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2019年7月24日水曜日

アニメ 「ジョジョの奇妙な冒険 5部 ①」

2018年~2019年。




《イタリア ネアポリスの街並み》




「この『ジョルノ・ジョバァーナ』には夢がある!!」



第3部、あのディオが、首から下のジョナサン・ジョースターの肉体を乗っ取り復活していた時、何故か?(ディオの気まぐれ?)日本人女性との間にできちゃった子供。



それが、この『汐華 初流乃(しおばな はるの)』=『ジョルノ・ジョバァーナ』である。



この複雑な運命ゆえ、吸血鬼の遺伝は受け継ぐことなく、普通の人間として産まれたジョルノだが、首にはジョースター家の遺伝である『☆形の痣』が存在する。


その後、母親はイタリア人と再婚し、イタリア人の義父に虐待されながら育つ。(母親の事は、その後、原作でも、まったく出てこないので、イタリア人の義父にジョルノを押し付けると、また、他の男の所にでもトンズラしちゃったんだろう)




こんな可哀想な境遇のジョルノ。


でも、世の中には、捨てる神もいれば拾う神もいる。

ジョルノを救ってくれたのは、街を支配しているイタリアのギャングの男。


静かに………そして、決してジョルノにも近づくことなく、遠くから見守り続け、ジョルノを虐める義父や近所の悪ガキたちにも、その威圧感で押さえつけてくれる。


その男に、次第に憧れていくジョルノ。


髪の毛が、黒髪から金髪に変わり、成長すると、『スタンド能力』まで目覚めた今、ジョルノの夢は、はっきりと形になった。


「『ギャング・スター』になりたい!」と………。






前作『ダイヤモンドは砕けない』から、まる1年。


充分な期間を設けて、作られた、この5部『黄金の風』。


スタートするまでは、ジョジョ信者たちは、ドキドキ、ハラハラだったろう。(なんせ、前作の出来が、チョー悪評だったので)

だが、ふたを開けてみれば、…………どの話数も、まったく作画が崩れない。

『美麗』、『素晴らしい』の絶賛の嵐。


ジョジョ信者の熱気は派生していき、しまいには、叶姉妹の次々繰り出すコスプレ姿などが話題になった。(しょこたんの、チンチクリンなコスプレには笑ってしまったが……)



だが、この5部、今でこそ、ここまで人気だが、連載時は、そこまでの人気を得ていたかは疑問である。

原作の荒木飛呂彦の絵柄は、独特すぎるくらい独特だ。


この絵柄には、好き嫌いが、真っ二つに分かれて、たぶんに馴染めない人の数の方が多いはず。


この人の描くキャラクターも、どんどん部を重ねるごとに強烈になってきて、連載時には、離れたフアンもいると思うのだ。



そして、この5部のキャラクターも、これまた強烈。


主人公のジョルノの姿さえ、普通の美的感覚を持つ一般人から見れば、「何だこれ?」と言って、生理的に受け付けない人もいるかもしれない。


前髪は、チョコ・コロネを3つ並べたようになっていて、少し長めの襟足は三つ編みにしている。(この時点で退散する人もいるかも)

服装はレザー生地の、ピッタリした学ラン風なのだが、おもいっきり胸部をハート型に切りぬいていて、見せつけている。



こんなイタリア人や15歳、当時も、現在も見たことない。(笑)



このジョルノもジョルノだが、ギャング組織のリーダー、ブローノ・ブチャラティの格好もこれまた……。


髪形は、中森明菜のデザイアーみたいなオカッパ頭に左右のピン止め。

服装は、これまた白い上下のレザーだが、柄として、無数のおたまじゃくし(何で?)、そして大量につけられたジッパー。


とどめは、やはりジョルノと同じように、胸をハート型に切りぬいていて、そこからは胸に彫りこんだタトゥーが見えているという、とんでもない格好なのだ。(まったく、こんなデザインの服、どこのブティックに売っているんだ?(笑))




こんな仮装したような登場人物たちが、敵も味方もウジャウジャ登場すると、「ここは、本当にイタリアで、この人たち、本当にイタリア人なの?」って思わずにはいられないのだ。




それでも見馴れてくると人物は、まだマシかもと思わせてくれる。


その登場人物たちの変な格好の上をいくのが、『スタンド』のデザインなのだから。




正直、連載時、この『スタンド』のデザインの気持ち悪さに、一時、撤退していた時期があった。


それまで3部は、まぁまぁ見れたが、4部で、「何か、ちょっと気持ち悪いなぁ~」というのがチラホラ。



5部に至っては、『スタンド』が「チョー気色悪い!」となってしまったのだ。


ジョルノの『ゴールド・エクスペリエンス』も気持ち悪いが『レクイエム』に進化してからは特に(気持ち悪い)。


仲間の、アバッキオの『ムーディー・ブルース』やトリッシュの『スパイス・ガール』も気持ち悪いが、その中で群を抜いて、気持ち悪いと感じたのが、フーゴの『パープル・ヘイズ』というスタンド。

口を縫われていて、開かない口からは、始終ヨダレが、ダラダラと流れている。


この気持ち悪いスタンド、『パープル・ヘイズ』の登場には、いくら、主人公の仲間だろうと、あまりにもの嫌悪感で、1回読むのを辞めたくらいだった。


そのくらい『グロテスク』、『キモい』、『吐き気がする』というスタンドなのである。


掲載誌は少年誌。

絶対に苦情が殺到したはずだ。


その不人気ゆえか、これ1回でフーゴも『パープル・ヘイズ』も離脱する。(ホッ!、原作者は後半フーゴを敵として出演させるつもりだったらしいが、そんな事もなく消えていった)



敵の『スタンド』たちも、本当に気持ち悪かった。

この気持ち悪さを、当時読んでいた自分は、とてもじゃないが、『格好いい』に変換できなかった。



だが、数十年経ち、人の好みや価値観も変わってくる。

そしてアニメにまでなる。


「おや?、こうして見ると、ちょっと格好いいかも………」


喋りだして動き始めた、ジョルノやブチャラティーたちの魅力は、その昔、自分が感じていた不快感を見事に消し去り、『傑作』と思わせる事に成功したのだった。




このアニメ化は成功だろう。

そして、この『黄金の風』の出来は、もしかしたら、またもや、次の6部に続く弾みになるかもしれない。(全てはBlu-rayやDVDの売り上げ次第であるが……)


これが、ジョジョシリーズの到達点といえる作品になったのではないだろうか。

もちろん星☆☆☆☆☆である。


※ただ、アニメになっても、やはり『パープル・ヘイズ』のグロテスクさは、受け付けられなかった。

これは生理的な問題。(ゲテモノ好きには、この異形な『パープル・ヘイズ』さえも、たまらない魅力なんだろうが………(笑))

そして、これ1回だけで、この『黄金の風』の全てを語れるはずもない。


自分が、特に印象に残ったキャラクターたちについて、次回語りたいと思う。

珍しく続くである。