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2020年12月12日土曜日

映画 「SF/ボディ・スナッチャー」

1978年 アメリカ。





全然関係ない話を少~し。


これ、自分だけが思っている事なのだけど……昔から、この方々の判別が、時々できなくなる。


そのくらい、この3人はそっくりだと、ずっと思っている。



『サスペリア(1977年)』のジェシカ・ハーパー。



『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のリー・トンプソン。



そして、この映画『SF/ボディ・スナッチャー』に出演しているブルック・アダムス。



みんながみんな、同じに見えてしまって、時々「誰が、誰だったっけ?」ってな具合である (笑)。

これ、案外、私と同じように思っている人もいるんじゃないかな?




(まぁ、アホ話はこのくらいにしてと……)映画の話に戻ろう。



この映画の原作は、1955年にジャック・フィニィという作家によって書かれた『盗まれた街』。


小説自体は、なんてことない出来なのだが、この『宇宙からの生命体に、人間が身体を乗っ取られる』ってシチュエーションが、アメリカ人には大ウケするらしい。



今までに4度も映画化されていて、最初の映画化が、何と!あの巨匠ドン・シーゲル監督。


『ダーティハリー』や男臭いアクション映画を得意とするドン・シーゲル監督が「SFモノ?」なんて、ミスマッチにも思えるのだが、案外本人もノリノリで好きなのかもしれない。


このリメイクされた2作目にも、監督は違えどチョイ役の演者として友情出演しているしね。(タクシー運転手役。イーストウッドの『恐怖のメロディー』もだったが、頼まれると俳優もしてくれるドン・シーゲル)



そして、4度映画化されていて、一番評判がいいのが、この2度目。


全作を観ていないので、なんともいえないが、この2度目はサターン賞を受賞している。(現代においてアカデミー賞が低落した今、サターン賞だけは信頼できる賞である)



こんな前知識を頭の隅に入れて、さて観たわけなのだが……色々と「?、?、?」なんて思いながら、ツッコミを入れたくなるSFでございました。




ある惑星から浮かびあがり、飛ばされた泡の気体?の大群が宇宙空間をさ迷いながら、地球へ飛来する。(もう、この時点でこのSFはオカシイ。宇宙空間なんて-270℃の世界ですよ (笑)  泡や気体なんてキンキンに凍り付いてしまうはず。)



それらは、雨と一緒に地上へ降り注ぎ、植物に根付いた泡は、奇妙な毒々しい赤い花を咲かせた。


「まぁ、綺麗…」


それを見つけて、ひと千切りして、家に持ち帰り、花瓶に挿したのは、衛生局で働く『エリザベス』(ブルック・アダムス)。

恋人のジェフリーは、テレビの試合観戦に夢中だ(アメフト?)。


(フフッ、お気楽な人……まぁ、そこが好きなんだけどね……)


二人は毒々しい花を生けた花瓶を寝室に置いて、その夜は就寝した。



だが、朝、エリザベスが起きると恋人のジェフリーの様子がどうもおかしい。



普段はだらしないジェフリーがスーツを着ていて、話しかけても無表情。

寝室に置いた花瓶は割れていて、粉々になった破片が散乱している。いつの間にか、あの花は無くなっていた。



それからジェフリーは、エリザベスの知らない人物たちと次々会うために出かけていく。それを尾行するエリザベス。


(あんな人知らないし、こんな人たち知らないわ……いったい急にどうしたの?!ジェフリー!!)


不安を感じたエリザベスは、同じように衛生局で働く衛生調査官『マシュー』(ドナルド・サザーランド)に相談する。(クルクル・パーマで口髭姿のサザーランドが、全く衛生局員には見えないけどね (笑) )



だが、街中では、ジェフリーだけでなく、不可思議な行動をとる無表情な人間たちが、次々と増えているのであった……。




こんな感じではじまる『SF/ボディ・スナッチャー』。



一応、タイトルに《SF》なんて唱っているけど、ジャンル的にもSFホラーなのか?これ?!(前回にも書いたが、ホラーなら科学的な深い意味なんてのも無視、無視! とにかく怖がらせたモノ勝ちなんだから。)


でも、この映画は全くSFホラーには、なっていないんだけどね。(笑)




もう、お察しのように、エリザベスの恋人ジェフリーは、謎の生物に乗っ取られているわけなのだが、この生物ってのがだいぶ変わっている。



本人が寝ている間に、何を養分にしてるのか全く分からないが、薄い繭状なモノに包まれながら、一晩で急成長して、近くの人間ソックリに擬態するのである。(擬態が完成した後、オリジナルの本人は殺されるのかな?それとも吸い上げられてコピーの養分になるのか?そこのところが、やや分かりにくいが……)


でも、この擬態人間たち、無害っちゃ無害。


特に地球侵略の為に盛大な破壊行為をするわけでもないしね。


たま~に、犬と一緒に寝ていた本人がいると、とんでもない生物に変化してしまう例もあるが。(気持ち悪い人面犬など)


主人公のドナルド・サザーランドとブルック・アダムスが手に手をとって奮走する中、着実に増えていく擬態人間たち。


そんな途中で、レナード・ニモイ(Mr.スポック)やら、ジェフ・ゴールドブラム(ザ・フライ)などの、濃い面子も登場する。


ドナルド・サザーランド一人だけでも濃い顔なのに、画面には濃い顔、濃い顔がいっぱい出てくる。(Oh!)


そんな人物たちが、「アアアアアーーーーッ!」なんて叫びながら、力いっぱい顔芸を繰り広げるのだから、怖さよりも「ウププッ!」なんて吹き出すのを我慢しながら観るような、笑い溢れるSFホラー・コメディーに、結果仕上がっているのだ。



これは、リメイク監督したフィリップ・カウフマンの最初から意図したものだったのだろうか……ならば大成功だったかも。(サターン賞まで受賞して)


大体、この原作からしても真面目な雰囲気などまるでない、与太話なのだ。


本気で怖がらせようってのも無理な話で、ならば表向きはSFホラーでも、裏テーマを《馬鹿話》として笑いに持ってきて大正解である。(これに続く3作目、4作目のリメイクは知らないが、このあたり分かっていてリメイクしているかなぁ~? たぶん分かってねぇ~だろうなぁ~)



午後のひとときに、ところどころツッコミながら皆とワイワイ観る映画。


これはこれで、そんな役割を充分に果たしている映画なのだ。

これも今後、私好みの1本になりそうである。

星☆☆☆。