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2021年1月1日金曜日

映画 「コマンドー」

1985年 アメリカ。





マーク・L・レスター監督といえば、以前、このblogでも取り上げたバイオレンス・アクション『処刑教室』や『クラス・オブ・1999』に、大興奮させられた。


アーノルド・シュワルツェネッガーといえば『ターミネーター』を代表作として、真っ先に挙げる人もいるかもしれない。


でも、それらの二人がタッグを組んで傑作といえば、自分の中では、そう!このコマンドーが一番に名乗りをあげるのだ。



とにかく『コマンドー』がテレビで放映されれば、今まで観た事がない人も、何度も観た事がある人でも、皆が興奮して大騒ぎする。


血沸き、肉踊るとは、この事かというくらいである。


最近では、ネットでも『コマンドー』がどこかで放映されれば、《コマンドー祭り》なんて呼び名までされている事に、嬉しく思い、ちょっと驚いてしまうくらい、この『コマンドー』は人気が高い。



ストーリーはいたって簡単。(この分かりやすさが皆を引き込みやすいのかも)



元コマンドー部隊の指揮官『ジョン・メイトリクス』(アーノルド・シュワルツェネッガー)は、退役後、一人娘の『ジェニー』(アリッサ・ミラノ)と人里離れた山の中の山荘で、のんびり平和に暮らしておりました。



そこへ飛んでくる軍のヘリ。(何だ?何だ?)


ヘリから降り立ったのは、二人の部下を伴った元上官のカービー将軍。


「お前の昔の部下たちが、次々と何者かに暗殺されている。お前も注意するんだ。」


親切なカービー将軍は警戒するように、わざわざ、遠路はるばる忠告しにやって来たのだった。(電話は通じてないのかな? まぁ、山の中だしね。もちろん携帯なんてのも当時はない)


そして、またまた親切なカービー将軍は護衛の為にと、二人の部下を山荘に置いていくと、「達者で暮らせよ~!」とばかりにヘリに乗って帰っていった。



そのヘリの姿が見えなくなるまで、ジョンとジェニーが見送っていると……いきなり、そこへ機関銃の嵐!(ダ、ダ、ダ、ダッ!!)



謎の暗殺者たちは、とっくに山荘のそばまでやって来ていて、カービー将軍がいなくなるのを、ずっと待ち構えていたのだ。


ジェニーを抱えて、咄嗟にふせるジョン。


護衛の二人は、アッ!という間に撃たれていた。(全く、良いとこ無しの役立たずな護衛たち)


急いでジェニーと山荘に逃げ込んだジョンは、「ベッドの下に隠れてろ!!」とジェニーに指示した。


(とにかく……何か武器がなくては……応戦できないぞ、こりゃ……)


武器庫までジョンが、なんとかたどり着き、武器を抱えて戻ってくると、


「パパーー!」

哀れジェニーは暗殺者たちに、とっくに捕まり、その車は遠ざかろうとしていた。(ジョンも大概ドジっ子。元コマンドーなら武器くらい近くに置いておきなよ (笑) )



連れ去った車を追おうにも、自分の車は、(ゲゲッ!)エンジン・ルームまでも破壊されてる。


「こうなりゃ、ヤケクソよ!」とばかりに、ジョンは壊れた車を山の斜面まで、エイコラ押していき、それに乗り込んだ。(この筋肉ですから)


勢いをつけて、車はどんどん加速しながら、敵の車の一台に激突!大炎上となる。


そして、命からがら車から這い出てきたジョン。


だが、あっさりジョンは敵に拉致されたのだった……。




ここまで書いてみても、まるで良いとこなしの『ジョン』(シュワルツェネッガー)。


でも、そんなジョンに、敵である暗殺集団たちは、娘ジェニーを人質にして仕事の依頼をするのである。


ジョンの周りをズラリと囲んだ、いるわ、いるわ、の人相の悪い悪党たち。


「バルベルデの国に行って、今の大統領を殺してこい!君は大統領に信頼が厚い。間近に接近できるはずだ。」


悪党のリーダー格でバルベルデの元大統領『アリアス』(ダン・ヘダヤ)は、無謀ともいう要求をジョンにしてきた。


「断れば娘がバラバラになるぜ!」

ジェニーの首に狩猟ナイフを突きつけているのは、かつてジョンの部下で性格に難ありだったサイコ野郎『ベネット』(ヴァーノン・ウェルズ)だ。


愛するジェニーを、目の前で見殺しにできるはずもなく………敵の要求に渋々承知するジョン。



空港に連れて来られたジョンは、監視役と一緒にバルベルデ行きの旅客機に乗りこまされた。


「バルベルデまで何時間かかる?」

「11時間ですわ」客室乗務員の女性は、ニッコリ笑ってジョンに答えた。


客室乗務員がよそを向いてる隙に、自分の横に座っていた監視役の首をねじきって、あっという間に殺すジョン。(オイオイ)


毛布をかけて、帽子で顔を隠すと、「あ~、すまないが相棒を離陸まで起こさないでやってくれ。眠たそうなんだ」と一言。(ジョン流ユーモアである)


その後、ジョンは、他の乗客たちに見つからないように、ソーッと立ち上がると旅客機の奥へ奥へと進んでいった。


そのまま前輪格納室まで行くと、今、まさに飛び立とうとしている飛行機の前輪に掴まりながら、ソロリソロリと降りてくる。(あ、あぶねぇ~)


さぁ、飛行機が飛び立ち、沼地に差し掛かった時、ジョンは沼地めがけて、まっ逆さまにダイブした。

しばらくして沼地から這い出てくるジョンに怪我なんてものはない。ピンピンしている。


ジョンは、はじめから大統領の暗殺なんてする気もないのだ。


(旅客機がバルベルデに着くまで11時間………それまでにジェニーを探しだして救わなければ………)


寝ていた虎は今、目覚めて、やっとエンジンがかかり始めたのだ。


ジョン・メイトリクスが大暴れする!!





ここまでで、映画は全92分間の内の30分にも満たないのに、今更ながら驚いてしまう。


サクサク話は進んでいき、無駄なモノなんてのは一切ない。


最近の映画がダメダメなのは、無駄に時間を引き延ばそうとして、映画にとって大切なリズム感を阻害している事なのだ。(映画関係者たちは気づいてほしい)


ごく最近、このblogでも取り上げた、シルベスター・スタローンの『コブラ』にしても、たった89分だった。


そりゃ、撮影したシーンに思い入れがあったりして、全部入れたいのは分かるが、この削るという作業も、また大事なのである。


無駄なモノは無駄だと、割りきって切り捨てていく。


そうすれば、ほら、こんなリズムの良いアクション映画が、見事に完成するじゃ、あ~りませんか?



そして、無駄なモノがないといえば、この『コマンドー』のシュワルツェネッガーの肉体である。


当時、38歳。まさに脂のノリきった時期で、筋骨粒々、ムッキムキのピッチピチ!

この『コマンドー』での、シュワルツェネッガーの盛り上がった上腕二頭筋を見るたびに、自分なんか、まるで美味しそうなクリスマスの食卓に並ぶローストチキン🍗に見えて、かぶりつきたくなる衝動になってしまう。(変態か (笑) )



娘ジェニー役のアリッサ・ミラノは、この映画の出演で、一時ティーンのアイドル的な存在になっていた。

映画雑誌『ロードショー』や『スクリーン』などでアリッサの特集が組まれるなど日本でも大人気。(その後、残念ながら作品に恵まれず消えていったが)


現在(2021年)、コロナに感染しているアリッサ。

抜け落ちる髪の毛の動画なんてのを見てしまうと、なんか痛々しい感じで可哀想である。(どうかお大事にね)



映画は、この後も、もちろん続いていき、もう『ジョン』(シュワルツェネッガー)のヤリタイ放題が、あちこちで炸裂する。


通りすがりの一般人女性『シンディ』(レイ・ドーン・チョン)を強引に巻き込んで、あちこちで大暴れ。(「あたしは関係ないのに……」と言って、最初はイヤイヤだったシンディも、どんどんジョンに感化されていき、後半はロケット・ランチャーで護送車を爆破するという、変わり様である)


敵を電話ボックスに入ったまま放り投げてみたり(こんなの絶対に常人には無理!)、


ショッピング・モールの天井から釣り下がっている風船につかまりながら、ターザンのごとくとんでみたり、


武器庫を襲撃したり、


はたまた水上飛行機を強奪したりと ……


まぁ~、次から次へと楽しいことよ。



そして、ラスト、敵のいる孤島での大暴れ。


コロナで鬱窟した日々に、悶々と耐えている今こそ、こんな映画が、ストレス解消や発散になるんじゃないかな?


これは文句なしの傑作といえるだろう。


グダグダした理屈はいらないのだ!

星☆☆☆☆☆であ~る。


※それにしても、シュワルツェネッガーの腕は、かぶりつきたくなるほど美味しそうだ。(本当、馬鹿!(笑))