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2019年11月18日月曜日

映画 「デモリッションマン」

1993年 アメリカ。






1996年、 凶悪犯『フェニックス』(ウェイズリー・スタイプス)は大勢の人質をとり、ビルに立て籠った。


そこへ現れた『デモリッションマン(壊し屋)』の異名を持つ『ジョン・スパルタン刑事』(シルベスター・スタローン)。



からくも、フェニックスを逮捕できたものの、人質はフェニックスの仕掛けた爆弾でビルごと爆破され、哀れ、全員死亡。


責任をとらされたスパルタンは、フェニックスと共に、70年の冷凍刑を命じられるのだった。(こんな刑罰があるなんて、昔も今も聞いた事もございませんが)




そして、長い時は過ぎて………




世の中は、2032年。

もはや、全てがコンピューターに管理された社会では、犯罪件数は、『0(ゼロ)』の時代。


一人一人には、居場所が分かるように、手の甲にチップが埋め込まれている。

汚ない言葉を呟いただけでも、それを感知する機械が、周り中に張り巡らされていて、即、違反キップをきられるほどである。



そんな世界にも、とりあえずは警察もあるにはあるのだが……。




皆が平和ボケ。(なんせ、事件がないもので)




あぁ~、刺激が欲しいぃ!


警部補『レニーナ・ハックスリー』(サンドラ・ブロック)は嘆かずにはいられない。(この頃のサンドラ・ブロックが超可愛い)



20世紀オタクの彼女は、もはや遺物ともいうべき、過去の西部劇や刑事ドラマに興奮するという、この世界では変わり種だ。


警察署の自分のデスクの壁にも、『リーサル・ウェポン』のポスターを貼っているくらいである。




ゆえに、そんなレニーナにとって、変化のない毎日は味気のないもの。


常に「刺激がほしい!」と刺激に飢えているのである。




そんなレニーナの心の声が聞こえたのか、違う場所では、今、まさに、あの凶悪犯『フェニックス』の仮釈放審問が行われていた。


拘束椅子の機械に座らされたまま、刑務所長の前に連れて来られると、それは直立の形に変型した。(さすが未来のテクノロジー)


フェニックスは、それでも鼻歌を歌いながら♪、ふてぶてしい態度。


「なんだね?その態度は?!何か申し開きをする気はないのかね?」

そんなフェニックスに、段々イライラしはじめた所長。



「あるぜ!『テディ・ベア』!!」

フェニックスが、その言葉を呟くと、手足にしていた拘束は、途端に解除された。



「なぜだ? なぜ、その解除コードを知っている?!」

所長が叫ぶが、フェニックスは笑いながら、その問いには答えず、警備員や所長をなぶり殺しにした。



そして脱走。

町中に出ては、好き勝手に暴れはじめたのである。




これに焦ったのは、2032年のノンキな警察たち。


「どうすればいいんだ?」

「どうしよう?」(平和ボケした連中には、もはやお手上げ状態)



その時、レニーナが、「あるわ!ひとつだけ方法が!」と叫んだ。



伝説の刑事、『ジョン・スパルタン』を甦らせる事だ。


かくして、ジョンは冷凍刑から、29年ぶりに解凍されたのだった。



打倒フェニックスの為に……。





シルベスター・スタローンが、『クリフハンガー』の大ヒットに酔いしれる暇も与えず、間髪入れずに、同年に公開された『デモリッションマン』である。




この映画もヒットした。



スタローンにも、やっと追い風が吹いてきたのだ。



そして、ただのアクション映画と思いきや、この映画は所々で笑わせてくれる。(『刑事ジョー ママにお手上げ』のコメディーは、あんなに叩かれたスタローンだったのにね)




アナログ人間スパルタンは、29年後の世界では、あまりの変わりように戸惑うばかり。


29年後の世界では、あの『アーノルド・シュワルツェネッガー』が大統領になっているではないか!


「凄い人気で、俳優だったけど彼が大統領になる為に法律が改正されたのよ」なんて言うレニーナに、

「オイオイ、勘弁してくれよ」と嘆く『スパルタン』(スタローン)が可笑しい(笑)。




トイレット・ペーパーさえなくなり、トイレには謎の貝殻が置いてあるだけで、

「これをどうやって使うんだ?、」とキョトン顔。(本当にどうするんだろ?映画では最後まで、その解答は得られなかったが、マトモに使えば、血だらけになるんじゃないのか?)



こんな未来世界とのギャップで、唖然としたり、ビックリしたりするスタローンに、ところどころ笑わされる。





それに、この映画、何気に背景の建物や車などが、未来のそれらしく、スタイリッシュでおしゃれ。

スタローンやサンドラ・ブロックたちが着ている警察の制服も、センスが良くて感心した。





ウェイズリー・スナイプスの髪形だけが、「ちょっとダサいなぁ~」、と思っていたら、案の定、本人も相当嫌だったらしい。(映画が終わったら即、剃り落としたそうな)



こんなアクションもふんだんにあって、少しだけ肩の力の抜けたスタローンの『デモリッションマン』、私は大好きである。


星☆☆☆☆☆。