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2018年10月1日月曜日

映画 「シリアルママ」

1994年 アメリカ。





今日一日は、最悪な日だった。

あんな嫌~な奴!死んでくれたらいいのに。



こんな事、だれもが一瞬でも考えた事あると思う。





でも普通の人はそこまで。


それを即、実践してしまうのが恐ろしい《シリアルママ》である。




主人公『ビバリー』(キャスリン・ターナー)は、歯医者の夫と、ハイティーンの娘、息子の一見平和を絵に書いたような四人家族。



だが、「間違った事は絶対に許せない!」のが、ビバリーの信条。



その為には、どんな事をしても《悪》は、とっちめてやる。




駐車場で横入りしてきた近所のヒンクル夫人には、卑猥な脅迫状とイタズラ電話。(あらあら)


息子を精神異常呼ばわりした担任は、車で轢き殺す。(バックして念入りに)


娘を振った男は、火っかき棒で串刺しに。


夫を急患で呼びつけたスタナー夫人も、もちろん殺害する。



「家族に危害を加えようとする奴は、絶対に許せないわ!私が成敗してやる!!」


どこまでも過激に突き進むビバリーなのである。




だが、さすがの警察も、そんなビバリーに疑惑の目を向けはじめ、監視しはじめた。



でも、そんな監視網なんて何のその。



するりとぬけて脱出すると、息子のバイト先のレンタルビデオ店へと逃げ込んだ。(『レンタルビデオ』って響きが懐かしい~。)



すると、そこには、息子に文句たらたらの老婦人の客。

ビデオを巻き戻さないで返却してきて、「この殺人鬼の息子が!」と逆に罵倒してくる老婦人である。



それを隠れて見ていたビバリーの怒りが、またもやメラメラ。(沸騰点があまりにも低すぎる恐ろしいビバリー)


「ゆ、許せない!」


後をつけていくと、そこで即、撲殺する。




だが、その殺害シーンを、運悪く息子の友達に見られてしまった。


(もう、見られたからには死んでもらうしかない……)

出刃包丁を持って、町中を追いかけまわすビバリー。


やっとライヴ会場に追い詰めると、舞台上で焼き殺してしまう。( もう、なんでもアリの展開に、観ているこっちも呆然してしまう)



でも、なぜかライヴ会場は大歓声の大盛りあがり。


「シリアルママ!シリアルママ!!」の大絶賛コール!






ここまで書いただけでも何人殺したっけ?(笑)





当然ビバリーは警察に逮捕され裁判に、かけられるのだが(普通は有無を言わさず死刑だろうが)




なんと自分の裁判の弁護人を、自分ですると言い出したのた。



そして、な、な、なんと見事に《無罪》を勝ち取ってしまうのだった。チャンチャン!(んな、馬鹿な!)







こんな映画が『シリアルママ』である。(簡単にあらすじを書いてみたけど、文章にしてみても、とんでもない映画だという事が分かる過ぎるくらい分かる)



公開当時、キャスリン・ターナーが、この映画にでた時、「正気か?キャスリン・ターナー、これで良かったのか?」と本気で心配してしまった。




これがあの『白いドレスの女』のキャスリン?と思って愕然とした記憶がある。


ミステリアスで妖艶な『白いドレスの女』が、増量して、おばさん然とした姿になって、嬉々として殺人を繰り返す役。




確かに、ブラック・コメディーとして面白かったですよ。





でも、その後、もう、ミステリアスなキャスリンに出会える機会が無くなったことを考えると、果たしてこの映画に出演してよかったのか、どうか……。



「もう、この先の映画人生なんてどうなってもいいや!ワハハハーッ!!こうなりゃ、とことん、やったるわい!」

なんて思いながら演じたのだろうか。



それくらい、ビバリー役を突き抜けるくらい爽快に楽しく演じているのだが。



これはある意味、キャスリン・ターナー、最後の覚悟だったのかもしれない。


そう思うと星☆☆☆☆をつけずには、いられませんです、ハイ。(ゾゾッ〜)