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2020年9月19日土曜日

映画 「白と黒のナイフ」

1985年 アメリカ。






原題は『 Jagged Edge 』、訳すと『ギザギザのエッジ』。

狩猟用ナイフの刃のギザギザ部分?(ん?)





夜半、海沿いに建てられた豪華な邸宅で、メイドが殺され、夫人『ペイジ・フォレスター』がナイフで滅多刺しにされて殺された。


そして、その夫『ジャック・フォレスター』(ジェフ・ブリッジス)はというと………自身も玄関先で、鈍器で頭を殴られるが、ほぼ軽傷。


一人、命をとりとめて助かったのだ。




(おかしい……)

地方検事『トーマス・クラズニー』(ピーター・コヨーテ)は、ジャック・フォレスターに疑念を持ち、部下に命じて徹底的に調べあげさせる。



大手の出版社、サンフランシスコ・タイムズの社長におさまっているジャックだったが、殺された妻ペイジの父親が大金持ちの出版王で、結婚と同時にその地位を得ていた。


オマケに資産家の妻が死んだ今、ジャックには莫大な財産が転がりこんでくる。


そして、ジャックの会社のロッカールームに、狩猟用のナイフがあったという目撃証言までとびだしてきたのだ。



もはや決定的!



「ジャック・フォレスター、君を逮捕する!」

「俺は妻を殺していない!」

地方検事クラズニーの言葉に叫ぶジャック。




ジャックの裁判の為に弁護士『テディ・バーンズ』(グレン・クローズ)が選出されるが……


「私は、もう刑事事件を扱いたくないの!」

と、あまり乗り気ではない。




夫と別れ、二人の子供を育てながら弁護士を続けているシングル・マザーのテディ。

テディは、以前、裁判で救えなかった無実の被告に対して、ずっと後ろめたさみたいなトラウマを抱えていたのだ。


そんな被告が、最近、獄中で自殺した話を聞き、地方検事クラズニーに挑発されると、テディの気持ちにも微妙に変化が表れる。



昔なじみの私立探偵『サム』(ロバート・ロッジア)に相談するも、「そんな事件なんてクソ喰らえだ!」と罵倒されるテディ。(でも、このサム、テディの頼みとあらば憎まれ口を言いながらも、渋々協力してしまう人の良いオジサン)


かくして、毒舌サムの協力を得て、ジャック・フォレスターの事件を引き受けたテディ。



そうして、容疑者ジャックに謁見すると …………






久しぶりに観た『白と黒のナイフ』。





若い~!グレン・クローズが!!(当たり前なんだけど)


そして、この映画のグレン・クローズは、格別に美人で可愛らしいのだ♥。





後の、恐ろしい迫力で圧倒する『危険な情事』や『ダメージ』などとは、まるで違う、180度真逆のイメージ。

恐ろしいグレン・クローズしか知らない人は、この映画を1度は観た方がいい。



こんな優しい顔をするグレン・クローズなんて貴重すぎるくらい貴重なんですから。





被告と弁護人の垣根をこえて、どんどんジャックに惹かれていくテディ。(なんせジェフ・ブリッジスが、惚れ惚れするくらいカッコイイもんね)



乗馬を楽しみ、スカッシュで汗をながして、そのまま二人はベッドへ……(あらあら)



「仕事は仕事、恋愛は恋愛!」なんて上手に線引きも出来ないテディは、本当に、か弱い一人の女性。



ジャックとの関係を続けながらも、一方ではジャックの弁護士として裁判に臨んでいく。


でも、裁判が進めば、どんどん明るみになっていくジャックの過去の浮気や不貞。



裁判所では気丈に耐えながらも、終わって一人になると、(ウルウル)涙を流してしまうテディ。(『だって女の子だもん、涙が出ちゃう~』アタックNo.1のセリフが浮かんでしまうワタクシ)




もう、こんな乙女チックなグレン・クローズなんですから、今現在とのギャップに、初めてこの映画を観た人は、ビックリするはずである。





サスペンス要素はあっても、こんな繊細で脆い女心を描いた傑作『白と黒のナイフ』。




監督は、最初に、あのブライアン・デ・パルマの名前が挙がっていたらしいが彼にならなくて本当によかった。(監督は『針の眼』のリチャード・マーカンド)





ストーリーは、よくある展開とは分かっていても、丁寧に描いていて好感がもてる。


そして、なにより、若くて可愛い気のあるグレン・クローズを愛でて楽しむ映画なのだ、これは!





映画のラスト、私立探偵サムの言葉がピシッ!と締めてくれて、また心地いい。

「忘れてしまえ、あんなクソ男!」



こんな優しい響きの毒舌もあるのだ。

星☆☆☆☆。

※ピーター・コヨーテ、最近観ないなぁ~。生きてる?(笑)