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2020年1月19日日曜日

映画 「ランボー 怒りの脱出」

1985年 アメリカ。






『トラウトマン大佐』(リチャード・クレンナ)は、前回、逮捕されていった『ジョン・ランボー』(シルベスター・スタローン)が気がかりで、気がかりでしょうがない。


(何としても彼を救いだしてやりたい!……)


ランボーも自分と同じように、闘いの中でしか生きられない男……………。




そんな時に、軍は、ベトナムの捕虜収容所から無事に生還したランボーの経歴やデータを元に、ある作戦実行の為に選び出したのだった。


(これはチャンスだ!)


すぐさまトラウトマン大佐は、服役中のランボーを訪ねて面会に行った。



「もしお前が、この任務を引き受ければ恩赦が受けられる。お前は自由の身になれるぞ!」


即座に承諾したランボー。


父親のように信頼しているトラウトマン大佐の前では、素直で従順すぎるくらいのランボーなのである。(まるでトラウトマン大佐は、どう猛な虎をおとなしくさせる猛獣使いのようだ(笑)。)



後日、連れて来られた、タイの米軍基地で、トラウトマン大佐と合流すると、そこにはC・I・A所属で、作戦の指揮官『マードック』(チャールズ・ネイピア)が待ち構えていた。



「君にやってもらうことは、ベトナムに単独で極秘潜入して、捕虜がいないか確認し、もしも捕虜がいたなら、その証拠写真を撮ってくる事だ」


マードックの命令に怪訝顔を隠せないランボー。

「写真を撮るだけ?捕虜たちを助けないんですか?!」(『 何じゃ?その任務は? 折角、大暴れできると思ってきたのに……』なんていう、ランボーの心の声が聞こえてきそう)


「捕虜がいたなら、後日、必ず助け出す」と言う、マードックなのだが、ランボーはトラウトマン大佐に、「アイツは信用できない」と、ボソッと耳打ちした。




夜間、軍事飛行機で降下したランボーは、ジャングルの奥地へと進んでいく。



現地の女性工作員『コー・バオ』(ジュリア・ニクソン)と合流すると、やがて敵に捕まった捕虜を発見する。



「写真を撮るだけでしょ?」

「何を言ってるんだ?もちろん皆を助ける!」



案内人コー・バオと別れ、捕虜の男性を無事に助け出したランボーなのだが………ランボーの予感は当たり………。



迎えに来たヘリは引き返していく。



マードックの命令なのだ。

「任務は中止だ!ヘリはすぐに戻って来るんだ!!」


はなから、捕虜を助け出す気なんてのもサラサラなく、自分の保身ばかりを考えている、ご都合主義のマードックなのである。


トラウトマン大佐が、「目の前に捕虜を助け出したランボーたちがいるんだぞ!見捨てるつもりなのか?!」と声を荒げるが、マードックの命令に従順な部下たちは、トラウトマン大佐を拘束すると、ヘリは、遥か上空彼方へと消えていくのだった………。



怒れるランボー、お先真っ暗のランボー。



そんなランボーに、ベトナムを支援する冷徹なソ連の将校『ポドフスキー中佐』(スティーヴン・バーコフ)の魔の手が迫る………。



ランボーの1作目に素直に興奮して、感動して、ついつい続編の『怒りの脱出』に手を出さずにはいられなかった。(単純だなぁ~)



1作目を越えるほどの迫力、興奮!

この2作目が、多分、ランボー・シリーズの最高傑作じゃないかな。



雑魚の卑怯者マードックは、前回の映画、ティーズル保安官を模倣しているようなものだが、それよりも巨悪な敵、冷酷で残忍な敵が、この映画では華をそえている。



ポドフスキー中佐役のスティーヴン・バーコフだ。


この憎々しい顔を……額の中央に、ポツンと浮き出た突起物を忘れるはずもない。


『007 オクトパシー』でも、ソ連のオルコフ将軍。

『ビバリー・ヒルズ・コップ』では、金持ちのメイトランド。



極悪顔といえば、まさに、この人なんですから。(スゴイ言い方だけど褒めてるんですよ、それなりに。)



捕まえたランボーを、収容所で、サデスティックに拷問したり、いたぶるシーンでは、実に楽しそうな事よ。


「さぁ、アメリカの本部に無線連絡をして、自分がスパイとして捕まったと言え!この拷問に苦しくて、叫びたかったら叫ぶがいいぞ、ハハハ!」

縛りつけて高圧電流を流すやら、焼けたナイフを部下に命じて押し当てさせるなど、ドS力全開の拷問を繰り返す。


でも、こんな変な変態野郎に負けてたまるか!


マードックに復讐するまでは死んでたまるかー!


ウォオォォォーーーーッ!!


抑え込んでいた、ランボーの怒りが、一気に爆発する!!(一旦スイッチが入ると大絶叫するランボーは、ここでも健在 (笑) )




その後は、怒濤の如くのやりたい放題よ。


ナイフがとび、弓が唸り、機関銃が炸裂し、ランチャーが火をふく。


敵は次々倒されて、あたり一面は爆風の嵐。(観ながら、「ヒェー!」、「ホェー!」、「ゲゲッ!」の言葉しか出てこない自分)



ランボーの活躍が、ただ、ただ爽快なのだ。



普段日常でストレスを抱えているような人には、もう、うってつけの映画なんじゃないだろうか?



文句なしに星☆☆☆☆☆であ~る。



※ただ、ベトナム戦争とアメリカの描き方については、この映画、アメリカ側の反応は微妙だったみたいで、ランボーやスタローンに対する風当たりも強くなってくる。(それも特に映画関係者たちから)


興行収入は良くても、これ以降、スタローンに対する弾圧が、ジワジワと始まっていく。



自分から見れば、こんなに爽快な映画はないと思うのに、この映画で、ラジー賞(最低映画主演男優賞)なんて………どう思います?



それからも、スタローンをやり玉にあげては、何年もラジー賞を与え続ける映画関係者たち。(このあたりにハリウッド映画界の、歪んだ作為みたいなものを感じてしまう自分である)



まぁ、こんなのにヘコたれて負けるスタローンでないのですけどね。



あ、そうそう、最近では、このランボーのフィギュアも発売されているそうな。

たまたま、ネットで見たのだが、あまりのリアルさにビックリ。(武器のバリエーションも凄い)


こんな精巧なフィギュアにまでなってしまう人気の『ランボー』なんだけどね。(映画を観た後では、自分も欲しくなってしまうくらいである)