高い木にぶら下げられたくす玉割り。


「それっ!それっ!」いくらジャンプしても届かないくす玉。


(父さんは何でこんな特訓を私にさせるのかしら……)

疑念に思いながらも、もはや日課になっていた特訓を、ジュンはひたすら続ける日々だった。



「このくす玉が割れた時、お前の新しい人生が開ける!」

幸太郎のこんな言葉に、ジュンは訳もわからずに従うのだが……



そして、ある日、とうとう、くす玉に手が届き、「パカッ!」と割れたくす玉からは、ヒラヒラと1枚の紙が、ジュンの手元へと落ちてきた。


紙に書かれていたのは、たった一言の文字……

《東京》


「父さん、これは……?」


その紙を持って父親に差し出すと、幸太郎は、

「転校手続きは済ませてある!お前は東京の《白富士学園》に転校するんだ!」

と言い放った。(ジュンでなくても、観てる方も、まるっきり訳が分からない)


「白富士学園?……」


「そこは母さんが通った学校だった」


「母さんの……?!」


(母さんの通った学校……もしかして、そこに行けば母さんの事が何か分かるかもしれない……)


そんな母への想いで、東京にいる叔父夫婦の家で世話になりながら、白富士学園への転校を承諾したジュン。



だが、東京に着くと待っていたのは白富士学園の教師でバレー部の顧問『速水大造』(小瀬格)だった。


「君の母さんは、この白富士学園ではバレー部のエース・アタッカーだった。小鹿ジュン君、君は今日からバレー部に入部するんだ!」


「私がバレー・ボールを……?!」


母親の手がかりを掴むために、せっかく東京に来たのに、まるで騙し討ちのように、ジュンは、あれよあれよという間に体育館に連れて来られた。(なんか、もうジュンの意志なんて関係なく、無理矢理バレー・ボールをさせる気満々の周囲の人々に、ちょっとドン引きする)


体育館では、大造の息子でバレー部のコーチである『速水大介』(南條豊)が、部員たち相手に鬼の特訓中。


そんな大介はジュンの姿を見るなり、


「君が噂の小鹿ジュンか……君は今日からバレー部員だ!俺のボールを受けてみろ!!」と、訳の分からないジュンにボールをぶつけて猛特訓を仕掛けてくるのだった………。



こんなのがスポ根ドラマ『燃えろアタック』の第1話である。


こうして、文章におこしてみると、本当に「何だコレ?」ってな感じで、クェスチョン・マーク???がズラズラ~と並んでしまう。


でも、映像で観ると、こんな違和感も吹き飛ぶほど、夢中になってしまうのだから、アラ!不思議なのだ。



なんせ、主役の荒木由美子さんが超可愛かった❤❤❤。


丸いオデコをのぞかせたロング・ヘアー。

耳打ちの両サイドをリボンで結んでいる。


ホリプロ所属で、歌では残念ながらヒットに恵まれなかった荒木由美子さんだったが、このドラマで大人気!


ドラマは大ヒットして、なんと!1年半のロングランで放送されたのだった。(今じゃ考えられない)



ドラマは、頑なにバレー部入部を拒否していたジュンの葛藤からはじまる。(当たり前だ。ジュンじゃなくても、こんな騙し討ちに東京に連れて来られて「さぁ、バレー・ボールをしろ!」なんて、そうそう納得できるものか)



そんなジュンを、速水大造と大介親子は、うま~く、《アメ》と《ムチ》を使ってバレー・ボールに引き込もうとする。



《大造》「これはお母さんがバレー部で使っていたシューズだ。君もこれを履いて頑張るんだ!」


《ジュン》「母さんが使っていたシューズ……」


母親の写真や持ち物すら、今まで見た事がなかったジュンは、手渡されたシューズを抱きしめて感無量。


「私、バレー部で頑張ります!」(ありゃ~、アッサリ。大造はニンマリ)



《大介》「走れ!飛べ!特訓だ!!」


《大造》「もし、今度の試合でレギュラーになれたら、君にお母さんの写真を見せてあげよう」


ジュンの母親への情愛をエサに、大造はこんな事を言い出すのだから、もう、ジュンも死にもの狂いで特訓に耐えて、レギュラーの座を獲得する。



そして、「さぁ、念願の母さんの写真だ」と大造からアルバムを渡されたジュン。


そこにあったのは、ネット上でスパイクを打つ瞬間を捕らえた、新聞の切り抜き写真。

白黒で粗い画像で、顔のボケた写真だが、初めて見る母親の写真に、ジュンは嬉しくて涙する。



こんな速水親子のマインド・コントロールにのせられて、ジュンはドンドン、バレー・ボールにのめり込んでいくのである。(なんか今更だけど、怖いドラマだね、これ (笑) )



やがて、バレー・ボールといえば《魔球》という展開はお約束か。



スクリュー・サーブやUFOサーブなんてのも飛び出してくる始末。(UFO?)


ジュンも「何か必殺技を考えなくては……」と焦りはじめてくる。



そんなジュンの前に、娘の危機を救うため、とうとう母親が現れた。(あら~母親生きていたのね)


ただ、母親とは名乗らず、名前を『小杉百合子(本名:小野民)』(河内桃子)として現れ出た母。


バレー・ボールのエキスパートとして百合子は、《必殺スパイク》をジュンに伝授する。


高いトスを上げると、空中に飛び上がり、突然、前方宙返り?をする百合子は、そのままボールを、コートに激しく叩きつけた。



それを見て呆気に取られるジュン。


百合子は近づくと、必殺技名を、

《ヒグマおとし》よ!」

と教えるのである。(ヒィーッ!!( ̄▽ ̄;))



《ヒグマおとし》を伝授されたジュンは、それからは水を得た魚のように大活躍!!



それからは、《ヒグマ返し》やら《Wヒグマおとし》のバリエーションが、次から次に出てくる始末。



そうして、ついに、最大級の必殺技がやってくる。



コマのように回転🌀したり、きりもみ回転🌀しながらスパイクを打つという、もはや人間ばなれした超必殺技。


《ハリケーン・アタック》

(これは見た目的にもどうなんだろうか? こんなに激しく回転する意味が、今観ても、まるで意味不明である)


こんなハチャメチャ魔球が飛び出しながらも、「いつか、きっと会える……」と信じるジュンと母親の絆を縦糸に、ドラマは最高潮の盛り上がりを目指して進んでいくのである。



こんな風に茶化してるけど、あの頃は真剣に夢中で観ていたんだよなぁ~。(「私が母親なのよ、ジュンちゃん!」と名乗りたくても名乗れない河内桃子さんの演技に、もう毎回が涙腺崩壊。涙ウルウル💧💧💧なのである)



この『燃えろアタック』、ごく最近、傑作選としてDVDが出たという。(完全版じゃないのか?……出し惜しみしないで全話出してくださいましな! フアンはそれを待ってますよ、メーカー様!)



中国ではいまだに大人気で、『排球女将』のタイトルで、何度も再放送されていて、主演の荒木由美子さんが中国に行けば、まるで国賓級の扱いをうけるとか。


こうして、文章におこせば、とんでもないドラマなんだけど、映像を観ると、やっぱり夢中になる。



伝説のドラマとして、今後も語りつぎたい1本じゃないかな。

星☆☆☆☆☆。(ハマるぞ~!荒木由美子様の可愛らしさに!)