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2019年9月28日土曜日

映画 「デス・ハント」

1981年 アメリカ。







1931年頃、冬のカナダ、ロッキーの山麓で闘犬で盛り上がっている人々。




犬は血だらけで噛みつきあっていて、白い犬の方は瀕死の状態だ。

その犬の飼い主『ヘイゼル』(エド・ローター)は、それでも止めず、

「やれ!やれ!」と逆に煽り立てている。



そこへ轌(そり)に乗って、颯爽と現れた『アルバート・ジョンソン』(チャールズ・ブロンソン)なる男。




「その犬を逃がしてやれ」

そう言うと、飼い主ヘイゼルを、簡単に背負い投げして、首をねじり押さえつけた。



「とんでもない!あの犬には元手がかかってるんだ!」

押さえ込まれながらも、威勢だけはいいヘイゼル。


そんなヘイゼルの側に、ジョンソンは100ドル札を投げた。


「200だ!」

足元を見て強欲なヘイゼルは、値を釣り上げると、またもやジョンソンは100ドル札をヒラヒラ投げた。


そして、傷ついた犬を轌に乗せるジョンソン。




「おい!犬が欲しければ1000ドルよこしな!」

強欲なヘイゼルは、まだ叫んでいるが、今度はジョンソンも完全無視。(当たり前だ)


さっさと轌(そり)で行ってしまった。




「畜生〜!あの野郎!」

金を貰ったのに強欲で、芯から根性の腐ったヘイゼルは、まだブツクサ言っている。(まぁ、クズを演じさせたら天下一品のエド・ローター)



我慢がならず、町の騎馬警察隊長の元へと向かった。

途中、赤いピカピカの騎馬兵隊の制服に身を包んだ若い男に出会うヘイゼル。


「ミレン隊長はどこかね?」

ヘイゼルは、その男の身なりをジロジロ見て、(イケすかねぇ野郎だ)と思ったが、「付いてきな!」と道案内をかってでた。



警察隊長『エドガー・ミレン』(リー・マーヴィン)は、警察署には居ずに、ヘイゼルは男を酒場へ連れていった。



ちょうど一杯やっている最中のエドガー。



赤い制服の男は、ここに着任してきたばかりの新人のアルピンという巡査だった。


(この、呑んだくれが新しい上司?……)

エドガーの様子に驚きもしたが、とりあえず敬礼して自己紹介をしたアルピン。




でも、その横でヘイゼルが、

「おい!犬を盗まれたんだ!なんとかしてくれよ!」

と、キャンキャン吼えている。



でも違法な闘犬をやっていて、死にかけている犬を救い出された事など、エドガーはとっくにお見通し。

相手にするわけがない。



「俺が祈っている間に、とっとと消えな」

と捨て台詞を吐いて背中をむけるのだった。(格好いい!リー・マーヴィンである)




(畜生……畜生!畜生!畜生〜!)

苦虫を潰した顔のヘイゼルは、頭の中で『畜生』を連呼した。(本当にクズな演技がお上手)



その頃、薬を買って犬を手当てしている心優しいジョンソン。


「ここまで生きられたんだ、きっと治るからな」


人里離れた小さな小屋で、孤独なひとり暮らしのジョンソン。

そんなジョンソンの手厚い看病に犬も応えた。





次の日、犬は立ち上がり、餌を食べるまでに回復した。




でも、そんなジョンソンの小屋の周りに不審な人影。



あのクズのヘイゼルが、クズ仲間たちを集めて復讐しようと迫ってきたのだった ………






面白かった!


チャールズ・ブロンソンの映画を急に観たくなって探したのだが、あの『北国の帝王』のリー・マーヴィンとの共演。



渋い!渋すぎる男たちに、男ながら惚れ惚れする。




やさぐれて老いた警察隊長『エドガー』(リー・マーヴィン)なんて、一言、一言の台詞が痺れるくらい格好いい。



新人で頭の固いアルピン巡査は、「闘犬は違法だし取り締まるべきです」なんて必死に訴える。


でも、エドガーは

「坊や、忘れちまいな。人と人が殺し合うよりよっぽどいいさ」

なんて返答する。(か、格好いい~!)




こんな、老いても渋くて格好いいエドガーを町の女がほおっておく分けがない。

美人の未亡人『ヴァネッサ』(アンジー・ディキンソン)なんて旦那が死んだばかりなのに、エドガーの魅力に、もうイチコロ。



新年のダンスを踊った後は、二人すぐさまベットへと ……(あらあら)





そこへ不粋な、あのヘイゼル(エド・ローター)がやって来て(本当に不粋)、


「仲間のトムをあいつ(ジョンソン)に殺された!!」

と、ヒステリックに叫びわめきたてる。(自分達が襲撃しようとして逆に返り討ちになったくせに)



ベットの上で、ヴァネッサを抱いているエドガー。

オロオロしたり、慌てたりなんて決してしない。



悠然と構えながら、一言。


「俺が調査する!」だけである。


しだいに、ヘイゼルの方が、目の前の光景を目にして恥ずかしくなり、いたたまれず飛び出していく。




漢の男は、どんな時も慌てず騒がず。(たとえ、あの最中を見られてもである(笑))




リー・マーヴィンがかなり役得だなぁ~。




まぁ、チャールズ・ブロンソンの渋さも光っているのだが。


それにエド・ローターのクズっぷりがピカイチで最高!(クズ野郎を演じさせれば天下一品)


星☆☆☆☆である。


《追記》そうそう、『リー・マーヴィンの息子たち』っていう冗談めいた秘密結社があるらしい。

なんでも会員条件は、「リー・マーヴィンに似ている事」ですって。(とにかく牛顔って事なのか?)



普段はどんな広報活動している結社なんだろ …… 興味津々である。(笑)